「大腸がんの末期症状」はご存知ですか?医師が徹底解説!

大腸がんの余命はどれくらい?メディカルドック監修医が大腸がんの末期症状を解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「大腸がんの余命」はご存知ですか?ステージ4の余命・末期症状も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
飯田 綾子(医師)
目次 -INDEX-
「大腸がん」とは?
大腸がんは、大腸(結腸・直腸)に発生するがんで、腺腫という良性のポリープががん化して発生するものと、正常な粘膜から直接発生するものがあります。大腸の粘膜に発生した大腸がんは次第に大腸の壁に深く侵入し、やがて大腸の壁の外まで広がります。また、大腸の壁の中を流れるリンパ液に乗ってリンパ節転移をしたり、血液の流れに乗って肝臓、肺など別の臓器に転移したりします。日本人ではS状結腸と直腸にがんができやすいといわれています。2020年に発表されたデータではがんの死亡数で女性1位、男性2位の疾患です。
大腸がんの末期症状
貧血
大腸がんが進行すると、がんの表面の粘膜が脆くなりじわじわ出血が起こり、貧血が進行します。貧血では立ちくらみ、息切れ、めまい、ふらつき、動悸といった症状が見られます。大腸がんで出血している場合は便に血液が付着することがあります。日頃から排便後に自分の便の色を見る習慣を身につけると良いでしょう。
腸閉塞
大腸がんの終末期には、がんがかなり大きくなることがあります。この大きくなった癌組織によって便の通り道が狭くなってしまうと腸閉塞を起こします。腸閉塞では狭くなった腸より先に便が進まないため、腹痛、便秘、嘔吐、体重減少などが起こります。腸閉塞がきっかけで大腸がんが見つかるケースもあります。
「大腸がんの余命」についてよくある質問
ここまで大腸がんの余命・生存率などを紹介しました。ここでは「大腸がんの余命」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
大腸がんを患い、ストーマ(人工肛門)を造設した場合の余命はどれくらいでしょうか?
飯田 綾子 医師
ストーマを造設したからと言って余命に影響があることはありません。また、食事に特別な制限はありません。適度なスポーツや旅行も可能です。ほとんどの患者さんが手術前の職場や学校に復帰されています。ストーマが自然肛門と違うのは,便の出る場所が腹部になることと、ストーマには肛門括約筋がなく、排便や排ガスを自分でコントロールすることができないことです。日常生活をする上で問題があると感じた場合は病院で相談してください。「ストーマ外来」を設けて、医師や専門の看護師が人工肛門に関する管理・教育を行っている病院もあります。
大腸がんがリンパ節や肝臓に転移した場合の余命について教えてください。
飯田 綾子 医師
大腸がんは、リンパ節転移や肝臓転移した場合でも、手術によって治癒する可能性があります。また、手術ができない場合にも、薬物療法や放射線治療を行います。がんを手術ですべて取り切ることができれば、約40%の人で完治が期待できるとのデータもあります。(ステージ4の5年生存率は33.4%です。)
編集部まとめ
この記事を通して、大腸がんの各ステージごとの余命や生存率、検査・治療ついて理解していただけたでしょうか。大腸がんは早期発見・早期治療が非常に重要です。もし気になる症状がある場合は、遠慮せずに医療機関を受診してください。また、定期的な検査によって症状が出る前に大腸がんを発見できれば治療の選択肢が広がります。
「大腸がんの余命」と関連する病気
「大腸がんの余命」と関連する病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
潰瘍性大腸炎やクローン病、その他のがんが背景にある方はそのような病気を持っていない人と比べて大腸がんリスクが高いと考えられています。
「大腸がんの余命」と関連する症状
「大腸がんの余命」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
大腸がんは自覚症状がなかなか出ないことがあります。血便など気になることがあれば早めに医療機関を受診しましょう。症状が出る前に大腸がんが見つかるよう定期健診を受けることをお勧めします。



