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その「頭痛」が危険ではない根拠はどこに? 頭痛の検査の内容と重要性を解説

 更新日:2024/06/13
その「頭痛」が危険ではない根拠はどこに? 頭痛の検査の内容と重要性を解説

慢性的な頭痛に悩まされている人も多いと思います。頭痛が続くと仕事や勉強に集中できないなど、生活の質が低下することも。その場合には頭痛の検査を受け、原因を確認して適切に治療を開始することが必要です。頭痛検査の内容と重要性について、井土ヶ谷脳神経外科・内科 頭痛・めまい・しびれクリニックの宮崎先生に教えてもらいました。

宮崎 良平

監修医師
宮崎 良平(井土ヶ谷脳神経外科・内科 頭痛・めまい・しびれクリニック)

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平成23年福島県立医科大学医学部卒業。平成25年横浜市立大学脳神経外科学教室に入局、同年横須賀共済病院で後期研修開始。横浜市立大学附属市民総合医療センター脳神経外科/救急救命センター、神奈川県立こども医療センター脳神経外科、横浜市立大学附属病院脳神経外科を経て、平成30年横浜市立大学大学院 医学研究科博士課程入学。基礎研究を行いながら、在宅クリニックでの診療経験、内科外来でのトレーニング、漢方診療経験を積む。令和3年まこと在宅クリニック神奈川県央開院、令和5年 井土ヶ谷脳神経外科・内科 頭痛・めまい・しびれクリニック開院。

頭痛の検査はなぜ、重要なのか?

頭痛の検査はなぜ、重要なのか?

編集部編集部

頭痛が頻繁に起きる場合には、検査を受けた方が良いのでしょうか?

宮崎 良平先生宮崎先生

はい。頭痛はとても一般的な疾患なのでそのまま放置していたり、市販の頭痛薬で凌いだりしている方も多いと思いますが、実は頭痛のなかには命に関わる危険なものもあります。そのため、頭痛の症状によっては病院を受診し、検査を受けた方が良いものもあります。

編集部編集部

「命に関わる危険なもの」にはどのようなものがあるのでしょうか?

宮崎 良平先生宮崎先生

そもそも頭痛には一次性頭痛と二次性頭痛があり、いずれかによって治療法が異なります。一次性頭痛とは片頭痛や緊張型頭痛、群発頭痛など、ほかの疾患を伴わない頭痛のこと。一方、二次性頭痛とは、ほかの疾患が原因となって発症している危険な頭痛のことです。

編集部編集部

二次性頭痛の原因には、どのような疾患が考えられるのですか?

宮崎 良平先生宮崎先生

脳出血やくも膜下出血、脳腫瘍、髄膜炎、脳炎などが考えられます。これらの疾患を発症している場合には頭痛だけでなく、嘔吐や意識障害、発熱、手足の麻痺などほかの症状が見られることもあります。どのような症状が見られるかは疾患によって異なります。

編集部編集部

頭痛だけでなく、ほかの症状がある場合には早めに受診した方が良いのですね。

宮崎 良平先生宮崎先生

そのほか、今までに感じたことのない頭痛や徐々に悪化する頭痛の場合にも、念のため受診することをおすすめします。

頭痛の検査はどのように行われるのか?

頭痛の検査はどのように行われるのか?

編集部編集部

頭痛の検査では、どのようなことを行うのですか?

宮崎 良平先生宮崎先生

問診のほか、CT検査とMRI検査を行います。症状に応じて、どちらの検査を行うか選択します。

編集部編集部

それぞれの検査ではどのようなことがわかるのですか?

宮崎 良平先生宮崎先生

まずCT検査では頭部にX線を照射して、頭部を輪切りにしたような断面画像が得られます。これにより、脳挫傷、脳出血、頭蓋内出血などの疾患を確認できます。またCT検査では骨の状態をよく見ることができるので、打撲など外傷の検査にも有用です。

編集部編集部

MRI検査ではどんなことがわかるのですか?

宮崎 良平先生宮崎先生

強力な磁力と電磁波で頭部の断層画像を撮影する検査です。MRI検査では血管などもきれいに映ります。そのため、脳動脈瘤、頭蓋内主幹動脈の狭窄や閉塞、脳梗塞、脳腫瘍、くも膜下出血、髄膜炎などの早期発見に役立ちます。

編集部編集部

血管も映し出すことができるのですね。

宮崎 良平先生宮崎先生

はい。MRI検査を行うことで、頭や首の血管に詰まりや狭くなっている部分がないかなどの確認ができます。それにより、くも膜下出血の原因となる未破裂脳動脈瘤や動静脈奇形、脳卒中の原因となる無症候性脳主幹動脈閉塞・狭窄の有無などなどを調べることができます。

編集部編集部

一度の検査でいろいろなことがわかるのですね。

宮崎 良平先生宮崎先生

MRI検査は二次性頭痛の鑑別のみではなく、一次性頭痛の治療においても重要です。たとえば片頭痛の治療薬のトリプタン製剤という薬を処方する前には必ず脳梗塞や脳血管狭窄の有無を調べる必要があります。その際にもMRI検査が有効です。

検査方法によるメリットとデメリット

検査方法によるメリットとデメリット

編集部編集部

頭痛がひどい場合、どの検査を受けたら良いのでしょうか?

宮崎 良平先生宮崎先生

通常はCT検査とMRI検査の比較になります。ただし、CT検査とMRI検査ではそれぞれメリットとデメリットがあるので、考慮しながら選択する必要があります。

編集部編集部

CT検査のメリットはなんですか?

宮崎 良平先生宮崎先生

撮影時間が3分程度と短いため、頭部の外傷や脳出血、くも膜下出血など緊急性の高い疾患の鑑別に有効ということです。また骨の状態も得られるため、骨折の有無もわかります。

編集部編集部

デメリットはありますか?

宮崎 良平先生宮崎先生

一番は、放射線被曝があるということです。そのため、子どもには使いづらいというデメリットがあります。また、造影剤を使わないと血管を映し出すことができないので、血管の狭窄や詰まりなどは極めて見つけづらいというのもデメリットです。

編集部編集部

一方、MRI検査のメリットはなんですか?

宮崎 良平先生宮崎先生

CT検査と違って被曝の心配が一切なく、低侵襲で疾患を早期発見することができます。また血管を映し出すのも得意なので、くも膜下出血の原因となる危険性の高い脳動脈瘤などの発見に有効です。それからCT検査は1種類の画像しか取得できないのに比べ、MRI検査は一度でさまざまな画像を取得することが可能です。

編集部編集部

さまざまな画像を取得できる、とはどういうことですか?

宮崎 良平先生宮崎先生

MRI検査では、たとえば「1か月以内の脳梗塞だけ調べたい」「脳の形を細かく調べたい」「神経だけを映したい」など、多種類の画像を一度で取得することができるのです。そのため緊急性はそれほど高くないけれど、頭痛の原因をはっきりとさせたいというときには、MRI検査が有効です。

編集部編集部

逆にMRI検査のデメリットはありますか?

宮崎 良平先生宮崎先生

一般的に撮影時間30分程度とCT検査に比べて長いので、緊急性の高い疾患にはあまり有効ではないというデメリットがあります。ただし、当院のように10分で綺麗に撮影することができるところもあるので、必ずしも「MRI検査は撮影時間が長い」とは言えません。

編集部編集部

そのほか、MRI検査のデメリットはありますか?

宮崎 良平先生宮崎先生

ペースメーカーなど、金属を体内に埋め込んでいる人は検査ができない場合があります。ただし、近年はチタンであれば検査が可能な場合もあるので、詳しくは医師に確認が必要です。またタトゥーを入れている人もMRI検査をする前には確認が必要です。検査はできますがタトゥーが入っている部位が熱くなることがあります。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

宮崎 良平先生宮崎先生

現在では「頭痛は我慢するのが当たり前」となっている人が多く、頭痛を理由に受診する人は少ないのが現状です。しかし、「痛みがあること自体が、異常である」という認識をしていただきたいと思います。頭痛で悩まれている方は一度頭痛外来を受診し怖い疾患を除外し、適切な治療を受けて頂くことが大切です。最近は片頭痛に対する治療薬や予防薬も非常に進化していますから、痛みがない快適な生活を、ぜひ、手に入れていただきたいと思います。

編集部まとめ

「わざわざ頭痛で病院を受診するなんて……」と考える人が多いのも事実。しかし、お腹や胸が痛ければ「何かの病気かもしれない」と不安になるのと同様に、本来であれば「頭が痛い」という症状も「異常」「病気」と捉えるべきなのかもしれません。頭痛が長引けば長引くほど治療が難渋することもありますから、早めに診察を受けるようにしましょう。

医院情報

井土ヶ谷脳神経外科・内科

井土ヶ谷脳神経外科・内科
所在地 〒232-0052 神奈川県横浜市南区井土ケ谷中町158 アクロスキューブ井土ケ谷3F
アクセス 京急本線 井土ヶ谷駅 徒歩1分
診療科目 脳神経外科、内科

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