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噂や不安であきらめないで。気軽に相談できるインプラント治療【富山県高岡市 山田歯科医院】

 公開日:2025/10/30
噂や不安であきらめないで。気軽に相談できるインプラント治療 噂や不安であきらめないで。気軽に相談できるインプラント治療

インプラント治療は「痛そう」「怖そう」「費用が高そう」といった不安を抱く方が少なくない。しかし、正しい知識と医院選びを行うことで、安心して治療を受けることができるのではないか。近年はサージカルガイドショートインプラントといったさまざまな治療法が登場し、正しくメインテナンスすれば数十年にわたって使用できるという。インプラントの基礎知識、耐久性、治療を受ける際の医院選びのポイントなど、山田歯科医院の山田院長に解説していただいた。

Doctor’s Profile 山田 哲也(やまだ てつや) 山田歯科医院 院長
1985年、富山県高岡市生まれ。朝日大学歯学部を卒業後、大阪歯科大学附属病院にて臨床研修を修了。大阪府内の医療法人田口歯科医院、医療法人井上歯科医院、医療法人真歯会 平川歯科クリニック、医療法人真和会 東野歯科医院、FDP所属にて研鑽ののち高岡市に戻り、2020年医療法人社団山田歯科医院院長に就任。 日本歯周病学会、日本臨床歯周病学会、日本口腔インプラント学会[専修医]、日本顎咬合学会[認定医]、日本歯科審美学会、中部インプラントアカデミー(CIA)、JIADS CLUBに所属。

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インプラント治療とは? 知っておきたい治療とポイント

インプラントのよさが広く知られるようになってきたと感じていますが、インプラント治療の質には、医院ごとに差がありますか?

はい、大きな差があると思います。インプラントは「入れる場所の条件」が非常に大切です。たとえば骨の量や硬さ、歯ぐきの状態、隣の歯との位置関係、噛み合わせのバランスなど、お口の中の環境が整っていると、インプラントも長持ちしやすく、仕上がりも自然になります。 逆に、条件が悪いところに無理に入れると、安定しなかったり、噛むときに違和感や痛みが出たりすることがあります。インプラントをいい位置に埋入し、長持ちさせるためにいいお口の環境を作る技術を持っているかが大きな分かれ目と思われます。条件次第で結果に大きな差が出るのがインプラントです。治療前にしっかりと診断し、骨や歯ぐきの状態を整えてから進めることが重要です。

インプラント治療とは? 知っておきたい治療とポイント

手術への不安や費用の高さで、治療をためらう人は多いですか?

「怖い、痛そう」「お金がかかりそう」という声はよく聞きます。いわば二大相談ですね(笑)。当院では、初めに細かい見積もりをお渡しし、治療の流れや必要な費用を丁寧に説明します。インプラントは治療時間も費用もかかる治療ですので、選択肢のひとつとしてしっかりお伝えし、納得いただいた上で治療を進めています。

貴院はインプラント治療に長い歴史があると伺いました。いつから対応しており、これまでどれくらいの患者さんを治療してこられましたか?

当院は、先代から数えて約40年の実績があります。私はインプラント学会の認定資格を取得しており、現在は年間80~100人ほどの患者さんが相談・治療に来られています。 自然とインプラント中心の診療が増えていますが、「どんどんインプラントをすすめよう」というスタンスではありません。他の歯が悪くならないように、予防も含めてバランスを取ることがとても大切だと考えています。

患者さんが望んだとしてもインプラント治療が難しいケースはありますか?

そうですね。いつもインプラントの埋入にいい条件が揃っているわけではありませんので いくつか注意が必要な場合があります。 たとえば、顎の骨が薄い方や、歯周病が進行して歯ぐきが弱っている方、また、歯を失ったまま放置することで両隣の歯が倒れて歯と歯の間が狭くなっている場合などは、そのままインプラントを入れるのが難しいことがあります。 上顎では骨の厚みや鼻の穴との距離、下顎では神経の位置なども影響します。むし歯や歯周病によって骨が溶けているケースもありますので、インプラントを選択する場合は、まずお口の中の状態をしっかり確認することが大切です。

過去に「インプラントは難しい」と言われた人にも対応できることがあると伺いました

条件を整えることで対応できることがあります。たとえば、骨が薄い方には骨を増やす「骨造成」という処置を行います。またそれでも神経が近いなど通常のものでリスクがある場合は、短くても安定する「ショートインプラント 」を使うことで、対応します。ほかにもソケットリフトサイナスリフト(上の歯で鼻の穴に近い場合に鼻粘膜と骨の高さを調整して安全に埋入する方法)、歯ぐきが薄い、弱っている場合の「歯肉の移植」(CTGFGG)、歯と歯の間が狭くなっている場合にスペースを整える「歯列矯正」などがあります。 また、歯周病が進んでいる方には、まず歯周病の治療でお口の健康を整えてからインプラントを進めます。 このように、口の中の状態に合わせて準備や工夫をすることで治療が可能になる場合が多いです。大切なのは、無理に入れるのではなく、条件を整えて安全に、そして長く使えるインプラントにすることです。

インプラントは顎の骨に穴を開ける手術だと聞きます。痛みはあるのでしょうか?また、術後の痛みはどうですか?

麻酔を使いますので手術中の痛みはありませんし、手術後も処方した痛み止めを使わなかったという方もいらっしゃいます。痛みを感じるのは麻酔を打つときだけ、という方が多いですね(笑)。 さらに、サージカルガイドを使うことで、狙った場所・角度に正確にインプラントを入れることができ、早ければ10分ほどで終了します。ですので、手術に関しては「想像よりずっと楽だった」と感じていただけることが多いと思います。

インプラント治療とは? 知っておきたい治療とポイント

インプラント治療に年齢制限はありますか?

インプラントに明確な年齢制限はありません。ただ、骨がまだ成長途中のお子さんの場合は、緊急のケースを除きおすすめできません。目安として20歳以上であれば、ほとんどの方が問題なく治療を受けられます。 上限も基本的にはありませんが、全身の健康状態や骨の状態によっては注意が必要です。当院では40代から60代の方が特に多く来院されています。

長く使えるインプラントとは? 耐久性と多様な治療法

長く使えるインプラントとは? 耐久性と多様な治療法

貴院でのインプラント治療の流れを教えてください

まずは手術日を決めます。その後、サージカルガイドをつくるために口腔内スキャンや術前検査を行います。 次にオリエンテーションを行い、手術当日の流れや術前・術後の過ごし方、体調管理について指導します。ここでバイタルチェックも行いますが、これは手術当日の体調が普段の状態と大きく変わっていないかを確認するためです。 一次手術(インプラント埋入)を行った後は、骨とインプラントが安定するまで2~3カ月ほど待ちます。その後、二次手術としてアバットメントを装着して歯ぐきの形を整えます。歯ぐきが落ち着いたら型取りを行い、最終的に人工の歯をセットします。 個人差はありますが、早い方で4カ月ほど、骨造成などが必要な場合は1年以上かかることもあります。治療終了後は定期的なメインテナンスで、長く使える状態を保っていきます。

貴院でのインプラント治療に関する設備にはどのようなものがありますか?

当院には、AI搭載のCT、生体モニター、口腔内スキャナー、ピエゾサージェリーなどの設備があります。 CTは骨の状態や神経の位置を詳細に確認するため、生体モニターは手術中の体調をチェックして安全に配慮するため、口腔内スキャナーは噛み合わせの記録、手術準備、審美治療に活用し、ピエゾサージェリー は粘膜や神経を傷つけずに骨だけを削る機器です。ほかにも、過去にインプラント治療を受けた方のメインテナンスや修正などのお悩みに対応していくうちに、さまざまなメーカーの材料やドライバーも揃い、道具や設備が充実してきました(笑)。

インプラント治療の「駆け込み寺」ですね。たとえば多くの歯を失っている場合、やはり失った歯の数だけインプラントが必要になるのでしょうか?

「全部入れなければ」と考えると、手術の範囲も広くなりますし、大掛かりになって費用もかかります。患者さんにとって優しくない治療ですよね。 たとえば、3本の歯がない場合は2本のインプラントを支えにしてブリッジにしたり、10本の歯がない場合はインプラント入れ歯をつける形で工夫したりすることもできます。それぞれケアは必要になりますが、すべてをインプラントにするよりも費用を抑えられます。

治療後のメインテナンスと日常での心がけについて教えてください

当院では、3カ月に一度、1時間ほどかけてメインテナンスを行っています。内容は、インプラントの部分をはじめ、他の歯や歯ぐきも含めた検査、インプラント や歯周ポケットの洗浄、プラークコントロールのチェックやセルフケア指導です。場合によっては、インプラントの被せ物を外して丁寧に洗浄することもあります。 日常では、歯科医師や歯科衛生士からの口腔ケア指導をしっかり実践してください。また、少しでも違和感を覚えたら、放置せずにすぐにご連絡ください。わからないことや不安なことは、遠慮なく相談してもらえればと思います。

メインテナンスを怠るとどうなりますか?

放っておくと、歯周病に似たインプラント周囲炎という細菌感染を起こすことがあります。進行に気づきにくく、気づいたときにはかなり進んでしまい、そのまま放置するとインプラントが脱落することもあります。ですから、治療後は必ずメインテナンスに通ってほしいですね。 私たちも、治療をするからにはインプラントをずっと長持ちさせたいと思っています。せっかく時間もお金もかけた治療ですから、損な気持ちにならないためにも、定期的なチェックは欠かせません。

長く使えるインプラントとは? 耐久性と多様な治療法

まずは相談してほしい。インプラント治療の第一歩

まずは相談してほしい。インプラント治療の第一歩

インプラント治療を受けたい人にとって医院選びは悩みどころだと思います。先生はどんなポイントを見て探せばよいとお考えですか?

私が大切だと思うのは、「患者さんが安心して自分の気持ちを話せるかどうか」です。インプラントは外科的な処置を伴いますから、設備や技術、信頼できるメーカーを使っていることは大前提です。 なぜインプラントを考えているのか。どんな悩みがあって、どんな希望を持っているのか。そうした気持ちを話せなければ、患者さんにとって本当に納得できる治療計画は立てられないと思っています。 相談しにくい医院で、納得いく治療ができるとは思えません。「ここなら話しやすい」「自分の気持ちをちゃんと受け止めてもらえそうだ」と感じられるかどうかを大切にしていただきたいなと思います。

まずは相談してほしい。インプラント治療の第一歩

貴院でインプラント治療を受ける場合の料金体系を教えてください

当院の基本的な料金体系は以下のとおりです(すべて税込価格です)。 ◎検査・診断料:55,000円 ◎インプラント埋入(一次手術):165,000円 ◎アバットメント(二次手術):55,000円 ◎上部構造(ジルコニア):110,000円 ◎サージカルガイド:55,000円 これらを組み合わせて、インプラント1本あたりの治療費用を算出します。もちろん、症例や追加治療の必要性によって変わることもありますので、まずは相談の上で見積もりをお出しします。 インプラントの「治療期間/回数」:3〜6ヶ月程度/5回程度

最後に、Medical DOCのサイトを訪れる読者の方にメッセージをお願いします

インプラントに対して「痛そう」「怖そう」「高そう」と思われる方もいるかもしれません。しかし、食べやすさや違和感のなさでいえば、インプラントは大変優れています。他の歯を触らないという大きなメリットも持っています。日常生活や健康にも大きく関わりますし、生活の質を変えることにもつながります。 私が大切にしているのは、患者さんに後悔させない、損をさせない治療です。歯科治療は「見た目がよければいい」「噛めたらいい」だけではありません。その方のお口全体や将来の健康を考え、適切な方法を一緒に考えていくことが重要です。 最初からあきらめたり、否定したりせず、悩んだときは相談だけでも大丈夫。お話するだけでも、新しい発見や選択肢が見えてくることがあります。気軽に「どんなものなのかな?」という気持ちで一歩踏み出してみてください。

編集部まとめ

インプラントは一生ものの治療。だからこそ、治療の選択肢や方法を正しく理解することが大切です。今回は山田先生に、治療の流れや設備、メインテナンスの重要性など、医院での取り組みをお話しいただきました。気になることがあれば、まずは相談だけでもしてみる……。そうした小さな行動が、安心して治療を受けるきっかけになるのではないでしょうか。

医療法人社団山田歯科医院

医院名

医療法人社団山田歯科医院

診療内容

インプラント 歯科口腔外科 審美治療 など

所在地

富山県高岡市本丸町13-39

アクセス

万葉線「広小路」駅より徒歩2分

この記事の監修歯科医師