「新型コロナウイルス感染症」による「喉の痛み」の特徴はご存知ですか?【医師解説】

新型コロナウイルス感染症による喉の痛みの特徴とは?Medical DOC監修医が喉の痛みはいつまで続くか・何日で症状が軽くなるかなどを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。
※この記事はMedical DOCにて『「新型コロナウイルス感染症」による「喉の痛み」の特徴はご存知ですか?【医師解説】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修理学療法士:
小島 雄也(理学療法士)
目次 -INDEX-
「新型コロナウイルス感染症」による「喉の痛み」の特徴
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、SARS-CoV-2というウイルスによる急性呼吸器感染症です。流行するウイルスの株はしばしば変異します。2021年末にオミクロン株という感染力が強いタイプに置き換わってから、重症化する患者の割合が低下しました。そして、感染すると喉の痛みや鼻水、鼻詰まりなどの症状が強く出現することが多いです。ここでは、新型コロナウイルス感染症による喉の痛みの特徴について解説します。喉の痛みがしばしば初発症状となる
新型コロナウイルス感染症では、喉の痛みがしばしば初発症状、つまり最初の症状となることが知られています。 喉の痛みとしては、喉のいがらっぽさや、ヒリヒリ感などと表現されることもあります。喉の痛みと鼻水、鼻詰まりが一緒に起こることが多い
新型コロナウイルス感染症の原因となるSARS-CoV-2は、まず鼻咽頭などの上気道に感染し、風邪のような症状を引き起こします。例えば、喉の痛みに、鼻水や鼻詰まりなどの症状が伴う場合が多いです。特に、発症初期に喉の痛みが現れ、その後、症状が咳や鼻水に変わることもあります。これは、ウイルスが上気道を通じて広がるためです。発熱や倦怠感、頭痛が出現することも多い
喉の痛みに引き続き、熱が出たりだるさや頭痛が出現したりすることも多いです。また、筋肉痛といった全身症状も見られる場合があります。症状からは、インフルエンザによく似ていることもあり、どちらなのかを区別することは難しいケースもあります。重症化して喉頭炎や喉頭蓋炎になることもある
新型コロナウイルス感染症では、喉頭炎という喉の炎症から、喉頭蓋炎(こうとうがいえん)という病気にまで発展することもみられます。喉頭蓋はその名の通り喉頭の蓋のような役割を持っていて、食物が喉頭や気管に入らないように防ぐ役割を持っています。この喉頭蓋が強い炎症によって腫れてしまうと、息がしづらくなり、場合によっては命に関わることもあります。 喉頭炎や喉頭蓋炎では、急に発症する激しい喉の痛みが特徴的です。発熱を伴うこともあります。飲み込みづらさや嗄声(させい)という声のかすれがみられることもあります。 新型コロナウイルス感染症の流行期に、これらの症状が見られた場合には、早めに耳鼻咽喉科や内科を受診するようにしましょう。嗅覚・味覚障害は伴わないことも多い
新型コロナウイルス感染症流行初期には、嗅覚・味覚障害が特徴的ともいわれていました。しかし、オミクロン株に置き換わってから、咽頭痛などの症状は見られるものの、こうした嗅覚・味覚障害の頻度は減少したとされています。インフルエンザや風邪とどのように違うか
喉の痛みや鼻水、鼻詰まり、筋肉痛、発熱などの症状から、インフルエンザ・風邪と新型コロナウイルス感染症を区別することは難しいです。 インフルエンザは突然の発熱、乾いた咳、頭痛、筋肉痛、倦怠感、咽頭痛や鼻汁などの症状が特徴的です。一方で、新型コロナウイルス感染症では、咽頭痛や鼻水などの風邪っぽい症状が最初に現れることが多いとされています。 これらを調べるための方法としては、抗原検査やPCR検査などがあります。 症状以外ではどうでしょうか。 新型コロナウイルス感染症では、喉の所見がインフルエンザとは違うのではないかといわれています。 例えば、インフルエンザでは咽頭の後壁という場所に、多数の丸い半球状のリンパ濾胞というものができることが特徴的とされています。 一方で、SARS-CoV-2オミクロン変異体による感染の急性期には、特徴的とされる喉の所見・症状があります。密集した多数のキビ大の白斑と、周囲の発赤を伴う咽頭後壁の痛みといった症状です。こうした喉の所見の違いが、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザを鑑別するために役立つかもしれません。「新型コロナウイルス感染症」による「喉の痛み」はいつまで続く?
新型コロナウイルス感染症による喉の痛みがいつまで続くのかは、個人の元々の体力や持病などによっても異なります。 新型コロナウイルス感染症で軽症の場合には、発症後1週間以内に症状は改善することが多いです。そのため、1週間程度で喉の痛みも治まる場合が多いと考えられます。 発症から3ヶ月以上経っていても何らかの症状が2ヶ月以上続き、かつ他の病気の症状ではないと考えられる場合もあります。その際には、罹患後症状の可能性があります。1週間以上続く場合は罹患後症状の可能性もあるため、医療機関に相談しましょう。新型コロナウイルス感染症は何日で症状が軽くなる?
先述のように、新型コロナウイルス感染症の症状は1週間程度で症状が軽くなる場合が多いとされています。しかし、症状が何日くらいで治るかは、患者の年齢や持病などにもよります。特に、高齢であることは最も重要な重症化リスク因子として知られています。その他には、慢性的な心臓や肝臓、腎臓、または呼吸器の病気がある方も、重症化のハイリスク要因として挙げられます。免疫力が低下する病気にかかっていることや、免疫力を低下させる治療をしていることもあります。こうした要因によって、新型コロナウイルス感染症がいつ治るかは変わってきます。「新型コロナウイルス感染症による喉の痛み」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「新型コロナウイルス感染症による喉の痛み」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
新型コロナウイルス感染症の初期症状について教えてください。
小島 敬史(医師)
新型コロナウイルス感染症の初期症状は、喉の痛みや鼻水・鼻詰まりといった風邪のようなものがよく見られます。それに加えて、だるさや発熱、筋肉痛といった全身症状が生じることも多く、インフルエンザによく似ています。
熱はないけど喉が痛いのはどんな病気が考えられますか?
小島 敬史(医師)
熱なしでも喉が痛いといった場合は、いろいろな原因が考えられます。今回ご紹介した新型コロナウイルス感染症や、一般的に風邪と言われる上気道炎、インフルエンザ、扁桃炎などが挙げられます。その他にも、胃食道逆流症などの消化器系の病気の場合もあります。症状が長引く場合には、早めに医療機関を受診しましょう。
喉が痛い時にカロナールを飲んでもいいのでしょうか?
小島 敬史(医師)
カロナールはアセトアミノフェンを配合した解熱鎮痛薬です。喉が痛い時にカロナールを飲んでも問題がない場合が多いです。ただし、他の解熱鎮痛薬との併用は避けることなどの用法容量を守るようにしましょう。購入する際に薬剤師の方に相談するのが良いでしょう。喉が痛い時にカロナールなどの痛み止めを内服しても症状が改善しない場合、医療機関を受診することをお勧めします。




