胃がんの予防に効果的! 敷居の低くなった内視鏡(胃カメラ)について医師が解説
監修医師:
諏訪 敏之(読売ランド前すわクリニック 院長)
編集部
胃内視鏡の目的について教えてください。
諏訪先生
目的は二つあります。一つは、胃の痛みなどの症状がない段階で見る「健診」で、予防目的になります。もう一つは、症状がある方に対する「検査」。原因を調べて、治療へ結び付けることが目的です。いずれにしても、胃がん対策がメインと考えています。
編集部
胃がんの死亡者はどれくらいいるのでしょう?
諏訪先生
国立がん研究センターの調べによると、2017年の段階で、男性は2万9745人(がん死亡原因別1位)、女性は1万5481人(同3位)、合計約4万5000人の方が亡くなっています。ただし、早期発見によって胃がんによる死亡者が減っているのも事実です。ピロリ菌と胃がんの関係や、除菌治療の必要性が周知されてきたのでしょう。
編集部
内視鏡検査の受診率を上げるためには、何が必要だと思いますか?
諏訪先生
ピロリ菌の正しい概念を広めていくことです。一言でまとめるとしたら、「ピロリ菌によって発症した萎縮性胃炎が、胃がんの温床になる」というメカニズムでしょうか。医療従事者や行政は、この事実を、もっとアピールする必要があるでしょう。そのピロリ菌を効率的に発見できるのが、内視鏡検査になります。特定健診のチケットなどを有効に活用してみてください。
※この記事はメディカルドックにて【がんは怖いけど、内視鏡検査(胃カメラ)って苦しそう。実際はどうなの?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。