「血液検査」で体のどこまでわかるかご存じですか?腫瘍マーカーも医師が解説!

血液検査の項目は体の何を診ている?メディカルドック監修医が血液検査では体のどんな機能や健康状態を診ているのか腫瘍マーカーなどを解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「血液検査の各項目」は何を見ている?基準値と異常値から疑う病気を医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
木村 香菜(医師)
目次 -INDEX-
血液検査とは?
血液検査は、体内の臓器の働きや病気の有無を調べるための基本的な検査です。採取した血液を分析することで、赤血球や白血球、血小板の数値から貧血や感染症の兆候を、また肝臓や腎臓などの機能を評価することができます。健康診断や人間ドックではほとんどの人が受ける検査であり、病気の早期発見に欠かせません。
血液検査の項目は全部でいくつある?
血液検査は、血液学検査(血球系検査)、生化学検査、免疫血清学検査、電解質、感染症、凝固系検査などの分野があります。血液検査の目的には、健康診断の一環、何らかの症状があり原因究明のため、などさまざまなものがあります。
健康診断や人間ドックでの項目としては、以下のようなものがあります。
| 検査分野 | 検査項目 |
|---|---|
| 血液学検査 | 白血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット、赤血球数、赤血球指数、血小板数 |
| 生化学検査 | 総蛋白、アルブミン、クレアチニン、尿酸、HDLコレステロール、non-HDLコレステロール、LDLコレステロール、中性脂肪、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、コリンエステラーゼ、LDH、空腹時血糖、HbA1c |
| 免疫血清学検査 | CRP |
| 電解質 | ナトリウム、カリウム、塩素 |
| 感染症 | HBs抗体、HCV抗体 |
この場合は、30項目ほどが調べられます。また、人間ドックなどでは腫瘍マーカーもオプションでつけられるケースもあります。
入院などの際には、これらに加えて凝固系検査が追加されることもあります。
なお、労働安全衛生法に基づく定期健康診断では、以下が採血項目となっています。
貧血検査(ヘモグロビン、赤血球数)
肝機能検査(AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP)
血液脂質検査(HDL・LDLコレステロール、中性脂肪)
血糖値
そのため、約10項目を基本として、そのほかにはオプションや各企業などで独自に行われる項目が追加されると考えられます。
血液検査で全ての項目を受けた場合の費用
血液検査の費用は、項目数と保険適用かどうかによって異なります。
健康診断や企業検診では、一律の料金に含まれていることが多いです。健診または検診の費用としては、3,000〜6,000円程度が一般的でしょう。医療機関で体調不良を訴えて検査する場合は保険が適用され、3割負担の場合には、自己負担は1,000円前後になります。
しかしながら、アレルギー検査など自費で全項目を受ける場合は1万円前後かかることもあります。
血液検査では体のどんな機能や健康状態を診ている?
さて、ここからは血液検査で調べることができる機能や健康状態について解説します。
貧血
赤血球数(RBC)、ヘモグロビン(Hb)、ヘマトクリット(Ht)の低下で判断します。酸素を運ぶ力が不足するため、立ちくらみや息切れ、動悸、倦怠感などが現れます。慢性的な出血や鉄不足が原因のこともあります。
肝機能
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPなどで評価します。これらが高値の場合、肝細胞の炎症や破壊が起きている可能性があります。脂肪肝や肝炎、アルコールの摂取過多などが原因として考えられます。
腎機能
尿素窒素(BUN)やクレアチニン(Cr)の値で腎臓の働きを調べます。高値は老廃物をうまく排出できていないサインで、腎障害や脱水が疑われます。放置すると慢性腎不全に進行することもあります。
免疫力
白血球(WBC)の数値で体の防御力を推測します。高値なら感染や炎症の兆候、低値なら免疫低下やウイルス感染、骨髄機能の低下が考えられます。免疫が落ちると感染症にかかりやすくなります。
炎症
C反応性タンパク(CRP)や白血球の上昇で炎症の有無を確認します。急性炎症ではCRPが著しく上がり、感染症や膠原病、がんの活動性を示すこともあります。慢性化している場合は長引く体調不良につながります。
血液検査の腫瘍マーカーとは?
腫瘍マーカーは、がん細胞やそれに反応して体が作る物質を測定する検査です。CEAやCA19-9、AFPなどが代表的です。健康診断や人間ドックでもオプションで受けられます。早期発見の一助にはなりますが、陽性=がんとは限らず、他疾患や一時的変動でも上がることがあります。費用の目安としては、約2,000〜6,000円です。
「血液検査の項目」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「血液検査の項目」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
血液検査はたくさんの項目がありますが、特にどの項目の結果を重視すべきですか?
木村 香菜 医師
一概には言えませんが、肝機能・腎機能・血糖・脂質の項目は生活習慣病と深く関係します。連続して異常が出る場合は要注意です。
健康診断の血液検査で1項目でも異常値が見つかったら病院に行くべきでしょうか?
木村 香菜 医師
軽度の異常なら経過観察でよい場合もあります。検査値の変化を追うことが大切です。
ストレスや疲れが溜まっているときに影響が出やすい血液検査項目は何ですか?
木村 香菜 医師
ストレスや疲れによって影響がでることがある血液検査の項目として、白血球が知られています。ストレスによって、白血球が増加することがあります。
まとめ 血液検査の項目で身体の状態をチェックできる!
血液検査は、体の中を可視化する重要な健康指標です。数値の変化には必ず意味があります。結果を見たら終わりではなく、日常生活や食事の改善につなげることが、健康維持の第一歩になりえます。
「血液検査」の異常で考えられる病気
「血液検査」から医師が考えられる病気は14個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
腎臓内科系の病気
血液検査の結果は、健康の鏡となります。気になる数値があれば放置せず、早めの相談を心がけましょう。




