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お口の健康は患者さんとともに。安心して長く付き合える歯科医院を目指して【京都市 堤洋之歯科医院】

 更新日:2023/07/07

お口の健康は患者さんとともに。安心して長く付き合える歯科医院を目指して
お口の健康は患者さんとともに。安心して長く付き合える歯科医院を目指して

キーンという不快音や独特の痛み。むし歯や歯周病の治療にトラウマを抱えている人も多いことだろう。そんな人に知ってもらいたいのが、レーザーによる歯科治療だ。今回は、京都市の堤洋之歯科医院の堤院長にレーザーによる歯科治療をはじめ、噛み合わせ治療や審美治療など、医院での取り組みについてのお話を伺った。

Doctor’s Profile
歯学博士 堤 洋之
堤洋之歯科医院 院長

城西歯科大学(現・明海大学歯学部)卒業後、病院、歯科医院勤務を経て、平成元年6月、京都市右京区に「堤洋之歯科医院」を開院。所属学会は日本口腔診断学会。他に京都府歯科医師連盟理事長、京都府保険事業協同組合専務理事をはじめ、京都市立高雄小学校校医、嵯峨幼稚園園医、御室幼稚園園医なども務めている。

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医療用レーザーで患者さんにやさしい治療を

貴院ではレーザーを使った治療を行っていると伺いました。どのような局面でレーザーを用いているのですか?

むし歯や歯周病はもちろん、歯石除去などあらゆる場面でレーザーを使っています。
むし歯治療の場合は、むし歯菌に感染した悪い部分だけを局所的に取り除き、健全な部分をしっかり残すことができます。歯石除去では、歯と歯ぐきの間に溜まっている歯石をレーザーで崩壊させます。同時に細菌を駆除し、歯周病の治療と予防を行います。このとき痛みや出血はほとんどありません。
ほかには、歯肉の切開や切除、口内炎や口角炎の傷口の殺菌と治療、あとは歯ぐきメラニン色素による黒ずみを消して、きれいなピンク色の歯ぐきによみがえらせることもできます。
レーザー治療の用途はかなり幅広いといえますね。

医療用レーザーで患者さんにやさしい治療を

一般的な治療と比べて、レーザー治療のアドバンテージはどのような点にあるのでしょうか?

まずは、歯医者のよくないイメージともいえる「キーン」という独特の音や、「ガリガリ」削るような振動がまったくないこと。しかも、痛みも少ないので麻酔を使うことはほとんどありません。痛みに恐怖心がある方など、過敏な方にはとくに試してもらいたいと思います。
また、殺菌効果があるので、治療後の経過が良好になります。知覚過敏の治療にも効果があるんですよ。

痛みが少ないというのはうれしいですね

感染したところだけを取り除くなど、患部のみを狙うことができるので、削る部分も必要最低限で済みます。また、上唇小帯(上唇と歯ぐきをつなぐ「ひだ」)の切除や歯肉の切開などにレーザーを使う場合、メスとはちがって縫合の必要がありません。総合的に患者さんの負担が軽く済むと思います。

医療用レーザーで患者さんにやさしい治療を

レーザー治療の機器は1種類だけですか。いろいろな種類があるとすれば、それぞれどのような使われ方をするのでしょうか?

歯科治療に使うレーザーは数種類あるのですが、当院ではエルビウムヤグレーザーと、CO2レーザーを導入しています。なかでもエルビウムヤグレーザーは患部の表層のみに反応し、熱の発生が微小です。音や振動も少なく、きわめて痛みの少ない治療が可能です。
CO2レーザーは、CO2という名称のとおり炭酸ガスを利用した機体レーザーです。非接触型といって患部に直接当てずに治療できるので、主に口内炎などの治療に使っています。これらは症例ごとに判断してより適切なものを使い分けています。
もちろん、レーザーがすべての症例に適応できるわけではないので、ほかの方法と組み合わせて患者さんにとってよりよい治療を行なっています。

100点満点の噛み合わせはない。症例を診ながらの調整が大事

100点満点の噛み合わせはない。症例を診ながらの調整が大事

噛み合わせ治療も行なっているとのことですが、どのようなときにそれが必要なのでしょうか?

基本的に100点満点の噛み合わせを持つ人はほとんどいません。生まれつきの場合もあるし、生活習慣が原因になっている場合もありますが、ほとんどの人が何らかの噛み合わせのクセを持っています。
それなりに上手く噛めているなら問題ないのですが、同じ歯ばかりが繰り返しむし歯になる、同じ部分の歯ぐきが痛むなどの場合、噛み合わせの調整が必要になります。

噛み合わせのよし悪しはどのように判断されるのでしょうか?

まず、1本でも抜けたままの歯があって放置している人、治療していないむし歯がある人、八重歯や乱杭歯で歯並びがよくない人、出っ歯や受け口などの人は噛み合わせの問題を疑います。また、義歯や充填物を入れている人も可能性はありますね。

噛み合わせが悪いとどのような影響がありますか?

近年の研究で、噛み合わせといろいろな体の不調、あるいは病気などとの関係が明らかになっています。たとえば、肩こりや腰痛、背中の痛み、偏頭痛、手足のしびれ、難聴や耳鳴りなど、これまで原因不明とされていた症状が、実は噛み合わせの悪さに起因していたというケースは多くあります。
また、不整脈や原因不明の微熱、ぜんそく、冷え性なども噛み合わせが原因である場合があります。もちろん、すべてにおいて噛み合わせが原因というわけでもありませんので、これらの症状にお悩みの方は、歯科ばかりでなく他科の医院にも相談することをおすすめします。

噛み合わせを調整すれば、このような体不調や歯のトラブルは解決する可能性があるということでしょうか?

そうですね。先ほど申し上げたような体の不調が解決する可能性はけっこうあると思います。治療にトライする価値は十分あるのではないでしょうか。
歯についていえば、とくに負担がかかっている部分を調整することで、強い痛みなどに対処することはできると思います。ただ、長年同じ噛み合わせで生活して来られたケースがやはり非常に多い。ですから、ほんのちょっとしたズレで違和感を覚えたり、かえって顎関節を痛めてしまったりすることもあります。教科書どおりの治療ではうまくいきません。ある程度経験を積まないと難しいところだと思います。
また、痛いところだけを治療しても違うところに痛みが出てくることもあるので、総合的に診て治療にあたることが大切です。

100点満点の噛み合わせはない。症例を診ながらの調整が大事

審美も治療のひとつ。患者さんに合った方法を総合的に考える

審美も治療のひとつ。患者さんに合った方法を総合的に考える

むし歯などで治療した歯の修復について教えてください

小さな範囲では樹脂を使って詰め物をするCR充填で修復を行います。保険の範囲内でできる治療です。
大きめのむし歯の場合は、主にインレーという詰め物をします。一定の強度が必要なので、樹脂であるCR充填で埋めることは難しく、保険診療ではいわゆる銀歯になることがほとんどです。銀歯の場合、できるだけ修復した跡がわからないように工夫はしますが、丈夫かつ白い歯を希望される場合は、セラミックなどの自費診療をおすすめすることもあります。

自費の場合、どうしても予算がかかってしまうと思うのですが?

審美を最優先にするならほとんどの場合が自費診療になってしまいます。ただし、自費診療では使える材料の幅が大きく広がります。金額もばらばらなので、当院では患者さんと話し合いをしながら予算に応じて治療を進めるようにしてます。

審美治療をおすすめする場合、具体的にどのようなことをされていますか?

画像や動画を見てもらいながら説明を行い、患者さんに合った治療方法や材料の資料をお渡ししています。これは審美に限ったことではないのですが、説明を受けている間は「なるほど」と思ったことでも、家に帰ると「あれ?どういうことだったかな」とわからなくなってしまうことは誰にでもあると思います。しかし、資料にすることでご家族と相談することもできると思うので、ぜひ活用していただければと思います。

貴院で審美治療にかかる費用について教えてください

いろいろなケースがあるので一例を紹介します。
クラウン(被せ物)の素材がすべてセラミックでできているオールセラミッククラウンが8万8,000円(税込み・以下同じ)。同じく、審美的にご自身の歯に非常に近いジルコニアセラミッククラウンが10万1,000円。セラミックの透明感とプラスチックの粘り強さを適度らに備えたハイブリッドセラミッククラウンが5万5,000円。ほかにもありますが、費用はだいたいこの辺を参考にしてください。

審美も治療のひとつ。患者さんに合った方法を総合的に考える

先生が治療において大切にされていることは何でしょうか?

それぞれの患者さんにとって一番よい治療を、一緒に選びながら進めていくことが大切だと考えています。そのためにも3カ月、長くても6カ月ごとに定期検診に通ってもらいたいと思います。
また、私たちは当然精一杯の努力をしますが、毎日の歯磨きなど患者さん自身の努力も必要です。プロケアとセルフケア、双方の協力でお口の健康を保つことができます。結局は人間同士の協力関係が大切なのだと思います。
当院では訪問歯科診療も行っていますが、高齢の患者さんへの往診もその一環です。安心して長く付き合える関係をしっかり築いていきたいですね。最後までしっかりとお付き合いしたいと考えています。

最後に読者へのメッセージがあればお願いします

私は「自分がしてもらいたい歯科診療、家族や身内にしてあげたい歯科診療」を提供することを信条に、治療に取り組んでいます。自分や家族が患者さんだったらどうしてほしいかを考えながら、患者さん一人ひとりに合った方法で総合的な治療を提供するよう努めています。医師としてはもちろん、一人の人間として長く付き合いできる信頼関係を築いていければうれしい限りです。

編集部まとめ

「安心してとことん付き合える関係を築きたい」と話す堤院長。痛みが少なく、負担の軽いレーザーを使った治療をはじめ、丁寧なカウンセリングや資料による説明など、患者さんへの細やかな心配りが印象的でした。安心してもらう治療のために、経験則だけではなく、日々新しいことも学ばなくてはとお話しされていたことにも感銘を受けました。

堤洋之歯科医院

医院名

堤洋之歯科医院

診療内容

レーザー治療 歯科一般 予防治療 小児歯科 など

所在地

京都府京都市右京区鳴滝本町110-3

アクセス

京福電鉄北野線「鳴滝」駅より徒歩5分

この記事の監修歯科医師