「胃の左側が痛い」時に考えられる”5つの病気”はご存じですか?対処法も医師が解説!

胃の左側が痛む場合に疑われる疾患とは?メディカルドック監修医が、膵炎や膵臓がん、大腸疾患等の特徴と、痛みが起きた時の正しい対処法を詳しく解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「胃の左側が痛い」原因はご存知ですか?考えられる病気を徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
伊藤 陽子(医師)
目次 -INDEX-
「胃の左側が痛い」症状の特徴的な病気・疾患
ここではメディカルドック監修医が、「胃の左側が痛い」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
膵炎
膵臓は胃の背中側に横たわっている臓器です。膵炎とは、膵臓が病的に活性化された膵酵素によって炎症を起こしている病気です。膵炎には急激な炎症が起こり、みぞおちや背中などに強い痛みが起こる急性膵炎と持続的に膵臓の炎症が起こり膵臓の細胞が徐々に破壊されて、繊維化して固くなっていく慢性膵炎があります。
膵炎の症状は、食後や飲酒後のみぞおちや背中の痛みです。強い痛みを起こすことも多いです。また、重症膵炎では血圧が低下し、ショック状態となり命にかかわることもあります。早めに受診することが大切です。膵炎を疑った場合、早急に消化器内科を受診しましょう。
膵臓がん
膵臓がんは膵臓にできたがんであり、多くは膵管の細胞から発生します。膵臓がんは初期では症状はほとんど出ません。進行して初めて腹痛や背部痛、黄疸などの症状が出ます。また、膵がんとなると急に糖尿病を発症したり、血糖値のコントロールが悪化したりすることもあります。膵臓がんは初期では症状が出にくく、発見がしづらいがんです。しかし、進行した膵臓がんはいまだに生存率が悪いです。早期に発見することが非常に大切です。
憩室炎(下行結腸)病気・疾患
大腸憩室の保有者は欧米で多く、日本では少ないです。しかし、近年大腸憩室保有者は増加傾向にあります。また、50歳未満での大腸憩室保有者では7割以上が右側結腸にありますが、年齢が上がるとともに左側結腸の割合が増えます。70歳以上では左側結腸の憩室が6割と左側が優位です。日本で大腸憩室の保有者の出血率は10年で1割程度であり、憩室炎はその約3倍程度あると考えられます。大腸憩室炎の危険因子として喫煙や肥満が挙げられます。憩室からの出血を繰り返したり、場合により感染を併発し穿孔を起こしたりすることもあり、注意が必要です。便潜血で陽性を認めたり、腹痛が起こったりする場合には消化器内科で相談をしましょう。
下行結腸がん
大腸がんが下行結腸に生じると、左側の腹痛が起こることがあります。また、下行結腸のがんが大きくなると便が通過しにくくなり、便秘・下痢などの通過異常がみられやすいです。便通異常は上行結腸や横行結腸よりも下行結腸やS状結腸での大腸がんの方が起こりやすいと言われています。また、さらにがんが大きになると便が通過できなくなり腹痛や腸閉塞を起こすこともあるため注意が必要です。左側の腹痛やガスが多い、下痢や便秘などの便通異常が伴う場合には大腸がんの可能性もあるため消化器内科で相談してみましょう。
虚血性腸炎
虚血性腸炎は大腸の血流障害によって引き起こされる病気です。50歳以上で好発し、便秘やストレス、生活習慣の乱れなどで起こると言われていますが、原因ははっきりとわかっていません。症状は突然起こった左側の腹痛の後の、下痢と血便が特徴的です。好発部位は大腸の脾湾曲部から下行結腸にかけてと、S状結腸です。このため、左側、特に左下腹部で腹痛が起こることが多いです。炎症が強い場合には、入院して絶食・点滴での治療を行います。腹痛に続き、下痢、血便などがみられた場合には、消化器内科を受診して相談しましょう。
「胃の左側が痛い」時の正しい対処法は?
胃の左側が痛い場合には、さまざまな病気が考えられます。それぞれの病気により対応が異なりますが、痛みがある場合には無理をして食事を摂らず、水分やスポーツ飲料などで様子を見ましょう。みぞおちに近ければ胃や十二指腸の潰瘍の可能性もあり、市販の胃薬をまず飲んでみても良いでしょう。また、下痢など伴う場合には整腸剤を内服してみましょう。いずれにしても症状が持続する場合には、消化器内科を受診して相談することが勧められます。
「胃の左側が痛い」症状についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「胃の左側が痛い」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
胃の左側が痛いのは虫垂炎なのでしょうか?
伊藤 陽子(医師)
虫垂は右下腹部にあるため、この部位が痛むことが多いですが、初期では痛みが上腹部や臍の周囲から始まることも多いです。このため、左側が痛むときにも虫垂炎の初期の症状の可能性も否定できません。症状の経過を見て、痛みが持続し、右下腹部へ異動してくるようであれば虫垂炎の可能性もあるため消化器内科で相談をしましょう。
まとめ 胃の左側の痛みが持続する場合には消化器内科へ
胃の左側の痛みが認められる場合には、さまざまな病気が考えられます。胃・十二指腸潰瘍や膵炎、膵臓がん、憩室炎、虚血性腸炎、感染性腸炎、炎症性腸疾患、大腸がんなど症状のみでは区別がつきにくいです。症状が持続する場合、強い痛みがある場合には消化器内科を受診して相談をしましょう。
「胃の左側が痛い」で考えられる病気
「胃の左側が痛い」から医師が考えられる病気は7個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
「胃の左側が痛い」に似ている症状・関連する症状
「胃の左側が痛い」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。