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「血液検査で発見できる主な5つの病気」はご存知ですか?【医師解説】

 公開日:2025/11/15

血液検査で発見できる病気とは?Medical DOC監修医が解説します。

※この記事はMedical DOCにて『「血液検査前後の食事」はどうしたらいいかご存知ですか?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

木村 香菜

監修医師
木村 香菜(医師)

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名古屋大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、大学病院や、がんセンターなどで放射線科一般・治療分野で勤務。その後、行政機関で、感染症対策等主査としても勤務。その際には、新型コロナウイルス感染症にも対応。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医。

「血液検査」で発見できる病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「血液検査」に関する病気を紹介します。 どのような病気や症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

脂質異常症

脂質異常症は、血液中の脂質の値が基準値から外れる状態で、主な原因は飽和脂肪酸やコレステロールの過剰摂取です。 血液検査では、LDLコレステロールや中性脂肪などの値が異常となります。 治療法としては、食事改善や運動療法が基本です。飽和脂肪酸の摂取を減らし、魚油などの不飽和脂肪酸を増やすことで改善が期待できます。脂質異常症自体には特に自覚症状がないことがほとんどです。しかし、放置しておくと動脈硬化症などの原因となりますので、血液検査で脂質異常症を指摘された場合には内科を受診しましょう。生活習慣の見直しや必要に応じて薬物療法を行います。

糖尿病

糖尿病は血液中のブドウ糖の濃度が高くなる病気です。 血液検査では、空腹時血糖値やHbA1cが異常を示します。 主な原因はインスリンの不足や効かなくなることです。対処法としては、食事療法、運動療法、薬物療法があり、定期的な血糖値の測定が必要です。初期症状が少なく、進行すると重大な合併症(網膜症、腎症、神経障害)を引き起こします。血糖値が高い場合は内科を受診し、専門医と相談して治療を開始します。

腎臓病・慢性腎臓病(CKD)・腎不全

慢性腎臓病(CKD)は、腎臓の機能が低下し、尿中にタンパクが出続ける状態です。血液検査では、血中クレアチニン値の異常などがみられます。 主な原因は高血圧や糖尿病です。対処法には、血圧や血糖値の管理、低塩食、薬物療法があります。症状がないことが多いので、無症状であっても腎機能の異常を血液検査で指摘された場合には、一度腎臓内科を受診しましょう。治療は生活習慣の改善や薬物療法が中心です。

肝臓病(肝機能障害・肝炎・肝硬変など)

肝臓病には肝機能障害、肝炎、肝硬変などがあり、原因はウイルス感染やアルコール、脂肪の蓄積などです。血液検査では、AST、ALT、γ-GTPなどの異常がみられます。 治療法は原因により異なり、抗ウイルス薬、生活習慣の改善、薬物療法などが含まれます。症状がない場合でも、検査結果で異常が指摘されたら早めに受診しましょう。内科または消化器内科が適しています。

膵臓がん

膵臓がんは、膵管に発生する腺がんが多く、原因には喫煙や慢性膵炎があります。症状は腹痛、食欲不振、黄疸などがあり、進行すると腰や背中の痛みも現れます。診断には血液検査での腫瘍マーカー(CA19-9など)や画像検査が必要です。治療法は手術、薬物療法、放射線治療などです。異常が見つかった場合、消化器内科を受診します。

「血液検査と食事の関係」についてよくある質問

ここまで胃カメラ後の食事について紹介しました。ここでは「血液検査と食事」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

血液検査当日の採血前は水分補給をしても大丈夫ですか?

木村 香菜木村 香菜 医師

はい、水分補給は可能です。ただし、水やお茶など無糖の飲み物に限ります。詳しくは医師の指示に従ってください。

血液検査が午後にあるとき当日の食事はどうすればいいのでしょうか?

木村 香菜木村 香菜 医師

血液検査が午後にある場合は、朝食後は絶食し、水分は無糖の飲み物に限ります。

血液検査前10時間は食事をしてはいけない理由を教えてください。

木村 香菜木村 香菜 医師

血液検査前の10時間は食事を控える理由は、食物が血糖値や中性脂肪値などの検査結果に影響を与えるためです。これにより、正確な診断が難しくなる可能性があります。

採血の前に食事をしてしまったら血液検査は受けられなくなりますか?

木村 香菜木村 香菜 医師

食事をしてしまった場合でも、血液検査は受けられますが、結果が影響を受ける可能性があるため、医師に相談して指示を仰ぐことが重要です。必要なら再検査を行うことがあります。

血液検査前日に食べたものは結果に影響しますか?

木村 香菜木村 香菜 医師

血液検査前日に食べたものは、特に脂っこい食事や高糖分の食事は、血糖値や中性脂肪値に影響を与えることがあります。正確な検査結果を得るためには、前日の食事にも注意が必要です。医師の指示に従いましょう。

まとめ 血液検査前後の食事は検査結果に影響大!

血液検査の前後の食事は、検査結果に大きく影響します。 正確な結果を得るためには、検査前日は糖分や脂肪分の多い食事は控えるようにしたほうが良いでしょう。そして、検査前の12時間は断食することを守りましょう。 特に検査前日には、野菜たっぷりのサラダや鶏胸肉のグリル、玄米など、血糖値や中性脂肪に影響を与えにくい食事がおすすめです。検査後はすぐに食事を再開できますが、絶食後のため、水分をしっかりとりましょう。

「血液検査」の異常で考えられる病気

「血液検査」から医師が考えられる病気は13個ほどあります。 各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

内科の病気

消化器内科の病気

血液内科の病気

内分泌内科の病気

消化器外科の病気

採血では、異常値が示す可能性のある病気が異なります。詳細な検査結果をもとに適切な診療科を受診し、専門医の診断と治療を受けることが重要です。

この記事の監修医師