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「大腸がん」を発症すると「お腹にどんな張り」を感じる?どこに張りを感じるかも解説!

 公開日:2025/02/20

大腸がんを発症するとお腹にどんな張りを感じる?Medical DOC監修医がお腹のどこに痛みを感じるかなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください

※この記事はMedical DOCにて『「大腸がん」を発症すると「お腹にどんな張り」を感じる?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

和田 蔵人

監修医師
和田 蔵人(わだ内科・胃と腸クリニック)

プロフィールをもっと見る
佐賀大学医学部卒業。南海医療センター消化器内科部長、大分市医師会立アルメイダ病院内視鏡センター長兼消化器内科部長などを歴任後の2023年、大分県大分市に「わだ内科・胃と腸クリニック」開業。地域医療に従事しながら、医療関連の記事の執筆や監修などを行なっている。医学博士。日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会肝臓専門医、日本医師会認定産業医の資格を有する。

「大腸がん」とは?

大腸がんとは、大腸の内側にある粘膜から発生した腫瘍です。腺腫という良性の腫瘍が悪性化したものと、正常粘膜から直接がんが発生する場合の2通りあります。腺腫から発生したものが多いです。大腸がんは、現在罹患数で第一位の非常に多いがんであり、近年増加傾向にあります。

大腸がんを発症するとお腹にどんな張りを感じる?

大腸がんは、症状が現れにくいがんです。大腸がんの症状としては、「血便、便に血が混ざる」「便が細い」「下痢便秘などの便通異常」「腹痛・おなかの張り」などが起こりやすいと言われています。ここではこの中でも「おなかの張り」について詳しく解説をします。

便通異常に伴うお腹の張り

大腸がんが大きくなると、内部に張り出すようになり腸管の内腔が細くなります。これに伴い、便が細い、便秘などの症状が出やすいです。大腸がんが大きくなることにより、この部位で便が詰まりやすくなり、腹痛やおなかの張りを感じる様になることもあります。
大腸の右側(盲腸、上行結腸、横行結腸)では、まだ便が柔らかく形になっていないことが多いため、つまりにくいです。一方、左側(下行結腸、S状結腸、直腸)では硬い便が通るため便が詰まりやすく、腹痛、おなかの張りなどの症状が出やすいと言われています。

腹膜播種・腹水に伴うお腹の張り

大腸がんが進行し、腸管から外へ突出し腸管を覆っている腹膜に散らばった状態を腹膜播種といいます。腹膜播種が進行すると、腹痛やおなかの張りなどが起こるようになります。また、腹水が溜まることでおなかが膨満し、腸管の運動が低下することで吐き気などを伴うこともあります。
お腹全体が張ったり、おなかが出てきたりした時には腹水の貯留や腹膜播種も疑い、主治医に相談をしましょう。

大腸がんを発症するとお腹のどこに張りを感じる?

お腹の右側に張りを感じる場合

右側に大腸がんがある場合には、大きくなるまで症状が出ない事が多いです。これは、右側の盲腸、上行結腸、横行結腸では便が柔らかく形になっていないことが多く、通過障害が起こりにくいためです。このため、大腸がんが大きくなりしこりとして触れたり、貧血が進行したりすることで見つかることも多いです。次第に大きくなり通過障害が出ると、腹痛やおなかの張りを感じることもあります。

お腹の左側に張りを感じる場合

左側に大腸がんがある場合には、便通異常が起こりやすいです。血便や便秘・下痢、便が細くなるなどの症状で気づかれることもあります。便が詰まり便秘となると、腹痛やおなかの張りを感じる様になります。

お腹全体に張りを感じる場合

大腸がんの腹膜播種がみられ、腹水が溜まる場合には、おなか全体が張りやすいです。腸管の運動が悪くなり、腹痛、吐き気や嘔吐の症状が伴うこともあります。しかし、腹膜播種でも症状がないこともあり、症状のみから診断はできません。おなかの張りを感じた場合には、消化器内科を受診して相談しましょう。

「大腸がんとお腹の張り」についてよくある質問

ここまで大腸がんとお腹の張りの関係性などを紹介しました。ここでは「大腸がんとお腹の張り」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします

大腸がんを発症するとお腹が張る原因について教えてください。

和田 蔵人和田 蔵人 医師

大腸がんを発症することで、便の通りが悪くなり、便のつまりから腹痛やおなかの張りを感じる方もいます。また、大腸がんが進行し、腹膜播種という腹腔内にがんが散らばった状態となると、腹水が生じておなかが張ることもあります。しかし、おなかが張る原因は大腸がんだけではありません。おなかが張るようになったら自己判断せず、まず消化器内科を受診して相談しましょう。

まとめ お腹の張りを感じたら消化器内科へ!

お腹の張りを感じた場合、大腸がんなどの大きな病気が潜んでいるかもしれません。もちろん、おなかが張るのは大腸がんのみではありませんが、大腸がんはもともと症状が出にくい病気です。気になる症状があった場合には、早めに消化器内科を受診することが重要です。
お腹の張りなどの症状があったら、消化器内科を受診しましょう。

「大腸がんとお腹の張り」と関連する病気

「大腸がんとお腹の張り」と関連する病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

消化器科の病気

おなかの張りを感じるときに、多くは消化器系の病気が隠れています。原因を調べるためにまず消化器内科を受診しましょう。一部腹水などは、消化管以外の病気に伴うこともあります。肝硬変や婦人科系疾患などです。自己判断せずに、受診して相談することが大切です。

「大腸がんとお腹の張り」と関連する症状

「大腸がんとお腹の張り」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

おなかの張りに上記のような症状があった場合には、大腸がんの可能性もあります。まず消化器内科を受診して相談しましょう。

この記事の監修医師

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