「脳幹出血」の発症リスクを「低下させる可能性の高い食べ物」はご存知ですか?
脳幹出血の原因とは?Medical DOC監修医が脳幹出血の原因・なりやすい人の特徴・原因となる可能性の高い食べ物・予防法などを解説します。
※この記事はMedical DOCにて『「脳幹出血の原因」となる可能性の高い食べ物はご存知ですか?医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
佐々木 弘光(医師)
目次 -INDEX-
「脳幹出血」とは?
脳卒中は脳梗塞、脳(内)出血、くも膜下出血の3つに分類されますが、脳幹出血とは脳出血の中の1種類にあたります。そもそも脳出血は脳の血管が何らかの原因で破れて出血し、脳細胞を破壊する病気であり、部位によって名称が異なります。そしてこの「脳幹」は、呼吸、心拍、意識などの生命活動や大脳との伝達路といった役割を果たし、文字通り生命の根「幹」となる非常に重要な場所です。そのため脳幹出血は生命の危機に直結することも多く、大変危険です。ここではその原因や症状、予防法などについて解説していきます。
脳幹出血の発症リスクを低下させる可能性の高い食べ物・食生活
野菜や海藻、果物
野菜や海藻、果物に含まれるミネラルやカリウムは塩分の排出を助けます。さらにトマトなどに含まれるリコピンは抗酸化作用を有し、動脈硬化を予防します。しかし、果物を摂取しすぎて糖質過多になるようなことは本末転倒ですので、果物の摂取量や調理方法にも注意しましょう。油で揚げるよりもボイルして調理する、調味料にハーフマヨネーズなどの低脂肪タイプを使用する、といった調理方法の工夫も重要です。
マグロや青魚などの魚介類
マグロや青魚などの魚介類に含まれるDHAやEPAといった脂肪酸にも動脈硬化を予防する働きがあります。焼き魚に大量の塩や醤油をつけて塩分過多にならないように気をつけるようにしてください。
雑穀米、低糖質、減塩食品
お米も精米ではなく栄養価を考慮した雑穀米を使用する、お肉はより脂肪分の少ない鶏肉にする、低糖質・減塩食品を使用する、といった工夫も有効です。これらを踏まえ、日頃からバランスの良い食事を心がけ、無理のない範囲で実践していきましょう。
脳幹出血の予防法
血圧を下げる
ある程度、加齢に伴って動脈硬化が進んでしまうことは防ぎようがありません。しかし例えば普段からストレスが多い、カッとなってしまうことが多い、不規則な生活や不摂生をしている、睡眠不足がある、といったことで血圧は容易に上昇します。また電子タバコを含め、喫煙は血管収縮などを助長し、高血圧や動脈硬化のリスクとなります。本人が気づかないうちに高血圧が続いていたり、血圧の上下が激しかったりすると非常に危険ですので、これらの生活習慣を見直していくことが大切です。
日本高血圧学会では、140/90mmHg以上を高血圧症とし、1か月程度の生活習慣の見直しでも改善しない場合や、もともと160/100mmHg以上の高血圧がある場合などは、医療機関への早期受診が推奨されるとしています。特に脳出血のリスクが上がる中高年以降の方は、一度、市販の血圧計で自分の血圧をチェックしてみることをお勧めします。
日頃から運動する
身体に負担がかからない程度で、ウォーキングやスイミングなどの運動習慣を取り入れることも血管への負担を軽減し、高血圧や動脈硬化、認知症などの予防になります。
睡眠不足を解消する
睡眠不足はリラックスをさせる副交感神経が働きにくくなり、夜間の高血圧を持続させてしまうので、睡眠環境を整えることも大切です。また肥満の方などに多く見られますが、就寝中に一時的に呼吸が止まってしまう「睡眠時無呼吸症候群」も、夜間の血圧上昇を助長しますので注意が必要です。
脳ドックをうける
気になる方は、脳ドックを受けてみるのも良いかもしれません。頭のMRIで自分の脳の健康状態を把握しておくことは大切ですし、頻度は低いのですが、高血圧以外で出血の原因となる脳血管の異常が見つかる場合もあります。
「脳幹出血の原因」についてよくある質問
ここまで脳幹出血の原因などを紹介しました。ここでは「脳幹出血の原因」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
脳幹出血が原因で亡くなることはありますか?
佐々木 弘光医師
あります。脳幹は生命活動や大脳との連携に関わる非常に重要な場所であり、重症例では突然意識が混濁し、最悪の場合、呼吸停止や心停止が生じて死に至ります。
脳幹出血の生存率はどれくらいでしょうか?
佐々木 弘光医師
脳卒中データバンク2021の統計によると、脳幹出血は脳出血全体の8.5%程度ですが、死亡するケースが34.4%で、他の部位の脳出血よりも死亡率が非常に高くなっています。また仮に命が助かっても、手足の麻痺など何らかの介護を必要とする後遺症を残す割合が4割程度ともされており、重篤な疾患であることがわかります。
脳幹出血の前兆となる初期症状について教えてください。
佐々木 弘光医師
症状は様々ですが、手足や顔面の麻痺、顔面を含む半身のしびれなどの感覚障害、呂律が回らない、軽微なもので複視(物が二重に見える)といったものが突然発症します。神経症状以外では、頭痛や嘔吐などが現れる場合もあります。これらの症状を自覚した場合は直ちに病院を受診するようにして下さい。
編集部まとめ
ここまで説明してきた通り、脳幹出血は命に関わる非常に怖い疾患です。しかしその主な原因である高血圧は、日頃の生活習慣から予防することが可能です。いま一度、自分の生活を振り返ってみて下さい。また自分で血圧を測ってみることや、脳ドックで脳の状態を調べてみることも、健康を意識するきっかけになります。気になる方は、遠慮せずお医者さんに相談してみましょう。
「脳幹出血の原因」と関連する病気
「脳幹出血の原因」と関連する病気は12個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
内科の病気
- 高血圧症
- 脂質異常症
- 糖尿病
- メタボリックシンドローム
- 肝機能障害
- 腎機能障害
- 睡眠時無呼吸症候群
脳出血の多くの原因は高血圧であるため、生活習慣の改善によって発症を予防することができます。脳血管の異常があるかどうかについては脳ドックを受けるなどで一度確認しておくことも良いでしょう。
「脳幹出血の原因」と関連する症状
「脳幹出血の原因」と関連している、似ている症状は9個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
関連する症状
- 片側の手足の麻痺
- 片側の顔面の麻痺
- 片側のしびれ、感覚障害
- 呂律が回らない
- 物が二重に見える、瞼が下がる、眼球運動障害
- 頭痛
- 嘔吐、吐き気
- めまい
- 意識障害
脳幹は重要な脳機能を担う部位なので、小さな出血でも神経症状を引き起こすことがあります。上記のような症状がある場合には、早めに医療機関を受診するようにしましょう。