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「爪が白くなる」原因・考えられる病気はご存知ですか?医師が徹底解説!

「爪が白くなる」原因・考えられる病気はご存知ですか?医師が徹底解説!

爪が白くなるとき、身体はどんなサインを発している?Medical DOC監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

後藤 和哉

監修医師
後藤 和哉(医師)

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大分大学医学部卒業後、関西電力病院、京都大学医学部附属病院、研修医を経て京都大学医学研究科、天理よろづ相談所、皮膚科医。

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「爪が白くなる」症状で考えられる病気と対処法

爪が白くなる場合には、生理的なもの、局所の感染症、マニキュアなどの影響、乾燥などの他に背景に内科的な疾患が隠れている場合があります。各論でご紹介する爪甲剥離症という爪の先が浮いて白くなる状態では様々な基礎疾患の可能性があります。病院に受診した方がよい状態なのか知っておくために、可能性のある疾患について今回ご説明します。

爪を挟んだりぶつけた後白くなる症状で考えられる原因と対処法

このように爪を挟んだりぶつけるという外傷では爪が白くなることがあります。爪の先端が白くなったり、点状や線状に白くなったり、爪の根元をぶつけたりして傷ができると爪全体が白くなることがあります。
爪の成長とともに伸びて移動するため、繰り返しぶつけたりしないようにしながら様子を見ていただくことをお勧めします。特別治療の必要はありません。

爪が乾燥していて白くなる症状で考えられる原因と対処法

爪が乾燥していて白くなる場合というのは、爪の表面が先の方で薄く剥がれる爪甲層状分裂症(二枚爪)という状態が生じている可能性があります。
夏よりも空気の乾燥する冬にできやすく、爪の水分含量が低下し、爪先にあたる外力によって生じると考えられています。
水仕事をする方や、マニキュアでも除光液を使う頻度が高い方では、爪の水分が少なくなり、爪の表面が剥がれやすくなります。爪表面に保湿剤を1日数回外用して予防していただくことや、ゴム手袋やビニル手袋をして水仕事を行なうこと、マニキュアを使用される際は除光液の使用頻度を減らしていただくことで治療につながります。また、鉄欠乏性貧血になった場合もこのような症状になります。その場合は病院で血液検査を行い、診断の上で鉄剤の内服を行えば良くなります。

爪が白くなっていて痛い症状で考えられる原因と対処法

爪の下が膿んでいるような時には、爪が白く見えて痛みを伴うことがあります。「ひょう疽」といい、通常は、爪の周囲の皮下に細菌感染をおこし、赤みと痛みがあり次第に白い膿がたまる病気ですが、重症化すると爪の下まで進行して白くなる場合があります。ここまでひどくなるケースは稀ですが、このような場合はすみやかに皮膚科を受診されることをお勧めします。抗生剤や切開排膿により治療を行います。

爪の根元が白くなる症状で考えられる原因と対処法

爪の根元が白くなる症状の場合は爪白癬といった真菌感染症の可能性があります。爪白癬は足に多く発症しますが爪の先、横だけでなく爪の根元から感染が始まることがあります。足白癬から爪に広がることが多く、足白癬の診断治療も同時にされることをお勧めします。外用薬や内服薬で治療をします。お近くの皮膚科を受診されることをお勧めします。また、爪の根元に1-3mm程度の白斑が1~数個できて、爪が伸びるとともに爪先に移動し、途中で消えてしまうことがあります。これは子供や若い男女に見られることが多く、病気ではありませんので、受診の必要はありません。

爪の横が白くなる症状で考えられる原因と対処法

爪の横が白くなる場合には、爪白癬や爪カンジタといった真菌感染症の可能性があります。白癬菌やカンジタ菌といったカビによる感染症で感染した部分の角質が増えたり爪が浮いたりするため白くみえるようになります。足の爪のほうが頻度が高いですが、手の爪にできる場合もあります。
爪の白くなった部分の角質から真菌の有無を顕微鏡で調べます。真菌が陽性でしたら外用薬や内服薬で治療をします。
下記にも後述しておりますが、治療では副作用を生じる場合がありますので、必ず皮膚科を通院しながら治療されることをおすすめします。

マニキュアやネイルを塗りっぱなしにすると爪が白くなる症状で考えられる原因と対処法

除光液やジェルリムーバーにより、爪の水分が少なく乾燥して白くなることがあります。その他の薬液やマニキュアやネイルを除去する際の刺激により爪の表面が剥がれやすくなり白くなることがあります。
爪が白くなった場合はしばらくマニキュアやネイルをお休みして爪が生え変わるのを待っていただくこと、乾燥防止に爪表面に保湿剤を1日数回外用して予防していただくことをお勧めします。
明らかにマニキュアやネイルが原因であれば辞めるのが治療になりますので、病院を受診いただく必要はありません。ただ爪が白くなっただけではなく、爪の周囲が薬液でかぶれて痒いなどの症状も合併している場合は皮膚科を受診されることをお勧めします。

すぐに病院へ行くべき「爪が白くなる」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

爪が分厚くなり白く濁る症状の場合、爪が白くなるだけでなく周囲に痛みを伴う場合は皮膚科へ。爪がスプーンのように凹んで白っぽくなった場合は内科へ

爪が分厚くなり白く濁る場合、爪白癬や爪カンジタといった真菌感染症(水虫)の可能性があります。爪が白くなるだけでなく周囲に痛みを伴う場合は細菌感染症の可能性があります。これらの場合はお近くの皮膚科を受診されることをお勧めします。爪がスプーンのように凹んで白っぽくなった場合は、鉄欠乏性貧血の場合があります。この場合は内科を受診されることをお勧めします。ご自分で疑っている場合は貧血など内科的な問題が心配で受診した旨お伝えされると診療がスムーズだと思います。

受診・予防の目安となる「爪が白くなる」ときのセルフチェック法

  • ・爪が白くなる以外に分厚くなり白く濁る症状がある場合
  • ・爪が白くなる以外に周囲に痛みを伴う症状がある場合
  • ・爪が白くなる以外に周囲が赤く腫れる症状がある場合
  • ・爪が白くなる以外に爪がスプーンのように凹む症状がある場合

「爪が白くなる」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「爪が白くなる」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

爪甲剥離症

爪の先が爪床(爪の下の皮膚)から浮いて空間ができ、白く見える状態を爪甲剥離と呼びます。女性に多くみられます。原因は様々ありますが、多くは接触皮膚炎(かぶれ)や真菌(カビ)の一種であるカンジダが原因となります。また、尋常性乾癬、扁平苔癬といった病気や、爪の下に腫瘍ができる場合でも爪甲剥離がみられることがあります。まずは、真菌検査、培養検査を行なってカンジダかどうか確認します。カンジタが認められれば抗真菌薬の外用または内服治療を行いますが、カンジダが陰性だった場合で、接触皮膚炎、乾癬、扁平苔癬などを疑う場合には爪床にステロイドの外用治療を行うことがあります。また診断のために組織検査を行う場合があります。その他、内科的な原因があって生じる場合があります。内科的な原因には様々ありますが、代表的なものとして甲状腺機能異常、鉄欠乏性貧血、糖尿病、肺疾患が挙げられます。原因の治療によって爪の症状は回復します。爪甲剥離でお困りの際は、まずは皮膚科を受診されることをおすすめします。難治性の際は、内科でご相談いただく必要がある場合がございます。

爪白癬(爪水虫)

爪白癬は、特に足の爪にかかりやすい真菌(カビ)感染症です。
たいてい最初は、白癬菌というカビが皮膚に感染した足白癬の状態であることが多く、その皮膚から爪の中に入り込んで感染し、しだいに爪の下の角質が増えるため、爪はぶ厚くなり白く濁って見えるようになります。
診断は、爪の濁った部分の角質をけずって、顕微鏡で検査します。そこで白癬菌が見つかれば爪白癬と診断されます。
治療には塗り薬や飲み薬があります。塗り薬は人によってかぶれる場合があります。また、飲み薬も肝機能障害を起こす場合があり、他の薬剤との相性も見る必要がありますので、皮膚科に通院して治療されることをおすすめします。

鉄欠乏性貧血

貧血とは、赤血球の数が少ない状態をいいます。赤血球には、肺から酸素を運び、全身の組織に届けるヘモグロビンというタンパク質があります。赤血球数が減少すると、血液は組織に酸素を十分に供給されず、貧血の症状が現れます。貧血にはいくつも種類がありますが、鉄欠乏性貧血は、出血などによって赤血球の産生に必要な鉄の貯蔵量の不足や欠乏によって起こります。
軽度であれば自覚症状がないこともありますが、息切れやだるさを覚えたり、顔が青白くなったりすることがあります。採血検査で診断できます。原因となっている出血があれば止血につながる治療をします。鉄剤の内服を行なって鉄分を補います。鉄欠乏性貧血の場合の爪の変化には、匙状爪(spoon nail)といって特に手指の爪がスプーン状に凹んだ形になることや、蒼白爪という爪が白っぽい状態があります。爪ももろくなります。
貧血を疑った際には内科の受診をお勧めします。貧血の治療で爪の症状も改善します。

「爪が白くなる」ときの正しい対処法は?

爪の乾燥やマニキュアやネイルによるダメージで爪が白くなっている場合は、マニキュアやネイルの中止と爪への保湿剤の使用で様子をみてください。水仕事が多く爪が脆く乾燥する場合は、まず水仕事を減らす、ビニル手袋を使って水仕事をする、爪の保湿をするなどの工夫をしてみてください。
爪や周囲への感染症を疑う場合は、市販薬を使わずに皮膚科で診断と治療を受けることをお勧めします。その他貧血のような症状があるなど、内科的な疾患が心配な際は内科受診もご検討ください。爪はタンパク質でできています。バランスの良い食事、過度なダイエットで鉄分やタンパク質不足にならないようご注意ください。

「爪が白くなる」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「爪が白くなる」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

前より手の爪が白くなっているのは病気の可能性がありますか?

後藤 和哉 医師後藤 和哉 医師

生理的なものもありますが、大半は何らかの原因があります。爪への外的な刺激が原因の場合以外に、病気が隠れている可能性もあります。例えば、慢性の腎臓病や肝臓病があると、爪が半分以上白くなることがあります。明らかに白い部分が増えてきた場合は、原因精査をするためにも皮膚科を受診してください。

爪が白くなるのは何かの栄養が不足しているのでしょうか。

後藤 和哉 医師後藤 和哉 医師

鉄分が不足し、貧血になっている場合にも爪が白くなります。その際は同時に爪がスプーンのように凹むこともあります。

足の爪が白くなった気がします。水虫なのでしょうか?

後藤 和哉 医師後藤 和哉 医師

爪が分厚くなったり白濁して粉のようなものが出てくる場合は足白癬などの水虫の可能性があります。

爪が白くなっているときはネイルを控えて保湿した方が良いですか?

後藤 和哉 医師後藤 和哉 医師

原因によりますが、ネイルのダメージや乾燥で爪が白くなっている場合は、ネイルを控えて保湿をしてください。それで治らない場合は別の疾患の可能性もありますので、一度皮膚科を受診されることをお勧めします。

まとめ

爪が白くなる場合は、生理的なもの、マニキュアや外傷などの外的刺激から生じる場合もありますが、頻度的には白癬菌やカンジタ菌などによる真菌感染症が高いです。ですが、中には内科疾患や皮膚疾患により爪が白くなっている場合もありますので、爪が以前よりも白くなってきた場合はお近くの皮膚科で一度ご相談されることをお勧めします。

「爪が白くなる」症状で考えられる病気

「爪が白くなる」から医師が考えられる病気は11個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

皮膚科の病気

内科の病気

爪自体の病気には、白癬菌やカンジタ菌などによる真菌感染症がよく見られます。全身的な病気の一つとして爪の症状が出ている場合もあります。

「爪が白くなる」に似ている症状・関連する症状

「爪が白くなる」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

「爪が白くなる」症状の他にこれらの症状がある場合でも「爪白癬」「爪カンジタ症」「ひょう疽」「尋常性乾癬」「扁平苔癬」「接触皮膚炎」「爪の皮脂欠乏症(乾燥)」「甲状腺機能異常」「鉄欠乏性貧血」「糖尿病」「肺疾患」などの疾患の可能性が考えられます。爪が分厚くなり白く濁っていたり、周囲に痛みや腫れを伴っていたり、スプーンのように凹んでいる場合には、早めに医療機関への受診を検討しましょう。

この記事の監修医師