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「内視鏡検査は痛そうで怖い」と思っていませんか?【広島市南区 ひろしま内視鏡内科クリニック】

 公開日:2025/03/31

「内視鏡検査は痛そうで怖い」と思っていませんか?
「内視鏡検査は痛そうで怖い」と思っていませんか?

かつては不治の病といわれていたがんも、今や早期発見・早期治療で生存率はかなり上昇。とりわけ内視鏡検査は、機器の性能や検査技術の進歩により、胃がんや大腸がんの早期発見に大きく貢献している。ところが、未だに「内視鏡は痛そう」「検査を受けるのが怖い」といった先入観を捨てきれず、検査を忌避している人も多いようだ。それではがんの早期発見など望めないだろう。そこで、現在の内視鏡検査はどういうものなのか、これまで数多くの検査を行ってきた「ひろしま内視鏡内科クリニック」の畑幸作院長に解説をお願いした。

Doctor’s Profile
畑 幸作(院長)
ひろしま内視鏡内科クリニック

2010年、広島大学医学部医学科を卒業。広島大学病院の初期臨床研修医となり、2012年に済生会広島病院消化器内科入局。その後、広島大学病院消化器・代謝内科、中国労災病院消化器内科、広島大学病院内視鏡診療科を経験し、2024年8月に現在の「ひろしま内視鏡内科クリニック」を開業。日本内科学会認定内科医、日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医。

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胃内視鏡検査は胃がんの早期発見の最有力手段

胃内視鏡(胃カメラ)検査を受けるメリットは何でしょうか?

メリットは胃がんをはじめとした胃の病気を早期に発見できることです。組織を採取して病理検査を行うので、小さな病変も発見でき、胃潰瘍や胃のポリープなどを見つけることができます。
胃がんのような重大な疾患は、初期は自覚症状がありません。内視鏡検査によって早期発見し、早期治療を行うことで、命が助かる可能性が高くなります。

胃内視鏡検査は胃がんの早期発見の最有力手段

どのような方に胃内視鏡検査をおすすめしますか?

健診で消化器の異常が見つかった人はもちろんですが、40代後半以降で一度も胃内視鏡検査をしたことがない人は、ぜひ受けることをおすすめします。
また、これまでに胃がんや胃潰瘍、胃のポリープなどの治療をしたことがある人や、食欲がないなどの不調がある人の場合も、もちろん受けておいたほうが安心です。

体に違和感がないと、なかなか検査を受けようとしない人も多いのでしょうか?

そうですね。「症状がないから検査を受けない」というケースはよくあります。
「自分は大丈夫」と思い込んで、気が付くとポリープが大きくなっていたり、がんが進行して手遅れになってしまったりするケースもあります。

検査をおすすめする胃の違和感や自覚症状としては、どのようなものがありますか?

たとえばお腹の上のほうに痛みや違和感、不快感を覚えたり、みぞおちのあたりがシクシク痛んだり、お腹の張りや吐き気、胸やけ、げっぷ、食欲不振などの症状が挙げられます。また、体重が減ってきていたり、黒色の便が出たりするようなことがあれば、やはり検査をおすすめします。

胃内視鏡検査は胃がんの早期発見の最有力手段

胃内視鏡検査では、どのあたりの部位まで確認できるのでしょうか?

喉の奥(咽頭・喉頭)から、食道、胃、十二指腸まで、広範囲に検査することができます。そのため、胃がんや胃潰瘍などのほかにも、十二指腸がんや食道がん、逆流性食道炎、急性胃粘膜病変(AGML)、食道・胃静脈瘤などが発見できます。

胃内視鏡検査とバリウム検査の違いは何ですか?

バリウム検査は胃の形や表面の凹凸をレントゲンで観察するので、凹凸のない平坦な病変や色の違いを認識できません。それに対して胃内視鏡検査は、わずかな粘膜の凹凸や模様の違い、色の違いも認識できます。
特に早期の胃がんは、わずかな凹凸や粘膜の色の違いのみで病変を確認できることが多く、検査方法としては胃内視鏡のほうが断然優れています。

胃内視鏡検査と聞くと、かつてはカメラ器材を飲み込むという苦しそうなイメージがありました。現在の内視鏡検査はどうでしょうか?

確かに、かつてのカメラを飲み込む胃内視鏡検査は患者さんの負担が大きく、どうしてもそのときのイメージが残っている方が多いのかもしれません。しかし、現在の胃内視鏡検査は適切な麻酔や処置を行うことによって、苦痛をほとんど感じることなく検査を受けることができます。
当院では鼻からも口からも対応可能な、細い管の胃カメラを使用しています。鎮静剤を使う場合は、口からの検査をおすすめしており、胃と大腸の検査を同じ日に行うこともできます。

胃内視鏡検査を受けるにあたって、患者側に必要な準備について教えてください

検査前日の夕食は、21時までに消化のよいものを済ませます。水分は水や薄いお茶など、糖分の含まれない透明なものを摂取し、飲酒は避けてください。当日朝は、朝食を摂らずに検査に臨んでいただきます。

貴院における胃内視鏡検査の流れを教えてください

検査開始20分前に来院していただきます。検査前に診察を行い、胃の泡を消す薬剤を服用し、必要な場合は鼻や喉の麻酔をします。検査にかかる時間は5分ほどです。
検査後は医師による検査結果の説明があり、組織採取を行った場合は7日~10日後に検査結果がわかるので、再度ご来院いただきます。
胃内視鏡検査大腸内視鏡検査と違って、ポリープががんに発展する可能性が低いため、検査中にその場で切除することはありません。必要に応じてピロリ菌の検査や組織検査を行い、その上で判断することになります。

胃内視鏡検査は胃がんの早期発見の最有力手段

大腸内視鏡検査ならその場でポリープ切除も可能

大腸内視鏡検査ならその場でポリープ切除も可能

次に大腸内視鏡(大腸カメラ)検査について伺います。大腸内視鏡検査を受けるメリットは何ですか?

メリットは大腸がんの早期発見につながり、ポリープがあればその場で切除することができるということです。大腸がんはいま増えており、早期発見がとても重要です。それにより、大きな手術や抗がん剤治療などをせずに治療完了を目指すことができます。

どんな方に大腸内視鏡検査をおすすめしますか?

おなかに不調を感じる方や、健康診断で精密検査をすすめられた方、血便や下痢、便秘といった自覚症状がある方は、できるだけ早く大腸内視鏡検査を受けたほうがいいでしょう。
特に自治体の健康診断や人間ドックの大腸がん検診で便潜血検査を受け、陽性と診断された人は、必ず検査を受けることをおすすめします。

大腸内視鏡検査では、腸内のどのあたりの部位まで確認でき、どんな病気がわかりますか?

直腸から結腸、大腸の入り口である回盲弁までの大腸全域を確認することができます。これによって大腸がんや大腸ポリープ、大腸憩室症、炎症性腸疾患、虚血性腸炎などの病気を発見できます。

大腸内視鏡を挿入する際に痛みはありますか?

痛みの感じ方は個人差もありますが、鎮静剤を使って眠ったような状態で検査をするので、多少の圧迫感はあっても痛みを感じることはほとんどありません。
当院では内視鏡の柔らかさや細さなどにおいても先進の製品を採用しており、検査後の膨満感を和らげるために、腸を広げるときも吸収されやすい二酸化炭素を使っています。機器や手技、麻酔までトータルで気を配って、患者さんに苦痛なく受けていただくよう努力しています。

女性は恥ずかしさもあり、大腸内視鏡検査が受けにくいケースもあるかと思います。貴院では何か対処されていますか?

はい。当院では若い女性にも安心して検査を受けていただけるよう、週に2日女性医師が勤務しています。予約時に言っていただければ、女性医師による内視鏡検査を受けることができます。

大腸内視鏡検査を受けるにあたって、患者側に必要な準備について教えてください

前日は消化のよいものを3食摂り、夕食は21時までに済ませてください。夕食後の水分は、水や薄いお茶など、糖分の含まれない透明なものを摂取します。当日朝は 、牛乳やコーヒーなどの摂取を控え、検査開始5時間前に下剤を服用します。

貴院における大腸内視鏡検査の流れを教えてください

検査開始30分前までに来院していただきます。鎮静剤を使う場合は点滴を行い、検査にかかる時間は10~30分ほどです。検査途中でポリープ切除手術や組織採取を行う場合もあります。
検査後は医師による検査結果の説明があり、ポリープ切除手術や組織採取を行った場合は7日~10日後に検査結果がわかるので、再度ご来院いただきます。

大腸内視鏡検査ならその場でポリープ切除も可能

AI機能搭載の内視鏡でより高精度な検査が可能に

AI機能搭載の内視鏡でより高精度な検査が可能に

貴院では検査に際してAIを導入しているそうですね。その特徴を教えてください

当院は広島県内でも早くから、保険適応のAI機能を搭載した内視鏡を導入しています。この内視鏡を使うと、ポリープの疑いがある場所を発見したときに、ピコーンと音がしてその場所が光ります。そのため、小さくてわかりづらいポリープも発見することができ、医師の目とAIの目の双方からより精密な検査ができます。
検査前にはなぜ内視鏡検査が必要なのかを丁寧に説明し、患者さんに納得していただいた上で検査を行います。そして検査後の説明では、画像を示しながらポリープがどこにあって、どう切除したかをわかりやすくお話しするので、安心して検査に臨むことができるのではないでしょうか。

最後に、内視鏡検査を受けようと考えている方や、Medical DOCのサイトを訪れている読者に対して、メッセージをいただけますか?

現在日本人の死因の第1位であるがんは、初期の段階で発見できれば、内視鏡によるポリープ除去などの簡単な処置で済ませることができます。そのためには、早期発見・早期治療が重要ですので、ぜひ内視鏡検査を受けられることをおすすめします。
当院は駅前の便利な場所にあり、土曜日の午後も診療をしていますので、仕事でお忙しい方も来院しやすいかと思います。
内視鏡検査だけでなく、一般的な内科の診察も行っており、身体に不調を感じたときには気軽にご相談いただければと思います。

編集部まとめ

胃や大腸の内視鏡検査というと、かつては「痛い」「辛い」というイメージが強く、その印象を引きずっている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、畑先生のお話によれば、現在の内視鏡検査は鎮静剤を使って行うので、痛みや恐怖を感じることが少ないとのこと。また、内視鏡検査はがん以外にも、さまざまな病変の発見に効果のあることがよくわかりました。そして、胃がんや大腸がんの重症化を予防する有力な手段であることは間違いありません。ぜひ先入観を捨てて、内視鏡検査を受けてみてはいかがでしょうか。

ひろしま内視鏡内科クリニック

医院名

ひろしま内視鏡内科クリニック

診療内容

胃内視鏡検査 大腸内視鏡検査 消化器内科 など

所在地

広島県広島市南区松原町9-1
エールエールA館7F

アクセス

JR各線「広島」駅より徒歩1分

この記事の監修医師