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「微熱が続く」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

微熱が続く

微熱が続く時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

「微熱が続く」症状で考えられる病気と対処法

「風邪だと思っていたのに全然だるさがとれない、いつもより熱が高い」「この1ヶ月間ずっと微熱が下がらないけど、薬を飲んでごまかしている」
こんな症状でお困りではありませんか?熱が出る原因となる病気は多岐に渡り、発熱患者さんを多くみている医師でも診断が難しいこともあります。今回はよく遭遇する微熱の原因や見逃すと怖い微熱の原因をご紹介します。

微熱が続く症状で考えられる原因と治し方

熱の基準については、37度以上であれば「微熱」、38度を超えていれば「発熱」と判断するのが一般的です。
発熱があると体のだるさ(倦怠感)も出現することは、多くの方が経験あるかと思います。これは高熱のときだけではなく微熱の場合にもみられます。
また、発熱の症状だけで病気の原因を推定するのは難しく、同時期に出てきた症状が重要です。例えば、「最近どんどん体重が落ちている」「足がむくんできた」「体に斑点やぶつぶつ(皮疹)がでてきた」などの症状がある場合、すみやかに内科を受診しましょう。血液悪性腫瘍(白血病悪性リンパ腫)、膠原病など、通常の検査では見つかりにくい病気が隠れている可能性があります。
これから説明する内容を読んでも何科を受診すればよいかわからない場合は、総合診療科や総合内科にかかってみることをお勧めします。

微熱と頭痛が続く・長引く症状で考えられる原因と治し方

微熱が続くのと同時にいままでにない頭痛が続くことがあります。このような場合、髄膜炎や副鼻腔炎のような感染症や、側頭動脈炎とよばれる膠原病などが考えられます。
側頭動脈炎は通常の診察や検査では疑うことが難しいため、「手や足が痛む」「食べていると顎がだるくなる」などの特徴的な症状がある場合には、リウマチ科、膠原病内科を受診しましょう。
また、通常微熱を伴うことは少ないのですが、頭皮がピリピリ痛む場合は帯状疱疹と呼ばれるヘルペスウィルス感染症の可能性もあります。通常は水泡を伴う皮疹がでますが、皮疹よりも痛みが先行する場合もあり、また脳神経に侵入すると非常に重篤な後遺症を残す場合もありますので、そのような症状が出た場合にも速やかに内科や皮膚科を受診しましょう。

男性で微熱が続く症状で考えられる原因と治し方

男性が微熱の続く状態であるときには、排尿する際に違和感や痛みがあるかどうか注目してみましょう。もし排尿時の症状がある場合には、急性前立腺炎の可能性があります。これは前立腺に細菌が感染してしまう疾患で、抗生剤(抗菌薬)が有効です。泌尿器科に受診することをお勧めします。

女性で微熱が続く症状で考えられる原因と治し方

女性が微熱の続く状態であるときには、関節の痛みや足の浮腫、皮疹、日光過敏やにきびの増加などがあるかどうか注目してみましょう。これらの症状がある場合には、全身性エリテマトーデスと呼ばれる膠原病の可能性があります。ほとんどの膠原病は男性よりも女性に発症しやすい傾向があります。まずは内科に相談し、必要であればリウマチ内科や膠原病内科のある病院を受診しましょう。微熱が出る以前に上記のような症状が出る場合も珍しくないので、普段ない症状が最近あった場合は担当医に申し出るようにしてください。
また、微熱に加えて最近首が太くなった、声を出すと違和感があるなどの症状がある場合、甲状腺の病気の可能性も考えられます。スクリーニング検査は内科で可能ですが、必要であれば内分泌内科を受診しましょう。

微熱が続いてストレスを感じる症状で考えられる原因と治し方

微熱が続く時点でストレスを感じない方はいないと思いますので、それ以外の症状がないか注意深く観察してみることが重要です。思わぬ病気が隠れている場合もありますので医療機関で全身の診察、検査を受けましょう。精密検査でも異常がなく、微熱のみが続いている場合は、習慣性高体温症の可能性があります。原因が明らかでないこともありますが、ストレスがかかることで体温を調節している脳の中枢が異常を起こし、体温の正常値の設定が狂ってしまうことによって発症すると言われています。有効な治療方法は確立されていませんが、ストレスをうまくマネージメントする、リラックスできる環境や趣味などを見つけるという状況を作り出せると改善する事があります。

すぐに病院へ行くべき「微熱が続く」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

微熱が続き、夜間の寝汗、急激な体重減少がある場合は、内科・血液内科へ

急激な体重減少(ダイエットしていないにも関わらず数ヶ月以内に2kg以上体重が落ちた等)、からだのだるさ、夜間の寝汗を伴う微熱が続く場合は、血液悪性腫瘍(悪性リンパ腫や白血病)の可能性があり、早急に内科で血液検査を受け、疑わしい場合は血液内科に受診しましょう。血液悪性腫瘍は通常の採血検査や画像検査(レントゲンやCT検査)では見つかりにくいタイプも存在し、また早期に発見しないと非常に危険な場合もあります。また内臓の悪性腫瘍が原因である場合もありますので、画像検査を勧められた場合は積極的に受けることをお勧めします。

「微熱が続く」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「微熱が続く」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

白血病

白血病とは、血液のがんのことです。血液細胞には、赤血球、白血球、血小板がありますが、この血液細胞のもととなる造血幹細胞が成長する過程で癌化してしまう病気です。白血病の原因は、未だ正確には判明していません。一方、ほとんどの場合遺伝はしないにも関わらず、白血病患者さんの血液や骨髄では遺伝子の異常も多数見つかっており、これらは治療薬の選択にもとても影響しています。症状が明確でないことも多く、血液検査で偶然見つかることも珍しくありません。微熱に伴って、けがをしたとき血が止まりにくい、ぶつけた覚えもないのにあざが頻繁にできる、貧血のような立ちくらみが急にでてきた、などの症状を伴う場合はかかりつけの内科を受診し、症状をきちんと伝える事が早期発見につながる鍵になります。専門は血液内科になります。

悪性リンパ腫

悪性リンパ腫とは、全身のリンパ節のがんです。非常に多彩な症状を起こすため「医師泣かせ」の病気であり、かつ速やかに治療しなければ救命率が低下する非常に怖い病気です。一般的には、首や脇の下、太腿の付け根(鼠径)等のリンパ節がコリコリ触れる、微熱が出て寝汗をかく、体重が減った、などの症状が手がかりになる事が多いですが、リンパ節が腫れないタイプ、内臓のみに発生してくるタイプなどもあります。抗癌剤を複数組み合わせて治療を行う事が標準的です。専門は血液内科になります。

膵臓がん、肝臓がん、胆嚢がん

全身に発生する癌のなかでも、膵臓、肝臓、胆嚢にできるがんは通常の検診や血液検査、超音波検査などでは見つかりにくいことが多く、発見した際には手術ができない事もある非常にこわい癌です。微熱や倦怠感のみが症状として出てくることもあり、造影剤を使ったCT検査やMRI検査などを行うことでようやく診断がつくことが多い病気です。専門は消化器内科、肝臓内科です。

薬剤熱

そんなに体はだるくないけど、微熱だけが続いているという場合は、もしかすると最近処方してもらったお薬や市販薬、健康食品、サプリメント、漢方薬、などが原因かもしれません。通常の検査では原因がわからない発熱を我々医師は「不明熱」と定義しますが、高齢者の不明熱の原因として”薬剤熱”は比較的多くみかけます。多くの場合、疑わしい薬剤をやめると3日以内には熱が下がってくるため、「もしかしたら最近飲み始めた薬かも」と思い当たる節がある場合、医療機関で中止できるか相談してみるのがよいでしょう。

感染性心内膜炎

感染性心内膜炎とは、血液内に入った細菌が、血流に乗って心臓の弁膜にくっついて巣を作ってしまうのが原因です。特に、心臓弁膜症をもともとお持ちの方の場合は発症リスクが高くなります。また微熱以外に関節痛、筋肉痛、指の痛みなども生じる事があります。見逃した場合は命の危険がある病気であり、長引く微熱では、“血液培養検査”という血液内の細菌がいるかのチェックを行う必要があります。治療は抗菌薬の長期投与ですが、抗菌薬の効果が十分に出ない場合もあり、その際には心臓手術が必要になることがあります。

「微熱が続く」ときの正しい対処法は?

微熱が3日以上続いている場合、自己判断で解熱薬を飲んでしのぐ、ごまかすといったことはお勧めできません。なぜならこれまで説明したように放っておくと非常に怖い病気が数多く存在するためです。
1日のうちどの時間帯に熱が出るのか(朝から一日中続くのか、夕方に出やすいのか)、という日々の変化は診断により早く近づく重要な手がかりになりますので記録しておくと良いでしょう。
一般的な注意点としては、激しい運動は控え、脱水にならないために積極的に水分は取りましょう。まずは内科でご相談してみましょう。

「微熱が続く」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「微熱が続く」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

微熱が続く症状の予防方法を教えてください。

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

原因によってさまざまなので一概には言えませんが、一般的には予防するというのは難しい症状でしょう。まずは原因をはっきりさせて、担当医の助言に従うのが安全です。

微熱が下がらない症状と熱中症は関係がありますか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

通常、熱中症に伴う発熱は数日以内に治ります。もしも微熱が3日以上続く場合は、別の疾患が隠れている可能性があるので、内科を受診しましょう。

風邪で微熱が続いています。何日くらいの発熱は正常でしょうか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

風邪で熱が出るのは長くても3日以内と言われています。ただし、高齢者の方や免疫力の低下している方の場合は1週間程度症状が長引く可能性もあります。よくも悪くもならず、だらだら1週間も2週間も微熱が続くことは稀です。

元気なのに37度の微熱が続いているのは病院に行くべきでしょうか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

まずは普段飲んでいる健康食品、サプリメント、内服薬などの可能性がないかチェックしてみてください。該当しそうな薬剤をやめても改善がない場合は、医療機関での精密検査を受けることをお勧めします。

まとめ

微熱が続く、というのは患者さんにとっても、また担当した医師にとっても非常にストレスがかかります。なかなか診断がつかない場合も多く、鑑別するべき病気もたくさんあるからです。ただし、詳細に調べた結果、異常がみられず診断がつかない場合は、月単位では自然に軽快することもあります。まずは内科を受診し、自分の症状をきちんと伝え、必要な検査を提案してもらいましょう。

「微熱が続く」で考えられる病気と特徴

「微熱が続く」から医師が考えられる病気は25個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

内科の病気

  • 感染性心内膜炎
  • 結核
  • ウィルス性髄膜炎
  • 感染性心内膜炎
  • 腎結核
  • 甲状腺機能亢進症(バセドウ病)

血液内科の病気

膠原病内科の病気

消化器内科の病気

婦人科の病気

その他の病気

風邪を引いて熱が出るのは3日以内と言われているため、それ以上長い場合には何らかの原因がある可能性があります。内科を受診することをお勧めします。

「微熱が続く」と関連のある症状

「微熱が続く」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

「微熱が続く」の他に、これらの症状が見られる際は、「白血病」「全身性エリテマトーデス」「習慣性高体温症」「悪性リンパ腫」「ウイルス性髄膜炎」などの病気の存在が疑われます。
食べているのに体重が減ってきたり、体にあざができたり、ぶつぶつ(皮疹)ができたりする場合には、早めに医療機関への受診を検討しましょう。