目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. ドクターインタビュー
  3. インプラントが「難しい」と言われた方へ。ザイゴマインプラントという選択肢。【大阪市北区 北梅田ロワイヤルおとなこども歯科・矯正歯科】

インプラントが「難しい」と言われた方へ。ザイゴマインプラントという選択肢。【大阪市北区 北梅田ロワイヤルおとなこども歯科・矯正歯科】

 公開日:2026/03/04

インプラントが「難しい」と言われた方へ。ザイゴマインプラントという選択肢。
インプラントが「難しい」と言われた方へ。ザイゴマインプラントという選択肢。

失った歯を補う有効な治療手段として広く知られているインプラントだが、一方で「骨が足りない」「この状態では難しい」と診断され、治療を断念する人も少なくない。そうした症例に対しては、ザイゴマインプラント(※)やオールオン4といった高度なインプラント治療が有力な選択肢となる。ただ、「リスクが高い」「対応できる歯科医師が限られる」といったイメージを持たれやすい治療法でもある。今回は、国内外で研鑽を積み、理論と再現性を重視した治療に取り組む「北梅田ロワイヤルおとなこども歯科・矯正歯科」の芳本武院長に、ザイゴマインプラントオールオン4の考え方、安全性、そして治療に対する姿勢について詳しく話を伺った。
ザイゴマインプラント:上顎の骨が極めて少ない難症例に対し、頬の骨(ザイゴマ)を支えに長いインプラントを埋入する特殊な治療法。骨移植が不要で、手術当日に固定式の仮歯を入れられるので、すぐに食事することが可能。

Doctor’s Profile
芳本 武(よしもと たけし)
北梅田ロワイヤルおとなこども歯科・矯正歯科 院長

大阪歯科大学卒業後、根管治療専門歯科医院、インプラント専門歯科医院にて幅広い臨床経験を積む。2010年より、やまがた歯科デンタルクリニック副院長、香里ヶ丘インプラントセンターにて臨床経験を重ね、2013年には南カリフォルニア大学客員研究員として海外での研究にも従事した。現在は北梅田ロワイヤルおとなこども歯科・矯正歯科にて診療を行うとともに、大阪歯科大学インプラント科に所属。歯科スタディーグループMDA理事としても活動している。
国際口腔インプラント学会(ISOI)認定医。日本口腔インプラント学会、日本歯科審美学会、日本口臭学会、日本床矯正研究会、国際歯周内科学研究会、ITIに所属。

目次 -INDEX-

インプラント治療を難しくする主な要因は骨量の不足

インプラント治療が「困難」とされるのは、どのようなケースでしょうか?

多くの方は「歯が何本残っているか」「抜歯が必要かどうか」を気にされますが、実際に治療の可否を左右するのは顎の骨の状態です。歯を失うと、その部分の骨は役割を失います。すると身体は「ここに骨は必要ない」と判断し、少しずつ吸収していきます。これは年齢や体質に関係なく起こる、ごく自然な生理現象です。
インプラントは骨に固定して機能する治療ですから、骨の量や質が不足していると、治療の難易度は一気に上がります。「インプラントが難しい」と言われる背景には、こうした骨の問題がほぼ必ず存在しています。

インプラント治療を難しくする主な要因は骨量の不足

「できるだけ歯を残す」ことが、逆に不利になる場合もあるのでしょうか?

残念ながらそういうケースはあります。歯が大きくぐらついている状態というのは、身体にとっては「異物が存在している状態」に近いのです。すると身体は、その歯を排除しようとして、周囲の骨をさらに溶かそうとします。
「もう少し使えるかもしれない」「抜くのは怖い」という気持ちはわかりますが、その期間が長くなるほど結果的に骨の吸収が進み、将来の選択肢が減ってしまうことがあります。実際に、もっと早い段階で抜歯していれば、通常のインプラントが可能だったというケースも少なくありません。

骨が少ない場合、普通のインプラントでは何が問題になりますか?

インプラントには、ある程度の「太さ」と「長さ」が必要です。太くて長いインプラントほど、噛む力を分散でき、長期的に安定しやすくなります。
しかし、骨が細かったり高さが足りなかったりすると、短く細いインプラントしか使えません。同じ費用をかけて治療をしても、条件が悪い状態では持ちが変わってしまうのです。そのため、骨が少ないケースでは「入れられるかどうか」ではなく、「長く安定して使えるかどうか」を重視する必要があります。

骨を増やす治療(サイナスリフトなど)では解決できないのでしょうか?

骨造成という方法自体は、有効な選択肢のひとつです。ただし、注意しなければならない点もあります。
人工的につくった骨は、もともと存在していた自分の骨と比べると、どうしても強度の面で劣ります。また、骨が安定するまでに半年から1年、場合によってはそれ以上の期間が必要になることもあります。
さらに、時間の経過とともに骨が吸収されるリスクもゼロではありません。「治療期間」「長期的な安定性」を含めて考えると、骨造成が最善とは言い切れないケースもあります。

インプラント治療を難しくする主な要因は骨量の不足

そこで、オールオン4やザイゴマインプラントが選択肢になるのですね?

そうです。オールオン4ザイゴマインプラントは、「今ある骨の中で、どこが一番硬く信頼できるか」という発想で治療を組み立てます。
たとえば家を建てるとき、柔らかい土の上に基礎をつくることはありません。必ず、地盤の硬い層まで杭を打ち込みます。インプラントも同じ考え方です。
ザイゴマインプラントでは、上顎奥にある頬骨という非常に硬い骨を支点として利用します。これにより、通常のインプラントでは難しいとされる症例でも、しっかりとした固定を得られる可能性が広がります。オールオン4ザイゴマインプラントの手術直後は、腫れや痛み、違和感、出血などが発生する場合がありますが、大体2~3日で治まります。
オールオン4ザイゴマインプラント
治療期間:3~6ヶ月程度
治療回数:5~10回程度※ザイゴマインプラントの方が、期間が短くなる傾向があります。

ザイゴマインプラントは本当にリスクを伴う治療なのか?

ザイゴマインプラントは本当にリスクを伴う治療なのか?

ザイゴマインプラントは「リスクが高い治療」と言われることがありますね

確かに、一般的なインプラント治療と比べると難易度は高い治療です。使用するインプラントの長さも、通常のものが10mm前後であるのに対し、ザイゴマインプラントでは40~50mm程度になります。
また、直接目で確認できない深部を扱うため、解剖学的な理解や術前設計が不十分だとリスクが高まる可能性があります。こうした点から「危険なのではないか」「できる先生が限られる」と言われてきた背景があります。
ただし、治療そのものが危険なのではなく、どう設計し、どう行うかが問われる治療だと考えています。

視神経や副鼻腔炎(蓄膿症)に対するリスクについてはいかがでしょうか?

ザイゴマインプラントの視神経への影響が語られることはよくありますが、実は世界的に見ても実際の報告例は極めて少なく、多くの場合は不適切な角度設定や、解剖学的理解の不足が原因になっているんです。
術前に十分な診査を行い、進入点と方向を明確に設計すれば、視神経への影響は回避できます。「どこが危険で、どこが安全か」を明確にすることで、リスクは大きく下げられると考えています。
副鼻腔炎のリスクについては、ザイゴマインプラントに限ったものではありません。サイナスリフトなど、上顎洞を扱う治療全般に共通するリスクです。重要なのは、トラブルが起きた場合の対応です。粘膜に問題が生じた場合でも、適切に分離・修復するリカバリーの技術があります。

リスクを下げるために、どのような点を重視されていますか?

最も重視しているのは、感覚や勘に頼らないということ。ザイゴマインプラントは長らく、経験豊富な一部の医師が「職人的に行う治療」という印象がありました。実は私自身も東京をはじめ、各地に足を運び、セミナーや症例検討会などで学ぶなかで、次第に「なぜその角度なのか」「なぜそこに入れるのか」が、明確に言語化されていないケースが多いことに気づきました。
医療である以上、再現性がなければならない。そう考えるようになったのが、治療に対する向き合い方を見直すきっかけでした。

海外での研修にも参加されたそうですね

はい、国内で学べることを学びながら、さらに理解を深めるために海外の研修にも参加しました。
海外では、ザイゴマインプラントが特別な治療というより、「適応を見極めたうえで選択される治療のひとつ」として位置づけられていました。
特に印象的だったのは、進入点・角度・出口を明確に設計する考え方です。「見えないから怖い」のではなく、「見える形にしてから行う」。CTなどの画像診断を用いながら、解剖学的構造を立体的に把握し、無理のないルートを設計するという考え方が徹底されていました。
なお、ザイゴマインプラントはまだ十分に知られていない治療であることから、「学びたい」「詳しく知りたい」という要望を受けることも少なくありません。そうした歯科医師に対しては、研修という形で、実際の治療の進め方だけでなく、そもそもザイゴマインプラントとはどのような治療なのか、どこに注意すべきかといった基礎的な考え方からお伝えしています。

ザイゴマインプラントは本当にリスクを伴う治療なのか?

治療のゴールは手術の成功ではなく、その後の人生を支えること

治療のゴールは手術の成功ではなく、その後の人生を支えること

オールオン4やザイゴマインプラントで、先生が大切にしている考え方は何でしょうか?

治療のゴールは、インプラントを入れた瞬間ではありません。その後、患者さんがどのように生活し、どれだけ長く快適に使えるかが重要です。
そのため、私は「入れること」よりも、「どう使い続けるか」を重視しています。これは治療前の設計段階から、常に意識している点です。

具体的には、どのような点を重視されていますか?

大きなポイントのひとつが、上部構造(被せ物)の設計です。見た目の美しさだけでなく、長期的に使い続けることを前提にトラブルが起きた際にどのような対応が可能かという点が満足度に大きく関わってきます。
たとえば、オールジルコニアは審美性に優れた素材ですが、強い力が加わるなどして破損した場合、部分的な修理が難しく、上部構造全体をつくり直す必要が生じることがあります。その際には、再製作にかかる時間や費用の負担が避けられません。
一方で、金属フレームの上にジルコニアを築盛する構造は、製作段階では一定のコストがかかりますが、フレームが土台として機能するので力を分散しやすく、万が一トラブルが起きた場合でも状態に応じて修理や調整が可能です。
長期的な視点で見ると、こうした構造のほうが、結果として治療後の時間的・経済的な負担を抑えられるので、将来を見据えた設計として重要だと考えています。

治療後のメンテナンスについても教えてください

インプラント治療は、入れて終わりではありません。3~6カ月に一度を目安に必要に応じて上部構造を外し、専用の清掃を行います。インプラント自体はむし歯になりませんが、清掃が不十分だと炎症が起こり、結果として寿命を縮めてしまうことがあります。定期的なメンテナンスが重要です。

治療のゴールは手術の成功ではなく、その後の人生を支えること

貴院でインプラント治療を受ける場合の料金体系を教えてください

当院のインプラント治療の費用は、インプラント体と上部構造の合計金額で提示しています。インプラント体は275,000円と341,000円の2種類で、上部構造はオールセラミックが143,000円、ジルコニアが165,000円です。すべて税込み料金で、あとはそれぞれの組み合わせをどうするかということになります。

最後に、Medical DOCのサイトを訪れる読者の方にメッセージをお願いします

大きな治療を前にすると、誰でも不安になります。特に「歯を抜く」「元に戻せない」という選択は、簡単に決断できるものではありません。
私はこれまで多くの症例を経験し、国内外で学びながら治療を重ねてきましたが、それでも毎回「この方にとって最善かどうか」を考え続けています。治療は成功させることが目的ではなく、その後の人生を支えることが目的だからです。
オールオン4ザイゴマインプラントは、決して“最後の手段”ではありません。適切に選択され、適切に行われれば、食べること、話すこと、そして人前で笑うことを、再び自然なものとして取り戻せる治療です。
大切なのは、「できる・できない」ではなく、自分にとって本当に必要な治療かどうかを納得して選ぶこと。そのために、遠慮なく質問し、不安をそのまま伝えてほしいと思います。

編集部まとめ

インプラント治療、とりわけオールオン4ザイゴマインプラントは、「難しい」「リスクが高い」といったイメージを持たれがちな治療です。しかし今回の取材で、その結果を左右するのは、医師がどれだけ真摯に学び、経験を積んできたかにかかっていると感じました。
全国各地や海外で研鑽を重ね、感覚に頼らず理論と再現性を重視する先生の言葉から感じたのは、「すごい治療」よりも、患者さんの将来を見据えた医療への向き合い方です。治療を受ける側にとって大切なのは、安心してまかせられるかどうか。この記事が、治療を考えるうえでの判断材料になれば幸いです。

北梅田ロワイヤルおとなこども歯科

医院名

北梅田ロワイヤルおとなこども歯科・矯正歯科

診療内容

インプラント治療 矯正治療 審美治療 など

所在地

大阪府大阪市北区豊崎5-7-8
リップル豊崎ビル1F

アクセス

大阪メトロ御堂筋線「中津」駅2番出口目の前

この記事の監修歯科医師