「皮膚に円形のカサカサ」ができる原因はご存知ですか？医師が徹底解説！

皮膚に円形のカサカサで、身体はどんなサインを発している？Medical DOC監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

監修医師：
川島 峻（新宿アイランド内科クリニック）

「皮膚の円形のカサカサ」の症状で考えられる病気と対処法

お風呂上がりなどでふと体を見ると円形のカサカサがあるなどを経験したことはないでしょうか。この記事ではそんな皮膚の円形のカサカサについて紹介します。状況に応じて皮膚科を受診して相談するようにしてください。

皮膚の円形のカサカサの症状で考えられる原因と対処法

皮膚に円形のカサカサは、その部位の表皮に炎症に炎症が起こっていることを示しています。炎症がなく単に乾燥しているだけでもカサカサになりますが、体の一部の狭い範囲で乾燥しているという状態はあまり起こりません。

考えられる病気や原因は、カサカサ以外にかゆみや赤みなど、どんな症状があるかで変化します。原因によって治療も異なるため、円形のカサカサを見つけた場合は皮疹をよくみてカサカサ以外の特徴を探してみてください。

皮膚にかゆくない円形のカサカサがある症状で考えられる原因と対処法

皮膚にかゆくない円形のカサカサがある場合、一番考えられる病気は白癬です。白癬とは真菌（いわゆるカビ）の一種で足の水虫の原因となりますが、体にも感染します。見た目の特徴はカサカサとカサカサの周囲に環状の赤みを伴うことが多く、大きさは小さいものから大きいものまで様々です。

治療は抗真菌薬の外用になります。診断には皮膚科医による顕微鏡での検査が必要になるため、皮膚科を受診しましょう。また、受診前に抗真菌薬を使用してしまうとしっかり検査が行えなくなってしまうため、自己判断で薬を使用しないでください。

皮膚に赤い円形のカサカサがある症状で考えられる原因と対処法

皮膚に赤い円形のカサカサがある場合、考えられる病気はさまざまあります。一般的なものですと、貨幣状湿疹や接触皮膚炎、乾癬などがあります。

貨幣状湿疹

貨幣状湿疹はコイン状の形をした湿疹のことを指し、かゆみが強く出ることが多いです。治療はステロイド外用になりますが、強い炎症が起こっていることが多く綺麗に治るには少し時間を要することもあります。

接触皮膚炎

接触皮膚炎とはいわゆるかぶれのことです。丸い形のした貼り薬などを貼っていた場合などは円形の赤いカサカサとして症状が出現します。こちらも治療はステロイドの外用となりますが、原因を特定してそれを除去することがとても重要となります。

乾癬

乾癬とは自己免疫反応が起こり、皮膚のターンオーバーが過剰に早くなってしまうことで起こる病気です。肘の外側や膝の前側、お尻に比較的分厚い白いカサカサ（鱗屑）をつけた皮疹ができることが特徴です。治療はまずステロイドやビタミンDの外用を行います。それで効果がなければ飲み薬や紫外線療法、最近では注射薬などを使用する場合もあります。
乾癬は時に乾癬性関節炎を発症することがあります。これは早く治療しないと、関節の破壊が進み変形などを起こしてしまうため、乾癬の方で関節の痛みが生じた場合はなるべく早く病院を受診してください。
それ以外に固定薬疹という薬剤性のものや、膠原病に関連して出てくる皮疹もあります。いずれにせよ、一度皮膚科を受診してください。

皮膚に白い円形のカサカサがある症状で考えられる原因と対処法

皮膚に白い円形のカサカサがついている場合は、先ほどの乾癬や白色粃糠疹などを考えます。
乾癬は赤い円形のカサカサの項目でも出しましたが、症状が強く分厚い白いカサカサ（鱗屑）を伴っている場合は、皮膚の赤みが見えず白く見えることもあります。
白色粃糠疹は小児によくみられる病気で「はたけ」とも呼ばれます。これ以外にも強い炎症が表皮に起こった時などに白くカサカサした状態の皮膚になってしまうことがあります。

皮膚に茶色い円形のカサカサがある症状で考えられる原因と対処法

皮膚に茶色い円形のカサカサがある場合に最も考えられるのは、治りかけの湿疹を含めた炎症性皮膚疾患です。
炎症が活発にある時は赤く見えますが、炎症が落ち着いて皮膚が改善に向かうと皮膚は茶色く見えるようになります。今までのべた貨幣状湿疹や乾癬などほとんどの炎症性皮膚疾患でこのような経過をたどります。
また、茶色い円形のカサカサがありステロイド外用を行なっていても見た目に変化がない場合、Bowen病の可能性があります。Bowen病とは表皮内にとどまった皮膚癌であり外科的な切除が治療となります。すぐに転移をするというものではありませんが、放置しても治ることはないため皮膚科を受診してください。

子供の皮膚に円形のカサカサの症状で考えられる主な原因と対処法

子供の皮膚に円形のカサカサがある場合、考えられる病気は成人と同様の接触皮膚炎や白色粃糠疹があります。
白色粃糠疹は10代までの子供に多く、小学生ですと10人に1人から2人程度の確率で認めます。はっきりとした原因はわかっていませんがアトピー性皮膚炎のお子さんによくみられます。
顔の頬や口の周りに丸い形をしてフケのようなカサカサを伴った白みがあることが特徴です。ステロイド外用を用いることもありますが、数ヶ月単位で自然消退するため経過観察となることもあります。

すぐに病院へ行くべき「皮膚の円形のカサカサ」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

塗り薬を塗っても全く変化がない場合は、皮膚科へ

湿疹のように見えるが、ステロイドをしっかり塗っても見た目にほとんど変化がない場合、Bowen病や日光角化症などの皮膚癌の一種である可能性が高いです。診断には生検による病理検査が必要となるため、なるべく早く皮膚科を受診しましょう。

受診・予防の目安となる「皮膚の円形のカサカサ」があるときのセルフチェック法

• ・皮膚の円形のカサカサに加えて強いかゆみや赤みの症状がある場合
• ・皮膚の円形のカサカサがステロイドを塗っても変化がない場合
• ・皮膚の円形のカサカサに加えて膿が溜まっていたり辺縁の赤みがある場合

「皮膚の円形のカサカサ」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「皮膚の円形のカサカサ」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

貨幣状湿疹

コイン状の形をした湿疹のことを指します。比較的炎症が強く起こっていることが多いため、強めのステロイド外用が必要です。ステロイドをうまくコントロールするために皮膚科の医師からアドバイスを受けるようにしましょう。

体部白癬

足の水虫の原因となる白癬が体に感染して起こります。診断には検鏡による検査が必要です。ステロイドを塗布すると患部の皮膚が悪化し、抗真菌剤を使用すると検査できちんと診断がつかないため、可能なら何も外用せず皮膚科を受診してください。

乾癬

乾癬は皮膚のターンオーバーがとても短くなる（ターンオーバーが亢進する）ことで起こる病気です。円形の赤い皮疹に白いカサカサ（鱗屑）が付着していることが見た目の特徴です。よく勘違いされやすいのですが、他の人に感染はしない病気です。皮膚科で継続的な治療が必要になります。

「皮膚の円形のカサカサ」の正しい対処法は？

皮膚に円形のカサカサができる原因は様々です。真菌に対する薬も湿疹に対する薬も市販で売っていますが、誤って使用をしてしまうと悪化させてしまったり後々皮膚科を受診した際に正しい診断を行えなくなります。そのため、自己判断で薬の使用はなるべく控えて早めに皮膚科を受診しましょう。
かゆみが強い時はかきむしらずに冷やすなどしてください。かきむしると症状の悪化や、二次感染の原因となります。

まとめ

皮膚の円形のカサカサに関して紹介しました。放置すると色素沈着などが起こってしまいます。診断と治療のために一度皮膚科を受診してください。

「皮膚の円形のカサカサ」症状で考えられる病気

「皮膚の円形のカサカサ」から医師が考えられる病気は3個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

しっかりとした治療を要する必要のある病気が多く存在するため、セルフケアで改善しない場合には早めに受診して相談することをお勧めします。

「皮膚の円形のカサカサ」に似ている症状・関連する症状

「皮膚の円形のカサカサ」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

「皮膚の円形のカサカサ」症状の他にこれらの症状がある場合でも「貨幣状湿疹」「白癬」「乾癬」「固定薬疹」などの疾患の可能性が考えられます。強いかゆみや嚢胞がある場合や、ステロイドを塗っても全く変化がない場合には、早めに医療機関への受診を検討しましょう。