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思わぬ盲点! 原因不明の頭痛に対して、専門クリニックがしていること

 更新日:2023/03/27

「原因不明」という言葉は、慎重に読み解く必要があります。原因不明でも症状を治せる場合と、根本原因にアプローチできない場合があるからです。もちろん、医師による見立てが不十分だった場合も考えられます。その点を踏まえつつ、原因不明と言われた頭痛の正しい対処法について、「医療法人社団NALU」の尾﨑理事長が解説します。

尾﨑聡先生

監修医師
尾﨑 聡(医療法人社団NALU 理事長)

プロフィールをもっと見る

山口大学医学部卒業、山口大学医学部大学院修了。その後、各医療機関で脳神経外科医としての経験を積んだ後の2014年、神奈川県海老名市に「えびな脳神経外科」開院。法人化に伴い、「NALU」理事長就任。脳の病気の予防や後遺症、生活障害にも注力した地域診療を提供している。医学博士。日本脳神経外科学会専門医、日本脳神経血管内治療学会専門医、日本脳卒中学会専門医。

状況を一変した予防新薬の登場

状況を一変した予防新薬の登場

編集部編集部

頭痛でクリニックを受診しても、「原因不明」と診断されることがあるようですね。

尾﨑聡先生尾﨑先生

検査などで異常がない場合、原因不明の頭痛と診断されることがあるようです。しかし、多くの場合は片頭痛や緊張型頭痛などと診断が可能な場合が多いと思います。

編集部編集部

つまり、「原因不明」とされるケースが少なくなってきたということですか?

尾﨑聡先生尾﨑先生

近年、頭痛の分類が体系化し、改良を重ねてきています。その分類の診断基準に沿って診断を進めていくことで、原因不明の頭痛も適切な診断ができるようになってきたと感じます。そして、その原因不明とされた頭痛の中で代表的なものが、片頭痛です。2020年に片頭痛の新しい治療薬が登場し、従来の治療に比べて有効性が高いと考えます。なお、この薬は片頭痛、つまり脈を打つような頭痛にしか適応がありません。

編集部編集部

片頭痛とは違った、“痛みっぱなし”の頭痛は対処できないのですか?

尾﨑聡先生尾﨑先生

そういうことになります。ただし、“痛みっぱなし”の頭痛は、「くも膜下出血」のような怖い病気に起因することもあるので、診断できるケースもあります。また、仮に原因不明であっても頭痛ダイアリーの活用などで、頭痛を引き起こすトリガーを洗い出して遠ざけることは可能です。

編集部編集部

どのタイプ頭痛なのかによって、その後の処置が変わってきそうですね。

尾﨑聡先生尾﨑先生

はい。いずれにしても受診が大前提になるでしょう。市販の頭痛薬を飲みすぎると「薬物乱用頭痛」のリスクがありますし、前述した新薬の登場によって市販薬は「時代遅れの感」すらあります。そのため、医師との二人三脚によって、適切に治していきましょう。

受診するとしたら、脳神経外科か脳神経内科を推奨

受診するとしたら、脳神経外科か脳神経内科を推奨

編集部編集部

受診する標榜科によって、原因特定の確率は変わりますか?

尾﨑聡先生尾﨑先生

一般的な内科よりも、脳神経外科や脳神経内科の方が原因を洗い出せる可能性は高いでしょう。「脳に特化した標榜科」というイメージをもたれると思いますが、頭痛に限って言えば脳以外も診ます。例えば、「むし歯によって頭痛が起きている」ということも診断できるのです。

編集部編集部

そうだったのですね。一般的な内科ならむし歯まで診ませんよね?

尾﨑聡先生尾﨑先生

はい。むし歯に気づかないこともあり得るでしょう。そのことによって「原因不明」と診断された可能性も考えられます。脳神経外科や脳神経内科の役割は、“脳に起きていることを、周辺領域も含めて探る”ことにあります。もちろん、脳をよく調べてみたら特定の脳の病気が見つかったということも考えられるでしょう。

編集部編集部

調べ方も専門領域で違いが出るということですか?

尾﨑聡先生尾﨑先生

MRIやCTを撮らずに「原因不明」と決めつけるのは論外にしても、撮った画像をどう読み解くかについてですよね。やはり、内科よりも脳神経外科や脳神経内科の先生の方が脳の関する勉強はしていますし、場数もこなしていらっしゃるでしょう。

編集部編集部

なおかつ、片頭痛の新薬のような情報も随時、アップデートしている?

尾﨑聡先生尾﨑先生

そのとおりです。ただし、片頭痛の新薬には一定の処方制限があります。まずは一般的なアプローチを試みることになっているため、初手から処方されるとは限りません。片頭痛以外の頭痛ならなおさらです。また、くも膜下出血などの重篤な頭痛のケースもあり得るので、最初から専門外来を受診するのが安心なのではないでしょうか。

患者側が注意したいこと

患者側が注意したいこと

編集部編集部

患者さんが頭痛を訴えたとき、医師が重視するポイントはどこでしょうか?

尾﨑聡先生尾﨑先生

頭痛の頻度です。「1カ月に15日以上起こる」と慢性頭痛と診断され、15日以下の場合とは治療計画が異なってきます。ですから、頻度・回数に関しては「うろ覚え」ではなく、頭痛ダイアリーなどを活用して、受診前に確認しておいてください。1カ月という長期の観察が無理なら、1週間でも構いません。使いやすいアプリ形式の頭痛ダイアリーもあるので、ぜひ参考にしてみてください。

編集部編集部

過去の治療歴って、どうやって伝えればいいのでしょうか?

尾﨑聡先生尾﨑先生

受診先名と「お薬手帳」があれば、口頭でご説明いただかなくても、医師は把握できます。ただし、市販薬の有無はお薬手帳には記入しないので、どうしても漏れてしまいます。そのため、服用した市販薬があれば、メモするかスマホでラベルを撮影してご持参ください。また、市販薬に限らず、サプリメントやカフェインを含む飲料も同様に記録していただきたいです。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

尾﨑聡先生尾﨑先生

頭痛でお悩みなら、内科ではなく最初から脳神経外科や脳神経内科を受診してもいいと思います。そのうえで、「いつものかかりつけ医や近場の一般医療機関で診てもらえば十分」とわかったら、ご自身の都合などを優先して、受診先を探してみてください。

編集部まとめ

頭痛には死に直結する病気が含まれるため、自分の体のことを一番よく知っている「かかりつけ医」よりも、専門性の高い頭痛外来を受診した方がいい場合もあるようです。また、脳神経外科や脳神経内科が、脳以外の箇所まで診てくれるとは意外でした。しかし、「脳に起きていることを診断する」としたら、むしろ当然のことなのかもしれません。

医院情報

えびな脳神経外科

えびな脳神経外科
所在地 〒243-0435 神奈川県海老名市下今泉4-2-14グランツ海老名1F
アクセス 小田急線・相鉄線「海老名駅」 徒歩20分
診療科目 脳神経外科、内科

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