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胃カメラの「鼻から」と「口から」のメリット・デメリットを医師が詳しく解説

 公開日:2024/08/15
胃カメラの「鼻から」と「口から」のメリット・デメリットを医師が詳しく解説

胃カメラを鼻から入れる場合、咽頭反射(えずき・嘔吐感)を回避できます。口からの場合は、比較的画質が良いため、検査で異常を発見しやすいというメリットがあります。また、それぞれにデメリットもあるわけです。中目黒アトラスクリニックの伴野先生に教えてもらいました。

※この記事はMedical DOCにて【胃カメラは「鼻から? 口から?」 医師が違いを解説 検査中の痛みやえずきは鎮静剤を使えば解決?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

伴野 繁雄

監修医師
伴野 繁雄(中目黒アトラスクリニック)

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東京医科大学卒業。その後、東京女子医科大学消化器病センター、国立病院機構東京医療センター、八王子消化器病院を経て、東京都目黒区に位置する「中目黒アトラスクリニック」の院長に就任。日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本消化管学会専門医、日本カプセル内視鏡学会認定医。

編集部編集部

経鼻内視鏡検査のメリット・デメリットは?

伴野 繁雄先生伴野先生

メリットは、先ほども述べた通り、苦痛が少ないことです。経口から内視鏡を挿入した場合、喉の奥に内視鏡が触れてしまうことで、咽頭反射(えずき・嘔吐感)が引き起こされます。これを回避できるのが経鼻内視鏡検査の大きなメリットです。また、検査中にも医師とのコミュニケーションがとれるのも安心と感じる人もいます。一方で、鼻の粘膜はどうしても傷つきやすくなるため、場合によっては鼻出血なども起こりますが、検査前に鼻の血管に「血管収縮剤」を塗布するので、出血してしまったとしても比較的すぐに止まります。

編集部編集部

では、経口内視鏡検査のメリット・デメリットは?

伴野 繁雄先生伴野先生

こちらも先ほどの繰り返しになりますが、画質が良く、比較的異常を発見しやすいということです。デメリットは嘔吐反射の強い方の場合、苦痛を伴うこと、鎮静剤を用いた場合は検査後のリカバリーの時間が必要で、車での来院を控えていただく場合が多いことなどです。咽頭・喉頭ついては、経鼻のほうが観察しやすいので、「飲み込みにくい」など、のどの異常や違和感などで検査をする方には、こちらから経鼻での検査をお願いすることもあります。

編集部編集部

検査費用はどのくらいですか? 経口と経鼻で費用は変わりますか?

伴野 繁雄先生伴野先生

明らかな症状があって、保険が適用される場合などは3割負担の方で5000円前後、経口内視鏡の際に鎮静剤を使うと、そこに400円程度加算されます。また、人間ドックや健診の場合は保険ではなく自己負担となりますので医療機関によって異なります。大体1〜2万円程度が目安だと思いますが、詳しくは近くの医療機関にお問い合わせしてみてください。

編集部編集部

最後に、Medical DOC読者へのメッセージがあれば。

伴野 繁雄先生伴野先生

病気の早期発見のためには、検査が必要不可欠です。早期に発見することができれば、開腹術、いわゆる「お腹を切る」手術ではなく、内視鏡で処置できる病気がたくさんあります。「検査が大事なのはわかっているけれど、やはり苦しそうで怖い」という意見もよく耳にしますが、痛みやえずきが心配な方は、ぜひ医師に相談してください。苦痛や恐怖感に対しては鎮静剤などさまざまな対処法があるので、「苦痛を我慢するのが当然」と思わないでください。医師としては、無理に我慢して検査し「もう2度と受けない」となってしまうのが一番怖いので、恐怖感や苦手意識をなくし、必要な時、すぐに検査を受けられるようにこちらもできる限りの対応をさせていただきます。

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