放置すると危険 高齢者の「足のむくみ」は体の赤信号! むくみに隠れる病気や生活への影響とは?
高齢者の足はむくみやすいですが、その中には恐ろしい疾患が隠れていることもあるそうです。足のむくみから考えられる疾患や、むくみによる日常生活への影響などを、介護福祉士の山下さんに解説していただきました。
監修介護福祉士:
山下 有輝(介護福祉士)
編集部
高齢者の足のむくみは放置するとなぜ危険なのでしょうか?
山下さん
むくみを長期的に放置しておくと、原因疾患を見つけることが遅くなり、見つけたときには疾患のステージが進んでいることがあります。もし、むくみの原因が腎不全であった場合、ステージによっては透析が必要となるケースがあります。そうすると、週に3回程度は透析センターに通う必要があり、QOLの低下を招く原因にもなるのです。そのほかの疾患でも、症状が進んでいると治療が難しくなる可能性があります。むくみが長期的に続く場合は、体の赤信号であることを覚えておきましょう。
編集部
足のむくみがあると考えられる疾患は何ですか?
山下さん
・心不全
・腎不全
・肝硬変
・甲状腺機能低下症
・悪性腫瘍
などが考えられます。
片方の足にむくみが出現した場合は、
・下肢静脈瘤
・リンパ浮腫
・やけど
・リウマチ
・打撲などのけがによるもの
などが考えられます。
むくみと一言で表現しても、心臓のポンプや腎臓、肝臓の機能低下、内分泌機能の代謝障害、低栄養、薬による作用など原因はさまざまです。むくみが出現して長期的に持続する場合は、早めの受診が大切です。
編集部
足のむくみは日常生活にどのような影響がありますか?
山下さん
・冷え
・歩きにくさ
・少し歩いただけで疲れる
・靴が入らなくなる
・靴下を履いた後が長時間のこり続ける
このような影響によって歩きにくく感じたり、少し歩くと疲れたりすることで、外出頻度が減ります。外に出ない状態が続くと肺活量の低下や運動機能の低下を招き、日常生活に支障をきたす原因となるでしょう。また、足のむくみがあると、皮膚が傷つきやすくなるため、知らないうちに足に傷が増える可能性もあります。定期的に足の皮膚の観察をしてけがの早期発見に努めましょう。
※この記事はメディカルドックにて【靴下のあとがくっきり…高齢者の「足のむくみ」放置すると危険? 対策は? 【専門家解説】】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。