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コンジローマの症状とは?男女間における症状の違いから予防法まで徹底解説!

 公開日:2024/03/06
コンジローマの症状

コンジローマの症状を知っていますか?
本記事では、コンジローマの症状について下記内容を中心に解説していきます!

・コンジローマとは
・コンジローマの症状
・コンジローマの予防法

コンジローマの症状について理解するためにも参考にしてください。
ぜひ最後までお読みください。

馬場 敦志

監修医師
馬場 敦志(宮の沢スマイルレディースクリニック)

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筑波大学医学群医学類卒業 。その後、北海道内の病院に勤務。 2021年、北海道札幌市に「宮の沢スマイルレディースクリニック」を開院。 日本産科婦人科学会専門医。日本内視鏡外科学会、日本産科婦人科内視鏡学会の各会員。

そもそもコンジローマとは

そもそもコンジローマとは
コンジローマとは、性器にできるイボのようなものであり、性感染症の一種であるパピローマウイルス(HPV)に感染することで起こります。
パピローマウイルスは、性行為で感染しやすく、外陰部や腟、子宮頸部、肛門の周囲や中などに発生します。
コンジローマは、数mm程度の小さなボツボツやカリフラワーのような形状をしており、色は薄紅色や茶色です。
一般的には自覚症状がないことが多いですが、ときどきかゆみや痛みを伴うことがあります。
コンジローマはがんではありませんが、見た目が気になる場合や再発しやすい場合は治療を受けることをおすすめします。

コンジローマの基本知識

コンジローマの基本知識
コンジローマの基本知識について解説します。

コンジローマの症状、診断、治療

コンジローマは、世界中に分布しており、日本では約1000人に1人が罹患していると推定されています。
日本では2000年以降、性感染症定点医療機関数が増加傾向にあります。
コンジローマの主な症状は、性器及びその周辺に淡紅色又は褐色調の乳頭頭状、又は鶏冠状の特徴的な隆起性の病変です。
しかし、一般的には自覚症状がないことが多く、偶然発見されることが多いといわれています。
コンジローマの診断方法は主に視診ですが、場合によっては液体検査や組織検査をすることもあります。
また、コンジローマの治療法は主に手術や凍結療法などです。
手術ではコンジローマを切除しますが、再発しやすいため注意が必要です。
凍結療法では、コンジローマを冷凍し消滅させますが、効果が期待できる方法です。

原因

コンジローマの原因は、ヒトパピローマウイルスというウイルスです。
パピローマウイルスは、性行為で感染することが多く、皮膚や粘膜の小さな傷から侵入して細胞に感染します。
感染してからイボができるまでに3週間から8か月ほどかかるため、いつ感染したのかわからないことが多いとされています。
パピローマウイルスには100種類以上のタイプがありますが、その中でもコンジローマを引き起こすタイプは6型と11型です。
6型と11型は、子宮頸がんや肛門がんなどの重篤な病気を引き起こす可能性もあるため、コンジローマを発見した場合は、早めに医師に相談することが大切です。

感染経路

コンジローマの感染経路は、以下の通りです。
性行為:セックスやオーラルセックス、口内セックスなどでパピローマウイルスを排出している相手と接触することで感染します。
キス:口内にパピローマウイルスを排出している相手とキスすることで感染します。
接触感染:食器やタオル、トイレのウォシュレットなど、パピローマウイルスが付着した物を介して、手指や病変部位に接触することで感染します。
母子感染:妊娠中の女性がパピローマウイルスに感染している場合、出産時に産道を介して子供にうつることがあります。子供に感染した場合、1%以下ですが重篤な場合もあります。

潜伏期間

コンジローマの潜伏期間は、3週間〜8ヵ月が一般的です
平均的には、2〜3ヵ月程度で症状が出始めるとされていますが、症状が半年以上経過してからあらわれる場合もあります。
不特定多数と性行為をしている場合やパートナーが変わったときなど、性器やその周辺の皮膚にイボがないかどうかを定期的に観察することが重要です。

パピローマウイルスの種類

パピローマウイルスの種類
パピローマウイルスの種類について解説します。

低リスク型

パピローマウイルスは、その発がんリスクに基づき、「高リスク型」と「低リスク型」の2つに分類されます。
低リスク型HPV(例えば、6型や11型)は、通常、癌を引き起こすことはありませんが、コンジローマと呼ばれる良性のイボを形成することがあります。
コンジローマは、皮膚や粘膜にできるイボで、通常は性的接触を通じて感染します。
これらのイボは、低リスク型HPVによって引き起こされる一般的な症状の1つです。
しかし、低リスク型HPVに感染した全ての人がコンジローマを発症するわけではありません。
感染は一過性であり、多くの場合、体の免疫システムがウイルスを排除し、自然に消失します。

高リスク型

高リスク型HPV(例えば、16型や18型)は、子宮頸がんや陰茎がんなどの発生と関連があるとされています。
ただ、高リスク型HPVに感染しても、必ずしもがんに進行するわけではありません。
ほとんどの感染は一過性であり、免疫力によって自然に消失することが一般的です。
しかし、10年以上の長期間にわたって持続的に高リスク型HPVに感染すると、子宮頸がんや陰茎がんなどの発生リスクが高まります
高リスク型HPV感染の重要な点は、多くの場合、初期には明確な症状があらわれないことです。
そのため、定期的なスクリーニングと予防接種が重要となり、特に子宮頸がんの早期発見と予防には有効とされています。
子宮頸がんはHPV感染との関連が強いため、HPVワクチンの接種や定期的な子宮頸がん検診が推奨されています。

コンジローマの症状

コンジローマの症状
コンジローマの症状について解説します。

一般的な症状

コンジローマは、HPV感染により引き起こされる症状の1つです。
潜伏期間は数週間から2〜3ヶ月程度で、その後に症状があらわれることが一般的です。
一般的な症状としては、性器やその周辺、子宮頸部、膣、肛門及びその周辺などに、粒状の表面を持つ乳頭状、トサカ状、カリフラワー状、あるいは扁平なイボが複数あるいは単独で出現します。
これらのイボは、良性の腫瘍であり、多くの場合は自然に治癒しますが、完全に消えるまでには時間がかかることが多いとされています。
またこれらのイボには、かゆみやうずくような痛みが伴うことがありますが、感染しても気づかないことが多いのも特徴です。
特に、イボが外から見えない場所にできた場合、自覚症状がないまま放置されることがあります。

男性の症状

男性がコンジローマを発症した場合、特にイボは亀頭の先端部分、陰嚢、尿道、肛門内やその周辺にあらわれることが一般的です。
コンジローマの初期段階では、男性も女性も痛みやかゆみなどの症状を感じることはほとんどありません。
これは、コンジローマが初期には通常無症状であることが多いためです。
しかし症状が進行すると、イボが大きくなり、その形状が目立つようになる可能性があります。
進行した症状の場合、イボは出血や痛み、かゆみなどを引き起こす可能性があります。
これらの症状は、特にイボが摩擦や圧迫を受けやすい場所に存在する場合に顕著になることがあります。
イボが大きくなり、数が増えると、日常生活において不快感や心理的なストレスを引き起こすこともあります。

女性の症状

女性がコンジローマに感染した場合、大陰唇、小陰唇、膣前庭、膣内部、肛門、口内、唇周辺などに特徴的なイボが出現することがあります。
特に口内に発生したコンジローマは、口内炎と間違えられることがありますが、これらのイボは通常、目立った痛みやかゆみを伴わない点で異なります。
女性の場合、イボが膣内部に発生することがあり、その場合、感染に気づかずに症状が進行する可能性があります。
イボが内部に存在すると自覚症状がないため、定期的な婦人科検診が重要になります。
イボが増加するにつれて、痛み、かゆみ、出血などの症状があらわれる可能性があります。
さらに、イボが悪性化する恐れもあるため、早期の診断と治療が非常に重要です。

コンジローマの診断

コンジローマの診断
コンジローマの診断方法について解説します。

医療機関での診断

視診:典型的なコンジローマは、乳頭状や鶏冠状の形をしているという特徴があるため、多くの場合は視診だけで診断されます。
コルポスコピー:病巣範囲を確定するために、子宮頸部や膣、外陰部を酢酸溶液にひたした後、コルポスコピーという特殊な顕微鏡を使用して観察します。これにより、イボの状態や広がりを詳しく調べられます。
組織学的検査:形態的に類似した悪性病変の可能性もあるため、確定診断は組織学的になされます。これには、軽度の過角化、舌状の表皮肥厚、上皮細胞の乳頭状増殖などの特徴があり、特に、核と細胞質の空胞化が観察されることが一般的です。
DNA検査:ヒトパピローマウイルスのDNAは、病変部のホルマリン固定検体や生検試料、膣の擦過細胞から抽出されたDNAを使用して検出できます。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いてウイルスDNAの一部を増幅し、そのDNA断片中に分布する複数の制限酵素切断点を調べることで、パピローマウイルスの有無及び型を判定できます。この検査は臨床試験会社で実施され、1〜3週間で結果が得られます。

検査キットでの診断

パピローマウイルスの郵送検査キットは、自宅で簡単にパピローマウイルスの検査ができる便利なツールです。
このキットは、自分で検体を採取し、厚生労働省の認可を受けた登録衛生検査所で検査されます。
検査の手順は以下の通りです。
・検体採取:検査キットに含まれる綿棒を使って性器を拭いて検体を採取します。
・検体の返送:採取した検体は、提供された返送用の包装材を使用して検査所に郵送します。
・検査結果の確認:検査結果はウェブサイト上で確認でき、希望者には紙媒体の検査結果を指定住所に郵送することも可能です。

コンジローマの治療

コンジローマの治療
コンジローマの治療について解説します。

外科的治療

コンジローマの外科的治療には、いくつかの方法が存在します。
これらの治療法は、イボの大きさ、数、場所、および患者の全体的な健康状態に応じて選択されます。
切除:イボを物理的に切り取る方法です。これは、特に大きなイボや広範囲に広がっているイボに適しています。
CO2レーザー蒸散法:この方法は、レーザーを用いてイボを蒸散させます。周囲の組織へのダメージが少なく、速やかな治療効果が期待できるとされています。
電気メスによる焼灼法:電気メスを使用してイボを焼き切る方法です。これは、特に小さなイボに適しています。

液体窒素による凍結治療

液体窒素による凍結療法は、コンジローマの治療方法の1つです。
この治療法では、マイナス196℃の極低温の液体窒素を用いてイボを凍結し、それによってイボを排除します。
治療の特徴は以下の通りです。
・痛みと冷たさがある:液体窒素は非常に低温であるため、治療中には冷たさと痛みを感じることがあります。ただし、この痛みは比較的軽度で、多くの場合麻酔なしで治療することが可能です。
・繰り返し治療する必要性がある:1度の凍結療法ではイボが完全に除去されないことがあるため、何度か治療を繰り返す必要があります。治療の回数には個人差が大きく、患者の状態によって異なります。
・再発のリスクがある:液体窒素による凍結療法のみでは、イボの再発の可能性が比較的高いとされています。そのため、より高い効果を期待できる治療をしたい場合は、軟膏などの薬物療法を併用することが推奨されます。
液体窒素による凍結療法は、比較的簡単で手軽な治療方法ですが、完全な治療を達成するためには、患者の状態やイボの特性に応じた継続的な治療と、必要に応じて他の治療法との併用が重要です。

薬物治療

コンジローマの治療には、薬物療法が一般的に用いられます。
薬物治療は患者自身で塗布できる薬であり、これにより治療の便利性が高まります。
また、この薬は局所の免疫力を活性化させ、自己治癒力を高める作用が期待できると考えられています。
これにより、ウイルス性の感染症であるコンジローマの治癒を促進します。
ただし、盛り上がりが強い病変やサイズが大きい病変の治療には向いていないため、そのような場合には液体窒素療法や外科的切除など他の治療方法が検討されることがあります。

コンジローマの予防

コンジローマの予防
パピローマウイルスは、皮膚や粘膜の微小な傷から侵入して感染するため、性行為の際にコンドームを使用することは感染予防に効果的とされています。
ただし、パピローマウイルスは、性交渉以外の肌と肌の接触によっても感染する可能性があるため、コンドームで完全に感染を予防できるわけではありません。
特に、外陰部にアトピー性皮膚炎や接触性皮膚炎などがある場合は、感染しやすくなるため注意が必要です。
また、特に高リスク型HPVの感染を予防するために、パピローマウイルスワクチンが開発されています。
現在、市場にはいくつかのパピローマウイルスワクチンが存在し、これらは主に16型および18型などの高リスク型HPVに対して有効とされています。
これらのワクチンは、感染防御抗体を誘導し、パピローマウイルスによる感染を予防します。
ただし、パピローマウイルスワクチンはすべてのHPV型に対して効果は期待できないため、複数の型の感染を予防するワクチンの開発が進められています。
コンジローマの予防においては、これらのワクチンの接種に加えて、性行為時の適切な保護対策の実施が重要です。
また、定期的な健康診断や性感染症のスクリーニングを受けることも予防に寄与します。

まとめ

まとめ
ここまで、コンジローマの症状について解説してきました。
コンジローマの症状についてまとめると、以下の通りです。

・コンジローマとは、性器にできるイボのようなものであり、性感染症の一種であるパピローマウイルスに感染することで起こる
・コンジローマの症状は、性器やその周辺、子宮頸部、膣、肛門及びその周辺などに、粒状の表面を持つ乳頭状、トサカ状、あるいは扁平なイボが複数あるいは単独であらわれる
・コンジローマの予防には、性行為時のコンドーム使用やワクチン摂取、定期的な健康診断が重要である

これらの情報が皆様のお役に立てたら幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修医師