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「あくびをすると耳がバリバリ鳴る」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

「あくびをすると耳がバリバリ鳴る」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

あくびをすると耳がバリバリ鳴るとき、身体はどんなサインを発している?Medical DOC監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

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大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

「あくびをすると耳がバリバリ鳴る」症状で考えられる病気と対処法

これまでにあくびをすると耳がバリバリ鳴ったことはありませんか。
今回は、あくびをした時に耳がバリバリ鳴る原因、そのような症状を起こした際に考えられる病気とその対処法を中心に解説していきます。

あくびをすると耳がバリバリ鳴る症状で考えられる原因と対処法

あくびをすると耳がバリバリ鳴る症状で考えられる原因疾患として、「耳管開放症」が挙げられます。
耳管開放症は、急性中耳炎の後遺症や、吹奏楽器の演奏後に発症することもありますが、原因が分からないことも多いです。
耳管開放症では、常に耳管が開いている状態のため、自分自身の声や呼吸音、心臓の音などが、開放された耳管を介して大きな音として感じられるようになります。また、めまいや難聴などの症状を認めることもあります。耳管開放症に伴う症状は、下を向くことで緩和することも特徴的です。
下を向くと耳管の周囲に血液が滞ることになり、それに付随して耳管も狭くなり開放感が軽減されることで症状が緩和すると考えられています。
保存的な治療として、点鼻薬や漢方薬などがありますし、鼓膜の振動を緩和させることを目的に鼓膜にテープを貼付する治療も有効的とされています。
症状などについて相談したい時には、耳鼻咽喉科など専門医療機関を受診しましょう。

あくびをすると耳がバリバリ鳴って痛い症状で考えられる原因と対処法

あくびをすると耳がバリバリ鳴って痛い症状で考えられる原因疾患として、「急性中耳炎」が挙げられます。
急性中耳炎とは、鼓膜より内側の中耳腔(ちゅうじくう)という部位で起こる感染症です。細菌やウイルスが喉の奥と中耳腔を交通する耳管を介して感染して発症します。
急性中耳炎を発症すると、耳が痛くなり、耳閉感や発熱が起こることもあります。
一般的に、耳痛や発熱などの急性症状出現後48時間以内に受診した場合は、急性中耳炎と診断されます。
耳の痛みや発熱に対しては、解熱鎮痛薬で症状を和らげることが期待できます。症状が軽い場合は自然に回復することも多いため、3日間程度は抗菌薬を使用せずに様子をみることもありますが、症状が続いたり悪化したりすれば耳鼻咽喉科など医療機関を受診しましょう。

すぐに病院へ行くべき「あくびをすると耳がバリバリ鳴る」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

突然音が聞こえなくなる症状もある場合は、耳鼻咽喉科へ

突発性難聴とは、ある日の朝に目が覚めると急に耳が聞こえにくいと自覚するなど突然に発症する難聴の病気で、原因がはっきりわからないものと言われています。
突発性難聴を発症した場合には、症状が出現してから1週間以内に治療を開始することが重要であり、よく行われる治療策としてはステロイドホルモン剤やビタミンB12製剤の投与です。
通常の治療期間は1週間から10日前後であり、3日間隔で高濃度から徐々に投与量を減らしていくのが一般的ですし、同時に糖尿病などの疾患の有無について血液検査などを実施して評価することもあります。
心配であれば、早急に耳鼻咽喉科など専門医療機関を受診しましょう。

受診・予防の目安となる「あくびをすると耳がバリバリ鳴る」ときのセルフチェック法

  • ・あくびをすると耳がバリバリ鳴る以外に聞こえない症状がある場合
  • ・あくびをすると耳がバリバリ鳴る以外にめまい症状がある場合
  • ・あくびをすると耳がバリバリ鳴る以外に耳の痛み症状がある場合

「あくびをすると耳がバリバリ鳴る」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「あくびをすると耳がバリバリ鳴る」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

耳管開放症

耳管開放症とは、中耳と鼻の奥にある咽頭を交通する耳管が常に開放する状態になるために、自分の声が響いて耳がふさがった症状が出現する病気です。
耳管開放症では、症状発現に先行して急激な体重減少を経験していることが多く、主にダイエットやストレス、心・腎疾患、消化管手術などによって急激に体重が減少すると、耳管周囲の脂肪組織も減少することで常に耳管が開いている状態になってしまうと考えられています。
耳管開放症はストレスや生活習慣が発症原因になることがあるため、誘因となっている状況を改善することが重要です。
心配であれば、耳鼻咽喉科など専門医療機関を受診しましょう。

「あくびをすると耳がバリバリ鳴る」ときの正しい対処法は?

あくびをすると耳がバリバリ鳴る症状のひとつの落ち着かせ方として、日々の耳の手入れがあります。
通常、耳の周りは洗いにくいので、お手入れ不足になりやすい傾向があります。
特に耳の後ろは皮脂腺や汗腺が多く、普段から意識してお手入れしておかないと分泌された皮脂や汗が皮膚に残り細菌が繁殖して炎症を引き起こすことで、あくびをすると耳がバリバリ鳴る症状を来す場合があります。
急性中耳炎の痛みに対しては、ロキソニンsプレミアム、イブA錠、バファリンAなど飲み薬の解熱鎮痛剤を投与します。
中等症以上で細菌の感染が明らかな場合は飲み薬の抗生物質を投与しますし、重症例では鼓膜切開をして溜まっている膿を吸い出す場合があります。
鼓膜には麻酔をかけるので、ほとんど痛みはありませんし、鼓膜の傷は通常数日単位でふさがります。
鼓膜切開後や耳漏が出ている際は差し薬の点耳薬が出る場合があります。
耳管開放症に対する手術的な治療として、鼓膜を切開して鼓膜側の耳管から耳管を狭くするためのシリコン製の耳管ピンを挿入する手術、あるいは咽頭側の耳管から自分の脂肪組織を挿入する手術も検討されますので、専門治療を行っている施設に相談しましょう。
また、突発性難聴では、これまで健康的で特に耳の病気を経験したことのない人々が、突然に耳が聞こえなくなる難聴症状が認められて、それに付随する形で耳鳴りやめまいを併発して合併することがあります。
難聴症状については、通常であれば左右いずれか片側のみに認められて、再発することはほとんどなく、難聴症状を発症してから治療を開始するまでの間に難聴症状の重症度が大きく変動することはありません。
初期治療で改善がみられない際には、プロスタグランジン薬などの血管拡張剤を投与、あるいは高圧酸素療法、ステロイドホルモン剤の鼓室内投与、星状神経節ブロックなどの追加治療が検討されることも想定されています。
耳の症状を早く治したい時や応急処置をしても症状が収まらない場合は、症状をいつまでも放置していると病気を繰り返す、あるいは悪化すると難聴などの症状が出現する原因になります。速やかに耳鼻咽喉科など専門医療機関で治療を受けることが望まれます。

「あくびをすると耳がバリバリ鳴る」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「あくびをすると耳がバリバリ鳴る」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

唾を飲んだり欠伸をすると耳からバリバリ音がするのは病気ですか?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

唾を飲んだりあくびをすると耳からバリバリ音がする場合には、耳管開放症や急性中耳炎などの病気が潜んでいる可能性があります。心配であれば、耳鼻咽喉科など専門医療機関を受診しましょう。

あくびをすると耳がバリバリ鳴るのですが耳垢が溜まっているのでしょうか?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

あくびをすると耳がバリバリ鳴る際には、耳垢が溜まっている可能性が否定できません。特に、耳掃除で耳垢を奥に押しやってしまった、水が入って耳垢が膨らんでしまった場合に、外耳道を塞いでしまう「耳垢栓塞」という場合には、難聴や耳閉感などの症状をきたしますので、耳鼻咽喉科を受診して専用器具を用いて、取り除いてもらいましょう。

飛行機に乗った時、あくびをすると耳がバリバリ鳴るのは問題ないですか?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

飛行機に乗った時に、あくびをすると耳がバリバリ鳴る場合には、航空性中耳炎を疑います。航空機では、離着陸時の急激な気圧の変化が起こるため、耳管が閉じたままになり、鼓膜の内側と外側で圧力の差が生じて耳が痛くなることがあります。ほとんどの場合は、水を飲む、アメなどをなめる、またはあくびをすることで症状が改善されます。

あくびをすると耳がバリバリ鳴るのは自然と治りますか?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

あくびをすると耳がバリバリ鳴る場合には、セルフケアや市販薬服用などで多くの場合には自然と症状が改善しますが、万が一症状が長引く際には耳鼻咽喉科など専門医療機関を受診して相談しましょう。

まとめ あくびをすると耳がバリバリ鳴るのは耳管開放症や急性中耳炎の可能性あり

あくびをすると耳がバリバリ鳴る際には、急性中耳炎や耳管開放症、耳垢栓塞、航空性中耳炎など様々な病気が潜んでいる可能性が考えられます。
自然と治る場合もありますが、症状を放置すれば状態が悪化する可能性もありますので、セルフケアを実践しながら適切なタイミングで耳鼻咽喉科など専門医療機関を受診して、確実に診断や治療に繋げられるように認識しておきましょう。
今回の情報が参考になれば幸いです。

「あくびをすると耳がバリバリ鳴る」症状で考えられる病気

「あくびをすると耳がバリバリ鳴る」から医師が考えられる病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

耳鼻咽喉科の病気

自然に治ることもある症状ですが、医療機関で専門的な治療が必要な場合もあるので、改善しない場合にはまず耳鼻咽喉科を受診しましょう。

「あくびをすると耳がバリバリ鳴る」に似ている症状・関連する症状

「あくびをすると耳がバリバリ鳴る」と関連している、似ている症状は9個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

「あくびをすると耳がバリバリ鳴る」症状以外に、これらの症状を認める際には「耳管開放症」「急性中耳炎」「航空性中耳炎」「耳垢栓塞」「突発性難聴」などの可能性があります。
聞こえづらさやめまい、耳の痛みがある場合は、なるべく早く医療機関へ受診することをおすすめします。

この記事の監修医師