「いつか赤ちゃんがほしい」なら妊活にもホームドクターを。結婚決めたらふたり一緒に「妊娠ドック」へ【神奈川県横浜市 田園都市レディースクリニック】
晴れて夫婦となったふたりには、さまざまな人生設計があることだろう。ただし、人間も生き物である以上、子づくりには誰もが避けられないタイムリミットも。あるいは、もしも妊娠しづらい体質だったとしたら…。不安をあおるわけではないけれど、いつかその手にかわいい赤ちゃんを抱きたいと思っているのなら、先に知識や情報を得ておいて損はないはず。そこで結婚を決めたカップルにぜひおすすめしたいのが、田園都市レディースクリニックの「妊娠ドック」。いったいどんな内容なのか、20年以上前から不妊治療に取り組み、多くのカップルに頼りにされている田園都市レディースクリニックの河村寿宏院長に詳しく伺ってみた。
河村 寿宏
田園都市レディースクリニック 院長
1986年、東京医科歯科大学医学部卒業。東京医科歯科大学附属病院等での臨床研修、都立大塚病院産婦人科等での勤務を経て、Glostrup Hospital,University of Copenhagen、Center for Clinical & Basic Researchに留学。東京医科歯科大学医学部附属病院産婦人科病棟医長、賛育会病院、日産厚生会玉川病院産婦人科医長(不妊専門外来担当)を歴任し、2000年に田園都市レディースクリニックを開院。体外受精に代表される高度生殖医療において高い妊娠率で知られる。日本生殖医学会生殖医療専門医、日本産科婦人科学会専門医、日本産科婦人科学会指導医、日本東洋医学会専門医。不妊に関する多数の学会に所属。田園都市レディースクリニックは現在、二子玉川・青葉台に分院を持ち、あざみ野にある本院は2019年12月27日に日本産科婦人科学会より着床前診断(着床前胚染色体異数性検査=PGT-A)研究分担施設に認定されている。
30代後半から急激に妊娠率は低下する、男性不妊の比率は53%
田園都市レディースクリニックで行っている「妊娠ドック」はいつ頃、どのような趣旨で始められたのでしょうか?
やはり若いうちのほうが妊娠しやすいのでしょうか?
一番妊娠しやすいのはやはり20代です。実は20代を過ぎるとだんだん妊娠しづらくなり、30代半ばを過ぎると急激に妊娠率が下がってきます。
さらに40代になると、1歳刻みで妊娠する力が落ちていきます。たとえば、当院の統計で幾度か体外受精をして妊娠し出産する確率は、最終的には、40歳スタートなら7~8割、41歳なら6~7割ですが、43歳になると3割を切ります。
芸能人や知人が40歳過ぎても妊娠していたから自分も大丈夫と思ってしまう方もいるようですが、公表するのはうまくいった方たちであって、授からなかった方はあまり表に出されませんから。人の体は一人ひとり違いますので、やはり早めにご自分の体の状態を知っていただきたいですね。
具体的に妊娠の妨げとなるのはどんな症状なのでしょうか?
女性の場合は、30歳代後半以降は加齢が妊娠の最も大きな妨げになりますが、年齢以外の病気で多いのは、まずは卵管の詰まりや癒着です。卵管が生まれつき詰まっている人はおらず、子宮内膜症や、感染症ではクラミジアなどが原因で起こることがわかっています。ひどくなると閉塞してしまうので、早めの発見が重要です。
次に、ホルモン分泌の異常による排卵障害、そのほか子宮筋腫、子宮内膜のポリープ、まれに先天的に子宮に奇形がある方もいらっしゃいます。どのケースもやはり早め早めに対処することで、妊娠・出産の可能性が高まります。
男性不妊についてはいかがでしょうか?
実は、不妊の原因の50%は男性不妊なんです。当院のデータでは53%と、半分を超えています。
原因として圧倒的に多いのは、精液中の精子が少ない、元気がないケースです。精索静脈瘤という精巣の周囲に静脈のこぶができて、良好な精子が造られるのに支障をきたす病気による方もいますが、多くの場合は原因不明です。
ですから当院では、妊娠ドックにお一人で見えた女性には、ぜひご主人にも精液検査を受けていただくよう強くおすすめしています。ご夫婦で一緒に見える方もとても多くなってきています。また男性不妊の原因で射精がうまくできないEDの方も増えています。当院では4階が男性専用フロアになっており、男性不妊専門の泌尿器科医が治療をしています。皆さんお一人でも安心して来ていただいていますよ。
夫婦ふたりの妊娠力をチェックし、余裕を持った妊活を
それでは貴院の「妊娠ドック」の流れを教えてください。
まずは電話でご予約いただき、当日は問診で過去の病歴や現在の体の状態をお聞きして、内診・超音波検査・血液検査を行います。内診と超音波で子宮・卵巣に異常がないかはすぐわかります。不妊症の原因の大きな一つである子宮内膜症によって卵巣が腫れるチョコレート嚢腫が見つかることも時々あります。甲状腺・クラミジア検査については皆さんにおすすめしていますが、そのほかのものについてはご説明した上で、ご希望におまかせしています。
ただ、採血によるAMH検査はできれば受けていただくようお勧めします。また、子宮卵管造影検査もお受けいただくと安心だと思います。子宮卵管造影検査は月経が終わってから早い日に実施する必要があり、時期が決まっていますし、クラミジア検査や甲状腺ホルモン検査の結果で異常が無いことを確認してから実施しますので、別の日に再度予約していただいて行います。
卵管が詰まったり癒着をしていたりする場合は痛みがありますが、そうでなければほとんど痛みはありません。
AMHとは何ですか?
AMHは抗ミュラー管ホルモンといって、卵巣内の発育過程にある非常に小さな卵胞から分泌されるホルモンです。このホルモンの量は加齢とともに自然に減少していくのですが、卵巣内に残っている卵子の数とだいたい比例するので、ある意味「卵子の在庫がわかる」んです。
若い方でもこの値が非常に低い方がいらっしゃって、そういう方は卵子の数が残っているうちに早めに妊活したほうがいいということになります。しかも、これは卵子の質を問うものではなく数を見るものなので、若いうちでしたら、卵子の数が少なくてもすぐに妊娠できるんです。
逆に年齢を重ねると、数がたくさんあっても妊娠は難しくなりますから、「検査を受けて早めに妊活してよかった」とおっしゃる方はたくさんいらっしゃるんですよ。特に卵巣の病気をされた方は受けたほうがいいですね。
具体的な不妊治療についても教えてください。
卵管が閉塞しているなど、すぐに外科的治療や体外受精を行わなければならないケース以外では、年齢が若く時間的余裕がある方は、通常はステップアップ法といって、一人ひとりに合わせて漢方・排卵誘発剤・注射などを併用したタイミング法、それから人工授精、体外受精と進んでいきます。
タイミング法は超音波や尿中のLHホルモン(脳下垂体から排卵促す指令を出す際に分泌されるホルモン)を調べることで排卵のタイミングを探り、性交渉を行うものです。
必ずしも排卵日でなくともいいんです。実は排卵日の前日、前々日のほうが妊娠しやすいというデータがあるので、男性側にはプレッシャーをかけないよう、「このあたりで」というふうに、お伝えしています。また男性不妊外来では、男性不妊専門の泌尿器科の医師からカウンセリング的な意味も含めて診療しています。
人工授精には痛みや時間の負担などはあるのでしょうか?
人工授精はピンポイントで排卵日に精液を持ってきていただき、精液を処理し、質のいい精子を選別して、柔らかいカテーテルで子宮に注入するものです。トータル1時間半ほどで済みますし、精子の子宮への注入は1分もかかりません。痛みがあったというケースは当院ではほとんどないですね。
妊娠ドックで卵管の閉塞などが見つかるとショックを受けそうですが、その場合は若くても体外受精になるのでしょうか?
結果を出し続ける妊活専門クリニック
不妊症治療、妊活に対する先生のお考えをお聞かせください。
一般的に皆さん、結婚して子どもをつくろうと思ったら自然にできるものだと考えがちです。まさか自分が不妊症だなんて思わないものです。それに自覚症状がありませんので、皆さん危機感を持つこともありません。
しかし、国立社会保障・人口問題研究所の調査では、不妊を心配したことがある夫婦は3組に1組を超え、約5.5組に1組のカップルが実際に不妊症の検査、治療を受けたことがあることがわかっています。これはものすごく高い数値なんです。
>>妊娠・出産をめぐる状況
もちろん、お子さんをつくることが夫婦生活のすべてだとは思いません。でも、家庭の中でお子さんがいるかどうかで人生設計はずいぶん変わってきますし、まして子どもが欲しい方にとって子どものいない人生を最終的に選択するのは大変つらいことだと思います。ですから、将来的にお子さんを望まれるのであれば、やはりぜひ早めに妊娠ドックを受けていただきたいですね。
それでは最後に読者にメッセージをお願いいたします。
当院は本院のほか、二子玉川・青葉台に分院を持ち、医師・看護師・胚培養士・検査技師・事務スタッフの総勢130人全員で、皆さんが赤ちゃんを抱いて笑顔になられるときのために日々努力させていただいています。男性不妊専門の医師も勤務しておりますし、4階に男性専用フロアもあるので、ご夫婦で一緒に通院されることも可能です。また、不妊症治療に必要な高機能な医療機器を揃えており、、全ての受精卵をタイムラプスインキュベーターで培養できる体制をとっています。胚培養士の技術力も高く、顕微授精の正常受精率も80%を超えています。2019年末には、わが国でようやく始まった着床前診断(着床前胚染色体異数性検査=PGT-A)の日本産科婦人科学会の研究分担施設として承認されました。これは体外受精により出来上がった胚のうち染色体異常を起こしていない胚を識別して胚移植を行うもので、妊娠率が上がり、流産率が下がるものとして期待されています。このようにあらゆる面で皆さんを笑顔にするために力を尽くしておりますので、ぜひ婚約、ご結婚の際には妊娠ドックにいらしてください。
編集部まとめ
非常に優しく丁寧にご説明してくださる河村先生に、妊娠ドックの必要性、重要性についてわかりやすくお話しいただきました。「いつか赤ちゃんがほしい」という気持ちがあるなら、年齢を重ねてから後悔する前に、ぜひ妊娠ドックに訪れ、夫婦ふたりをサポートしてくれる、妊活のホームドクターに出会ってみてはいかがでしょうか。
医院名
田園都市レディースクリニック
診療内容
所在地
神奈川県横浜市青葉区あざみ野1丁目5-1
アクセス
東急田園都市線・横浜市営地下鉄ブルーライン「あざみ野駅」東口より徒歩3分