目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 配信コンテンツ
  3. 「脳梗塞の予防法・なりやすい人の特徴」はご存知ですか?医師が徹底解説!

「脳梗塞の予防法・なりやすい人の特徴」はご存知ですか?医師が徹底解説!

 公開日:2024/07/31

脳梗塞の予防法とは?Medical DOC監修医が脳梗塞の予防法・なりやすい人の特徴・予防する可能性の高い食べ物・発症のリスクを上げやすい食べ物などを解説します。

※この記事はMedical DOCにて『「脳梗塞を予防」する可能性の高い食べ物はご存知ですか?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

村上 友太

監修医師
村上 友太(東京予防クリニック)

プロフィールをもっと見る
医師、医学博士。福島県立医科大学医学部卒業。福島県立医科大学脳神経外科学講座助教として基礎・臨床研究、教育、臨床業務に従事した経験がある。現在、東京予防クリニック院長として内科疾患や脳神経疾患、予防医療を中心に診療している。
脳神経外科専門医、脳卒中専門医、抗加齢医学専門医。日本認知症学会、日本内科学会などの各会員。

「脳梗塞」とは?

脳梗塞とは、脳への血流が低下・途絶することで脳細胞が死んでしまう病気です。その脳細胞の機能が失われることで、うまく話せなくなったり(失語)、顔や手足が動かせなくなったり(麻痺)、しびれや感覚の違和感が現れたり(感覚障害)、とさまざまな症状が出現します。脳梗塞は発症早期の迅速な治療で症状を軽くできる場合もありますが、後遺症が残って生活に支障が出てしまうことも少なくありません。脳梗塞を含む脳卒中は、65歳以上で介護が必要になる原因の第2位であり、健康で自立した生活をつづけるためには脳梗塞を予防することは非常に重要です。
この記事では脳梗塞をどのように予防するかについて解説します。

脳梗塞の予防法

脳梗塞は主に脳を栄養する血管(脳動脈)が閉塞することで発症します。脳梗塞は原因別に大きく3つにわかれます。心臓で作られた血の塊(血栓)が脳動脈を閉塞する心原性脳塞栓、動脈硬化により動脈が狭くなり、そこで血栓が作られることで発症するアテローム血栓性脳梗塞、主に高血圧により脳のより細い血管が傷害を受けてつぶれてしまうラクナ梗塞です。いずれの脳梗塞でも生活習慣の改善が発症予防につながります。

食事療法

高血圧症や糖尿病、脂質異常症、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病の予防や治療は脳梗塞の予防に非常に重要です。
高血圧に対しては1日の塩分摂取量6gを目指した減塩が重要といわれています。糖尿病や脂質異常血症、メタボリックシンドロームに対しては体格や運動量に応じたカロリー摂取(約2000~3000kcal/日)や、青魚などのDHAを多く含む食材の摂取が良いといわれています。また、バランスの取れた食事を行うことも望ましく、果物や野菜なども摂取し、ミネラルやビタミン、食物繊維もしっかりと摂取するようにしていきましょう。

運動療法

適度な運動は脳梗塞の予防に効果的です。適度な運動は基礎代謝量を増加させ、脂質異常症や糖尿病、メタボリックシンドロームの予防や治療として有効なだけでなく、脳梗塞や心筋梗塞などの予防としても有効です。1日30分以上のウォーキングを目安とし、無理のない範囲で運動を行うとよいでしょう。

禁煙

喫煙は肺癌や舌癌などの各種の癌のリスクを上げるだけでなく、脳梗塞や心筋梗塞などの発症リスクも増加させます。
ここで重要なのは、本数を減らすのではなく、禁煙することです。
もちろん本数を減らすことでも多少リスクは下がりますが、1日20本から1日1本に減らしてもリスクを半分程度にしか減らせないといわれています。

節酒

大量の飲酒(エタノール48g/日以上)は脳梗塞のリスクを増加させます。少量~中等量の飲酒(エタノール24g/日以下)は脳梗塞のリスクを低下させるとの報告もあり、禁酒の必要まではありませんが、日本酒であれば1合、ビールであれば1缶までと飲酒はほどほどにするとよいでしょう。

脳梗塞になりやすい人の特徴

脳梗塞は偏食な方や運動をほとんどしない方、喫煙している方、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病のある方で発症しやすく、年齢を重ねることでも発症しやすくなります。これらに該当する方は注意が必要です。

肥満・メタボリックシンドロームの方

肥満体型の方やメタボリックシンドロームに該当する方は脳梗塞になりやすいため、注意が必要です。摂取カロリーや運動習慣を見直して、減量に努めましょう。

喫煙者

喫煙は肺癌などの各種がんだけでなく、脳卒中や心筋梗塞などの心血管イベントの発症リスクも増加させます。1日1本だけであってもリスクを増加させるため、早急に禁煙をしましょう。

ラーメンや味の濃いものが好きな方

日本人では食塩感受性高血圧の割合が欧米人などと比較して多く、食塩の過剰摂取により脳梗塞を発症しやすいです。脳梗塞の予防には高血圧の予防・治療が非常に重要であり、日頃からラーメンや味の濃いものを食べることが多い場合には注意が必要です。

生活習慣病のある方

高血圧・脂質異常症・糖尿病のある方は脳梗塞になりやすいため、バランスの取れた食事や適度な運動を心がけつつ、医療機関で治療を受けましょう。高血圧の治療で発症リスクを約35%、脂質異常症や糖尿病の治療で約20%低下したという報告もあり、医療機関に通院して適切な治療を受けることが重要です。

「脳梗塞の予防」についてよくある質問

ここまで脳梗塞の予防などを紹介しました。ここでは「脳梗塞の予防」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

脳梗塞の予防に効果的な運動について教えてください。

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

1日30分以上の有酸素運動が好ましいです。無理のない程度の運動を続けることが大切であり、ウォーキングなどでも十分に効果があります。

コーヒーを含めたカフェインの摂取で脳梗塞発症のリスクを軽減することはできるのでしょうか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

中国で行われた研究では、紅茶やコーヒーなどのカフェイン摂取の多い人では脳梗塞や心筋梗塞などのリスクが高くなったことが報告されています。一方で、日常生活で摂取する程度のカフェインではリスクが変わらないとの報告も複数あるため、飲用を控える必要はないと考えられます。

脳梗塞を予防するために水分はこまめに摂取した方が良いですか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

動脈硬化の強い人(特に脳動脈の狭窄のある人)は脱水をきっかけに脳梗塞を発症することがあります。また脱水をきっかけに血液が濃縮することも脳梗塞のリスクとなるため、水分はこまめに摂取することが望ましいです。

編集部まとめ

脳梗塞は特に高齢者において介護が必要になる大きな要因の一つであり、予防と発症直後の迅速な治療が必要な病気です。脳梗塞は生活習慣病とも関連しており、脳梗塞の予防には生活習慣の改善、生活習慣病をすでに発症している場合にはその治療が非常に重要となります。
今回は脳梗塞の予防について概説いたしましたので、記事を参考に生活習慣の改善に取り組んでいただければ幸いです。

「脳梗塞の予防」と関連する病気

「脳梗塞の予防」と関連する病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

循環器科の病気

内分泌系/代謝内科の病気

日頃の生活習慣を改めることで、生活習慣病の発症を抑えることが可能であり、脳梗塞の発症する危険性も減らすことができます。

「脳梗塞の予防」と関連する症状

「脳梗塞の予防」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 顔がゆがむ
  • うまく話せない
  • 手足が動かしにくい
  • しびれがある/感覚が鈍い
  • ふらついて歩けない

上記のような症状が急に現れた場合には、脳梗塞を含めた脳卒中が疑われます。一時的な症状で済む場合でも、脳梗塞の前兆である可能性もあるため、すぐに医療機関を受診して治療することが望まれます。

この記事の監修医師