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「爪が割れる」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

細かな作業をしていたりスポーツをしていたりすると、爪が割れることがあります。

誰しもあり得ることなので、特に重大なことだと思わず見過ごすことは多いのではないでしょうか。

しかし、爪が割れるのは、実は病気によって起きている可能性があります。気づくのが遅れると、病気の悪化を招く恐れもあるでしょう。

そこで本記事では、爪が割れる原因と対処法についてご紹介します。代表的な病気・治療法・使える市販薬もご紹介しますので参考にしてください。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

爪が割れる症状別に考えられる原因と対処法

爪が割れる原因はさまざまなものがありますが、爪の割れ方や症状によって、原因が異なります。そして、原因が異なれば対処法もそれぞれ違うのです。

正しい対処ができるようになるためにも、ここでは爪が割れる症状別に考えられる原因と対処法をご紹介します。

縦に割れる原因と対処法

爪が縦に割れる場合、その原因には次のようなものが代表的です。

  • 家事や水仕事からの刺激
  • 除光液などによる乾燥
  • 栄養不足

家事や水仕事をしていると、指への刺激も多いため、物理的な接触で爪が割れることがあります。また、水仕事などで洗剤をよく使用する場合は、含まれる成分によって爪を乾燥させてしまう可能性があります。爪は乾燥しているともろくなる性質があり、その際に刺激が加わると縦割れを起こす可能性があるのです。乾燥を防ぐために手袋をして水仕事をする方法や、手に優しい洗剤への交換、作業後の保湿などが対処法となります。また、マニキュアを取り除く際に用いる除光液も爪を乾燥させる原因です。マニキュアに含まれるアセトンと呼ばれる成分が、爪の水分を奪い取る性質をもっています。マニキュアを塗る機会の多い方であれば、除光液を使用する頻度も多いため、爪が乾燥しやすい状態になっているのです。もろくなって縦割れを起こす可能性が高まってしまうでしょう。除光液による乾燥の対処法としては、定期的にマニキュアをしない日を作って休ませることが大切です。その際には、爪のケアとして保湿やネイルケア用の薬剤の塗布をすることも、効果に期待できるでしょう。爪の栄養不足によっても、縦割れが起きることがあります。例えば過剰なダイエットをしている場合、爪に必要なたんぱく質であるケラチンが少なくなってしまいます。十分な栄養が届かなければ、爪ももろくなってしまい縦割れを起こしてしまう可能性があるのです。爪に必要なたんぱく質を補給するため、鶏のささみ肉やむね肉・卵・大豆製品・青魚等を積極的に摂取しましょう。また、割れた爪はすぐには治りません。そのため、さらなる割れを防止するために保護を行うことも重要です。

横に割れる・横線が入る原因と対処法

爪は縦だけでなく、横に割れたり横線が入ったりすることがあります。その際の原因としては、次のようなものが代表的です。

  • 栄養不足
  • 爪の成長が妨げられている
  • 爪を噛むなどの外傷

縦に割れた時と同様に、栄養不足の状態になることで、横割れが起きることがあります。爪がもろい状態の際に、物理的な刺激によって横に割れてしまう可能性があるのです。この場合は、先述した通り栄養が補給できる食物を積極的に摂取しましょう。そして、割れの悪化を防ぐために爪を保護しておきましょう。また、爪の成長が妨げられている場合には、横線が入ることがあります。具体的な原因はわかりませんが、爪母に何かしらのトラブルが発生することで、爪が上手く成長しないことがあるのです。横線が入っている際には、横線の幅が障害を生じた期間、横線の深さが障害の強さを表しているといわれています。対処法としては、成長を妨げる原因によって異なります。外部からの刺激によるものであれば、刺激をなくすようにする必要があるでしょう。成長を阻害する原因を追求して、それに応じて対処していきます。爪を噛むなどの外傷でも横線が入ることがあります。しかし、外傷によって生じる横線の場合は、外傷を受けた爪のみに発生し他の爪には生じません。もし、全ての爪に横線が入っているようであれば、感染症や糖尿病などの病気が原因となっている可能性が考えられます。対処法としては、爪を噛むような癖をまず治すことが大切です。感染症や糖尿病によって生じているのであれば、感染症の治療や体質の改善を行って対処します。

爪が先端から割れる・欠ける原因と対処法

爪が先端から割れる場合や欠ける場合の原因としては、次のようなものが考えられます。

  • 除光液などによる乾燥
  • 外傷
  • 爪切りの使い方

先述したように、著しい乾燥を招くと爪がもろくなるため、先端から割れたり欠けたりする可能性があるのです。頻繁にマニキュアを塗る方であれば、爪を休ませる期間を作ったり、保湿剤を使用したりして乾燥を防ぎましょう。洗剤などによって乾燥が起きているようであれば、洗剤の交換も行うと良いでしょう。また、さまざまな外傷によっても、爪の先端が割れたり欠けたりすることがあります。気づかないうちに、ぶつけて割れてしまっているケースがあり、そこから割れが広がっていくこともあります。対処法としては、物理的な接触をしないように注意することと、こまめに爪を切ることです。爪が短い状態であれば、物理的な接触があった際にも割れにくくなるでしょう。爪切りの使い方でも、爪が欠ける原因となることがあります。普段から爪をつまむようにして切っている場合、爪のコンディション次第で欠けることがあります。その際は、少しずつ爪の端から切るようにしましょう。また、お風呂に入った後などの爪が柔らかくなっているタイミングで切るようにすれば、切りやすく長さも調整しやすいです。
 

爪が割れる症状の代表的な病気

さまざまな爪が割れるケースの原因と対処法をご紹介しましたが、爪の割れは病気によって引き起こされていることもあります。早急に治療をしたほうが良い病気もあるため、あらかじめ把握しておくことは大切です。ここでは、爪が割れる症状の代表的な病気をご紹介します。

爪甲縦裂症

爪甲縦裂症は、爪が縦に割れてしまう病気です。爪の先端のみ割れている場合もあれば、爪の根元まで割れる場合もあります。明確な発症のメカニズムは解明されていませんが、原因としては次のようなものが考えられています。

  • 乾燥
  • 栄養不足
  • 繰り返し外力が加わる

乾燥は、水仕事やマニキュアなどによって引き起こされるものです。爪の水分が失われることでもろくなっていくことが考えられます。また、栄養不足も原因として考えられます。授乳している方や加齢によっても、栄養不足に陥ることがあるため、注意が必要です。微小な力でも、繰り返し外力が加わるようなことがあれば、次第に縦割れが進む可能性があります。最初は小さな割れですが、大きく割れると強い痛みを伴うことがあります。また、大きく割れると細菌感染を起こす可能性もあるため、早期治療が必要となるでしょう。

爪甲横溝

爪甲横溝とは、爪の横方向に溝ができたり割れたりする病気です。原因としては、次のようなものが考えられます。

  • 外傷
  • 感染症などの病気

どこかにぶつけるなど、外傷を受けた際に爪の成長に影響が出ることがあり、爪甲横溝になる可能性があります。また、感染症・糖尿病・亜鉛欠乏症などの病気によって、一時的に爪の成長が妨げられることもあるのです。爪を横断するような形で溝ができますが、ひどい場合には爪が横に割れることがあります。強い痛みを伴うことがあるでしょう。

爪甲剥離症

爪甲剥離症は、爪が先端から剥がれて根元に向かって浮かび上がる病気です。先端から剥がれて次第にもろくなっていくので、爪が割れやすくなり、剥がれている部分は白く変色していきます。原因は多岐にわたるとされており、マニキュアなどによる乾燥・刺激・感染症・乾癬・薬の副作用などが挙げられます。紫外線が影響していることもあるため、遮光も大切です。また、病気によっても生じると考えられており、カンジダ感染・ネフローゼ症候群・糖尿病・甲状腺機能異常などが原因となるケースもあります。

爪が割れた場合の治療法

爪が割れることは、病気などさまざまな原因でおこることをご紹介しましたが、実際に割れてしまった場合にはどのように治療を進めれば良いのでしょうか。放置していては割れが進んで痛みが増してしまうかもしれません。そのようなことにならないためにも、爪が割れた場合の治療法をご紹介します。

栄養を摂る

治療法として、まずは栄養を摂りましょう。十分な栄養を摂取して、丈夫な爪を育てることが必要です。爪に必要な栄養としては、たんぱく質以外にもカルシウム・ビタミンA・ビタミンB・ビタミンD・マグネシウムなどが挙げられます。栄養バランスの良い食事を意識して、これらの栄養を摂取しましょう。そうすることで、これから生えてくる爪が丈夫になる可能性が高まります。

保湿する

丈夫な爪を育てても、頻繁に乾燥させるようなことがあっては、爪の割れが再び生じてしまうでしょう。そのため、保湿することも大切です。爪の保湿ケア商品も沢山あります。それらを使用して、定期的に潤いを保つように対策しましょう。例えば、保湿オイルケアや保湿クリームなどが代表的です。尿素を配合したクリームなども、症状改善につながるでしょう。

爪が割れる症状で使える市販薬

爪が割れる症状で使える市販薬もご紹介します。市販薬には大きく分けて3種類あります。

  • 栄養バランスの改善を重視したタイプ
  • 保湿を重視したタイプ
  • 保護を重視したタイプ

栄養バランスの改善を重視したタイプとしては、ハイチオールBクリアやビタミネンゴールドなどが代表的です。爪の治療用の薬ではありませんが、不足しがちな栄養を補給して爪割れの改善に役立つ可能性があるでしょう。保湿重視のタイプとしては、ヒルマイルドクリームやビーソフテンクリームなどが挙げられます。こちらも本来は爪に用いるための薬ではありませんが、爪の保湿に効果を発揮する可能性があります。保護を重視したタイプであれば、コロスキンやサカムケアなどが代表的です。爪保護のための薬ではありませんが、液体で膜を作って割れた部分を保護してくれます。

まとめ

爪の割れは、縦に割れたり横に割れたりとさまざまなタイプがあります。何でもない割れだと思われがちですが、病気によって発症しているケースもあるため注意が必要です。

また、大きな割れの場合には強い痛みを伴うこともあります。些細な割れだと侮らず、薬による治療や食事面などを改善して、丈夫な爪を作っていきましょう。

爪の割れが治りにくい場合や、すこしでも異変を感じて不安な方は、専門の医療機関に相談して治療を進めましょう。

この記事の監修医師

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