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「脳幹出血になりやすい人の特徴」はご存知ですか?医師が徹底解説!

 公開日:2025/01/19

脳幹出血の原因とは?Medical DOC監修医が脳幹出血の原因・なりやすい人の特徴・原因となる可能性の高い食べ物・予防法などを解説します。

※この記事はMedical DOCにて『「脳幹出血の原因」となる可能性の高い食べ物はご存知ですか?医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

佐々木 弘光

監修医師
佐々木 弘光(医師)

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医師、医学博士。香川大学医学部卒業。奈良県立医科大学脳神経外科に所属し、臨床と研究業務に従事している。現在、市立東大阪医療センターに勤務。脳神経外科学会専門医、日本脳神経血管内治療学会専門医、脳卒中学会専門医、の資格を有する。

「脳幹出血」とは?

脳卒中は脳梗塞、脳(内)出血、くも膜下出血の3つに分類されますが、脳幹出血とは脳出血の中の1種類にあたります。そもそも脳出血は脳の血管が何らかの原因で破れて出血し、脳細胞を破壊する病気であり、部位によって名称が異なります。そしてこの「脳幹」は、呼吸、心拍、意識などの生命活動や大脳との伝達路といった役割を果たし、文字通り生命の根「幹」となる非常に重要な場所です。そのため脳幹出血は生命の危機に直結することも多く、大変危険です。ここではその原因や症状、予防法などについて解説していきます。

脳幹出血の主な原因

高血圧や動脈硬化

脳幹出血も含め、脳出血の主な原因とされているのは高血圧や動脈硬化です。これらが血管の壁を脆くしてしまい、血管が破れてしまうためです。また高血圧や動脈硬化を誘発しうる喫煙、糖尿病、脂質異常症などもリスクです。症状は様々ですが、主に手足や顔面の麻痺、呂律が回らない、といったものから重症例では意識が混濁し、最悪の場合、呼吸停止や心停止が生じて死に至ります。また脳幹には眼球運動の中枢もあるため、軽症例では軽微な麻痺や感覚障害、眼球運動の障害による複視(物が二重に見える)といった症状にとどまることもあります。またこれは脳出血全体に言えることですが、現代医学では出血によって破壊された脳細胞は再生できません。脳出血で生じた症状は、回復後も大なり小なり後遺症として向き合っていかなければならなくなります。従って脳幹出血は、たとえ発症時に軽症であったとしても緊急性の高い状態にあるといえます。速やかに脳神経外科・脳神経内科のある病院へ搬送・救急受診されることが必要です。

脳血管の異常

頻度は下がりますが、脳動脈瘤、脳動静脈奇形や動静脈瘻といった血管の異常や海綿状血管腫、脳腫瘍から出血することもあります。これらの疾患の発症要因はそれぞれ異なりますが、異常な血管の発達などは家系的・遺伝的要因が影響することもあります。ただし、いずれにしても高血圧などの血管に負担がかかりやすい状態は出血のリスクになります。またこれらの疾患は脳ドックで頭のMRIを撮った時に偶然見つかることも多く、発見時は無症状のこともあります。そして脳動脈瘤、脳動静脈奇形や動静脈瘻といった疾患が見つかった場合、出血を未然に防ぐための外科的な塞栓術、閉塞術などを検討する場合があります。また海綿状血管腫や脳腫瘍といった疾患も、経過観察や外科的な摘出を考慮する場合もありますので、脳神経外科の受診が必要となります。

脳幹出血になりやすい人の特徴

ここまで脳幹出血の原因を解説してきましたが、共通することは、突然発症して重篤な状態に陥る可能性があるということです。しかしその主な原因は高血圧ですので、普段の生活に気を付けることで予防できます。ここでは脳幹出血になりやすい人の具体的な特徴について解説していきます。

40歳以上の日本人男性

そもそも日本人は欧米人の約5倍以上、脳出血を起こしやすいと言われています。また脳卒中データバンク2021という日本の統計資料によると、脳出血全体で見て、男性の方が女性よりも発症頻度が高い傾向にあるとされています。発症年齢については、男性では40歳台から脳出血の発生頻度が増えていき、60歳台でピークを迎え、80歳台まで発症頻度は高くなっています。一方、女性でも50-60歳台から脳出血の発生頻度が増え、80歳台でピークを迎えます。

生活習慣病のある人

脳出血を起こした患者さんには、生活背景に喫煙や過度の飲酒があったこと、高血圧症、脂質異常症、糖尿病などの持病を持っている傾向があるといわれています。加えて過去に脳卒中や心疾患を起こしたことがある方も脳出血を起こしやすいとされています。そして高血圧、脂質異常症、糖尿病、メタボリックシンドローム(肥満)といった疾患は生活習慣病と呼ばれ、日々の生活習慣が原因で起こることが知られています。そのため、生活習慣病から身を守る食生活をはじめとした生活習慣を身につけることが必要となります。

「脳幹出血の原因」についてよくある質問

ここまで脳幹出血の原因などを紹介しました。ここでは「脳幹出血の原因」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

脳幹出血が原因で亡くなることはありますか?

佐々木 弘光医師佐々木 弘光医師

あります。脳幹は生命活動や大脳との連携に関わる非常に重要な場所であり、重症例では突然意識が混濁し、最悪の場合、呼吸停止や心停止が生じて死に至ります。

脳幹出血の生存率はどれくらいでしょうか?

佐々木 弘光医師佐々木 弘光医師

脳卒中データバンク2021の統計によると、脳幹出血は脳出血全体の8.5%程度ですが、死亡するケースが34.4%で、他の部位の脳出血よりも死亡率が非常に高くなっています。また仮に命が助かっても、手足の麻痺など何らかの介護を必要とする後遺症を残す割合が4割程度ともされており、重篤な疾患であることがわかります。

脳幹出血の前兆となる初期症状について教えてください。

佐々木 弘光医師佐々木 弘光医師

症状は様々ですが、手足や顔面の麻痺、顔面を含む半身のしびれなどの感覚障害、呂律が回らない、軽微なもので複視(物が二重に見える)といったものが突然発症します。神経症状以外では、頭痛や嘔吐などが現れる場合もあります。これらの症状を自覚した場合は直ちに病院を受診するようにして下さい。

編集部まとめ

ここまで説明してきた通り、脳幹出血は命に関わる非常に怖い疾患です。しかしその主な原因である高血圧は、日頃の生活習慣から予防することが可能です。いま一度、自分の生活を振り返ってみて下さい。また自分で血圧を測ってみることや、脳ドックで脳の状態を調べてみることも、健康を意識するきっかけになります。気になる方は、遠慮せずお医者さんに相談してみましょう。

「脳幹出血の原因」と関連する病気

「脳幹出血の原因」と関連する病気は12個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

脳神経科の病気

脳出血の多くの原因は高血圧であるため、生活習慣の改善によって発症を予防することができます。脳血管の異常があるかどうかについては脳ドックを受けるなどで一度確認しておくことも良いでしょう。

「脳幹出血の原因」と関連する症状

「脳幹出血の原因」と関連している、似ている症状は9個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 片側の手足の麻痺
  • 片側の顔面の麻痺
  • 片側のしびれ、感覚障害
  • 呂律が回らない
  • 物が二重に見える、瞼が下がる、眼球運動障害
  • 頭痛
  • 嘔吐、吐き気
  • 意識障害

脳幹は重要な脳機能を担う部位なので、小さな出血でも神経症状を引き起こすことがあります。上記のような症状がある場合には、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

この記事の監修医師