「痛みが少ない」「早く終わる」を実現する抜歯即時インプラントとは?【兵庫県芦屋市 中山歯科】

インプラントの治療には手術を伴う。そのため、痛みや手術そのものへの恐怖心と相まって、治療期間も長くなることから治療をためらう人が少なくない。そこで注目されているのが、手術時間が短く痛みも少ないという「抜歯即時インプラント」という手法だ。兵庫県芦屋市の中山歯科では、この「抜歯即時インプラント」で治療期間を最短3カ月に短縮している。患者の「噛める喜び」を最優先に考えた新しいインプラント治療について、同院の中山智裕院長に話をうかがった。
患者が漠然と抱く治療への不安を「安心」に変える
インプラント手術に対する恐怖心で、治療をためらう患者さんはやはりいらっしゃるのでしょうか?
外科的な処置が怖い、歯茎を切り開くことに抵抗があるという理由で、一歩を踏み出せない方は確かにいらっしゃると思います。しかし、インプラントを目的に当院へ来られる患者さんは、すでに治療の必要性をご理解されていますから、治療方針について丁寧にご説明して不安を取り除けば、スムーズに手術へ進むことができます。

インプラントの治療期間はどれくらいかかりますか?
従来のインプラント治療だと、骨とインプラント体が結合するまでの期間を待つため、数カ月から半年以上の治療期間が必要でした。しかし、当院では「抜歯即時インプラント」という術式を導入していますから、最短で3カ月です。
その「抜歯即時インプラント」について教えてください
「抜歯即時インプラント」は、歯を抜いたその日にインプラント体(人工歯根)を埋め込む治療法です。 従来行われていた「2回法」では、抜歯したあと半年の治癒期間を経てインプラントを埋入。その後3~4カ月の治癒期間が必要で、トータル9~10カ月程度もかかっていました。しかし「抜歯即時インプラント」では治療期間が大幅に短縮されますから、それに伴って歯がない期間も最小限に抑えられるわけです。それが患者さんにとって、何よりのメリットですね。 治療期間/回数:約3~4ヶ月/手術回数1回
「抜歯即時インプラント」を習得している歯科医はまだ多くないそうですね?
「どうやったらインプラントと骨が早く、強固に結合してくれるか」といった、非常に細かい技術や知識の積み重ねが欠かせませんから。私は歯科医師になって以来、この分野の新しい情報を得るために、継続的に国内外の勉強会に通って研鑽を積んでいます。 患者さんの負担を減らし、早期に満足度の高い結果を提供するために、当院ではこの技術をインプラント治療の柱のひとつとして積極的に取り入れています。 年間100本程度行うインプラント治療のうち、約90%が「抜歯即時インプラント」です。(※2025年度実績)
貴院では過去に断られた患者さんも引き受けてくれるそうですが、どのような状況の患者さんが来院されますか?

先生はそれをどのように克服されているのでしょうか?
上顎洞までの骨の高さが不足しているケースでは、「ソケットリフト」という方法を主に採用しています。これは、インプラントを埋入する穴から、外科処置で慎重に骨を増やしていく手法です。ほかに、患部の状態によってはインプラントをより深く入れることがありますし、逆に短いインプラントしか入らない場合は、やや太めのものを使って強度を確保します。 当院では、外科処置をできる限り最小限(低侵襲)にすることを心がけており、骨を増やす手術を行ったとしても、患者さんの痛みや腫れを極力抑えることができます。 また、治療の精度を高めるため、必要に応じてCT(三次元画像診断装置)やセファロ(頭部X線規格写真)などの機器を使って、口の中を細かく診断しています。これにより、神経や血管の位置を正確に把握し、安全で低侵襲な治療計画を立てることができるのです。
痛みを最小限に抑えるための徹底した配慮と治療後の長期的な安心

手術前後に患者さんが心がけておくべきことはありますか?
特別なことをしていただく必要はなく、体調を整えておけば大丈夫です。ただ、手術後にはいくつかの注意事項があります。 まず、強い「うがい」は避けること。強すぎると傷口の治りを妨げるため、唾を吐く程度にとどめてください。次に「食事は麻酔が切れてから」。麻酔が切れていない状態で咀嚼すると、誤って口内を噛んでしまうことがあります。そして、傷口からの出血を防ぐため、血行を促す行為を避けること。たとえば、飲酒、激しい運動をする、入浴時に湯船へ浸かるなど、血圧を上げることはNGです。それと、タバコも控えてください。 これらは通常2~3日間、長くても1週間ほどで解禁になります。きちんと守っていただくと傷口の治りが早く、不快な状態からも早く解放されます。
手術後はどのようなメンテナンスが必要ですか?
インプラントの耐久性はどれくらいですか?
適切なメンテナンスを行っていれば天然の歯と変わらないか、それ以上に長持ちします。 ただし、患者さんの使い方次第ともいえますから、日々の丁寧な歯磨きと歯科医院での定期的なメンテナンスを怠らないことが必要です。 ごく稀にですが、インプラント体が割れることがあります。その場合は、必要に応じてやり直しになることもありますが、正しいケアを行っていれば耐久性は高いです。
貴院ではどこのメーカーのインプラントを使用していますか?

知っておきたい費用感と信頼できる歯科医の選び方

最後に、これからインプラント治療を受けようと考えている方や、Medical DOCのサイトを訪れている読者に対してメッセージをお願いします
お口の健康は、全身の健康に大きく影響します。歯を失ったままにしていると、食事が楽しめなくなるだけでなく噛み合わせのバランスが崩れてしまい、将来的な健康も損なう原因になりかねません。 インプラント治療は自由診療のため費用はかかりますが、残っている歯への負担がほとんどない、自分の歯に近い機能がある、見た目(審美性)が良いなどのメリットがあります。そして何より、患者さんの「噛める喜び」を一日でも早く取り戻していただくことを最優先に考えておりますので、お悩みのある方はお気軽にご相談ください。
編集部まとめ
時折、笑いを交えながら、終始和やかな雰囲気で話をされる中山先生。その内容は膨大な勉強量と確かな技術、そして豊富な臨床経験に裏打ちされた確かな自信を伴っており、平易な言葉でわかりやすいものでした。 「抜歯即時インプラント」を導入しているのは、患者さんのQOLの向上を第一に考え、身体的に負担の少ない治療であるからということ。患者さんが本当に求める治療結果を提供しようとされる姿勢が、大きな信用につながっていることを感じました。




