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ノンクラスプデンチャーとは?入れ歯の保険診療と自費診療の違いなどについて解説!

 更新日:2024/08/30
ノンクラスプデンチャーとは?

失った歯の治療法の一つである「入れ歯」は、比較的簡単に作ることができる装置で、歯を大きく削ったり、外科手術を行ったりする必要がありません。
そんな入れ歯には、保険診療と自費診療があります。診療形態によって使用できる素材や仕上がりに大きな違いがあるため、選択は慎重に行った方が良いでしょう。例えば、近年注目を集めているノンクラスプデンチャー」は、自費診療となります。

ここでは、入れ歯の種類や保険診療と自費診療の違いなどを詳しく解説します。

今井崎 理沙

監修歯科医師
今井崎 理沙(みなみテラス歯科)

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鹿児島大学 歯学部 卒業
昭和大学歯科病院 総合診療歯科入局(研修医)
横浜市内 歯周病治療専門医院など市内の医院で勤務

入れ歯とは

はじめに、入れ歯の概要や種類を簡単に説明します。

入れ歯の概要

入れ歯は、何らかの理由で失った歯を補うための人工歯です。専門的には補綴装置(ほてつそうち)と呼ばれるもので、患者さんが自由に着脱できます。起きて活動している間は装着して、眠っている間は外すという使用法が一般的です。ただし、患者さんの口の状態によっては、眠っている間も装着する場合があります。また、気分や体調によって自由に取り外せるというのも入れ歯の特徴の一つといえるでしょう。

入れ歯の種類

入れ歯の種類
入れ歯は、部分入れ歯と総入れ歯の2つに大きく分けられます。

部分入れ歯
部分入れ歯とは、歯を1本から複数本失った場合に用いられる入れ歯です。
前歯を1本失っただけのケースから、前歯1本しか残っていないケースまで、幅広く適応できます。
部分入れ歯は、人工歯と歯茎に当てる床(しょう)、残った歯に引っ掛けるクラスプという3つのパーツから構成されています。残っている歯の状態に合わせて、自由に設計することができます。

・総入れ歯
入れ歯は、すべての歯を失ったケースに適用される入れ歯です。
入れ歯は、人工歯と床の2つで構成されている装置で、部分入れ歯にはあるクラスプという部品は必要ありません。なぜならクラスプを引っ掛ける歯が残っていないからです。
口腔内には、床を粘膜に吸着させることで固定します。口腔粘膜と床との間に唾液が介在することで、自然と吸着するように設計されているのです。 

保険診療と自費診療の入れ歯の違い

次に、保険診療と自費診療の入れ歯の違いについて説明します。診療形態によって作ることができる入れ歯の種類が異なり、治療に伴うメリットとデメリットにも違いがあります。

保険診療で用いられる入れ歯の種類

レジン床義歯
レジン床義歯(れじんしょうぎし)とは、口の粘膜と接する床の部分が歯科用プラスチックであるレジンで作られた入れ歯です。レジンは歯茎と似たピンク色をしています。保険診療では、このレジン床義歯が基本となります。

自費診療で用いられる入れ歯の種類

金属床義歯
金属床義歯は、その名の通り金属を使った入れ歯の総称です。後述するチタンやコバルトを使った入れ歯が該当します。その他、床の部分が金(ゴールド)で作られた入れ歯もあります。
金は生体親和性の高い金属なので、アレルギー反応が起こりにくいといわれています。食べ物や飲み物の熱が伝わりやすい点は、食事の満足度を高めてくれることでしょう。金属イオンの溶出が起こりにくく安定性が高いことから、入れ歯を長く使えます。

チタン床義歯
床の部分がチタンで作られた入れ歯です。チタンは軽くて丈夫な金属で、金属アレルギーのリスクも低く、金と同様に生体親和性が高い入れ歯といえるでしょう。チタンは、顎の骨に埋め込むインプラントにも使われている材料です。

・コバルトクロム
床の部分がコバルトクロムで作られた入れ歯です。コバルトクロムはやや重く金属アレルギーのリスクがあるものの、熱伝導率が高いため食事の温度を感じやすいです。また、コバルトクロムは丈夫なので、レジン床義歯と比べると薄く作ることができます。

・アタッチメント義歯(オーバーデンチャー
アタッチメント義歯とは、残っている歯やインプラント磁石や突起などを組み込むことで固定するタイプの入れ歯です。標準的な入れ歯よりも固定がしやすく、安定性も高いという特長があります。

ノンクラスプデンチャー
ノンクラスプデンチャーとは、金属製の留め具である「クラスプ」がないタイプの部分入れ歯です。歯に引っ掛ける部分はやわらかい素材で作られているため、装着感が良好です。見た目もピンク色をしており、入れ歯が目立ちにくいでしょう。

保険診療の入れ歯のメリット

保険診療では、治療にかかった費用の1〜3割負担となるため、費用を抑えることができます。
また、保険の入れ歯修理がしやすい、治療期間が比較的短い、といったメリットもあります。

保険診療の入れ歯のデメリット

保険診療の入れ歯は、壊れやすいというデメリットがあります。人工歯と床がプラスチックで作られているため、摩耗や変色といった経年劣化が起こりやすいといわれています。
また、部分入れ歯の場合は金属製のクラスプが必須となるため、見た目があまり良くありません。適合性も自費診療の入れ歯より低くなります。

自費診療の入れ歯のメリット

自費診療の入れ歯は、保険診療の入れ歯よりも見た目が自然で美しいです。他にも、総入れ歯の床には金属を使うため食事の熱を感じやすいというメリットがあります。
装着感も良好で、全体的に保険の入れ歯よりも使いやすいといえるでしょう。

自費診療の入れ歯のデメリット

自費診療の入れ歯は、使用する素材や設計が特殊であるため、壊れた際には専門的な技術が必要とされることがあります。これにより、修理において当日で完結してお返しする事が難しく、お返しにお時間頂をく場合もあり、治療期間は保険診療よりも少し長くなる場合がありますが、その分、高品質なケアを提供することができます。

ノンクラスプデンチャーによる入れ歯治療

ここからは、自費診療で作ることができる部分入れ歯ノンクラスプデンチャー」について説明します。

ノンクラスプデンチャーとは

保険診療の部分入れ歯には、金属製のクラスプが付随することになります。クラスプは目立つだけではなく、装着時の違和感を強くするという難点もあります。
そのクラスプが含まれない部分入れ歯ノンクラスプデンチャーといいます。保険診療の入れ歯でクラスプを設置している部分は、ノンクラスプデンチャーではやわらかい素材で作られた突起のような構造の部品になります。床は歯肉の色に近いピンク色をしているので目立ちにくいです。

ノンクラスプデンチャーのメリット

ノンクラスプデンチャーのメリット
自費診療で作ることができるノンクラスプデンチャーには、次に挙げるような5つのメリットがあります。

・審美性が高い
ノンクラスプデンチャーには、金属製のクラスプが付随しないため、見た目が自然で美しいです。保険診療の部分入れ歯などと比較して審美性が高いといえるでしょう。

・装着感が良い
残った歯に引っ掛ける部分がやわらかい素材で作られているため、装着感が良いです。ノンクラスプデンチャーには、噛んだ時にクラスプが歯を圧迫するような感覚もないことから、使用感も良いといえます。

・金属アレルギーの心配がない
ノンクラスプデンチャーによる入れ歯治療では、金属材料を一切使用しません。ノンメタル材料だけで構成された入れ歯を使うため、金属アレルギーのリスクを抑えることができます。この点は金属材料が必須となる保険の部分入れ歯との大きな違いといえるでしょう。

・残存歯への負担が少ない
保険診療の部分入れ歯は、金属製のクラスプで口の中に固定します。その時の固定源となるのは残存歯です。そのため残存歯には大きな負担がかります。しかし、クラスプの部分をやわらかい素材で作れるノンクラスプデンチャーなら、残存歯への負担も軽減できます

・自費の入れ歯の中では比較的安価
前述したように、自費診療の入れ歯にはたくさんの種類があります。その中でもノンクラスプデンチャー費用が比較的安い入れ歯といえます。

ノンクラスプデンチャーのデメリット

ノンクラスプデンチャーには、メリットだけでなくデメリットも伴います。ノンクラスプデンチャーを検討中の人は、少なくとも以下の3点については正しく理解しておく必要があります。

・2~3年程度で作り直しが必要になる
ノンクラスプデンチャーは、一生涯使えるものではありません。一般的な部分入れ歯と同じように、作り直しが必要となります。2〜3年くらいの間隔で作り直しになるでしょう。

・壊れた時に歯科医院での修理が難しい
ノンクラスプデンチャーは快適に使用できる部分入れ歯ですが、その一部が割れたり、折れたりした場合の修理が難しいです。破損が大きい場合は、作り直しが必要となります。この点は、修理がしやすい保険診療の部分入れ歯に劣る面といえるでしょう。

・適応症例が限られる
ノンクラスプデンチャーは、すべての症例に適応できるわけではありません。患者さんの歯の状態によっては、一般的な部分入れ歯しか適応できないこともあります。

ノンクラスプデンチャーをおすすめしたい人

ノンクラスプデンチャーをおすすめしたい人
ノンクラスプデンチャーは、次のような人におすすめです。

・歯の欠損本数が少ない人
失った歯の本数が1〜2本の場合は、ノンクラスプデンチャーがおすすめです。歯の欠損本数が多くなると、ノンクラスプデンチャーの適応が難しくなります。

入れ歯の金属のバネが気になる人
保険診療の部分入れ歯だと金属製のバネの部分が気になる人には、ノンクラスプデンチャーがおすすめです。ノンクラスプデンチャーはそうしたニーズに応えるために開発された部分入れ歯です。

・金属アレルギーがある人
金属アレルギーがあって保険診療の部分入れ歯が使えない人には、ノンクラスプデンチャーがおすすめです。入れ歯を使い始めてから金属アレルギーになることが怖い人にもノンクラスプデンチャーは推奨できます。

・咀嚼に違和感を感じたくない人
噛んだ時の感覚は、クラスプがある保険診療の部分入れ歯よりもノンクラスプデンチャーの方が自然です。そうした咀嚼時の違和感を減らしたいという人にもノンクラスプデンチャーがおすすめです。

ノンクラスプデンチャーなどの入れ歯治療ならみなみテラス歯科に相談を

ここまで、入れ歯の種類や保険診療と自費診療の入れ歯の違い、入れ歯の種類の中でも審美性や装着感などが優れているノンクラスプデンチャーについて説明してきました。
最後に、ノンクラスプデンチャーを含む自費診療の入れ歯による治療を得意にしているみなみテラス歯科を紹介します。

入れ歯のスペシャリストがオーダーメイドで入れ歯を製作

みなみテラス歯科診療室
みなみテラス歯科では、有床義歯の歯学博士号を持ち、鹿児島大学歯学部の補綴科で研鑽を積まれた副院長が入れ歯による治療を担当しています。患者さんの話をしっかりと聞いたうえで、適切な治療方法を提案し、患者さんごとに合った入れ歯をオーダーメイドで製作します。

豊富な入れ歯の種類に対応

みなみテラス歯科では、保険診療の入れ歯はもちろん、自費診療の金属床義歯やアタッチメント義歯ノンクラスプデンチャーなどにも対応しています。機能面だけでなく、入れ歯を装着した際のフェイスラインなどの審美面までを考慮した入れ歯治療を行っています。

「また来たい」と思ってもらえる歯科医院

みなみテラス歯科院内
みなみテラス歯科は、怖くない、痛くない、わかりやすい、通いやすいをコンセプトにしている歯科医院です。
リラックスできる空間に整えられた待合室や、お子さん連れのご家族でも気軽に通ってもらうためのキッズルーム、段差をなくしスロープを設けたバリアフリー対応など、患者さんに対してきめ細かな配慮をもって接することを大切にしています。

「また来たい」と思ってもらえるような診療とサービスの提供に努めているそうなので、生涯にわたって通い続けられる歯医者さんを探している方におすすめできる歯科医院といえます。

みなみテラス歯科の基本情報

アクセス・住所・診療時間・費用・治療期間・治療回数

横浜市営地下鉄ブルーライン・グリーンラインセンター南駅 徒歩3分

神奈川県横浜市都筑区茅ケ崎中央55-1 パインクリエイトビル1階

診療時間
10:00~18:00

※第2・第4日曜日は休診
【費用】 
 ・コバルト床 200,000~280,000円(税込)
 ・チタン床 200,000~410,000円(税込) 
 ・シリコーンデンチャー 220,000~260,000円(税込)
 ・ノンクラスプデンチャー 110,000~160,000円(税込)
【治療期間】 1〜2ヶ月
【治療回数】 3~5回

この記事の監修歯科医師