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足の指がつる原因は何?病気の可能性は?医師が徹底解説!

足の指がつるとき、身体はどんなサインを発信しているのでしょうか?
ここではMedicalDoc監修医が足の指がつる症状で考えられる原因や病気の可能性、何科を受診すべきかなどを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

村上 友太 医師

監修医師
村上 友太 医師(東京予防クリニック)

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医師、医学博士。福島県立医科大学医学部卒業。福島県立医科大学脳神経外科学講座助教として基礎・臨床研究、教育、臨床業務に従事した経験がある。現在、東京予防クリニック院長として内科疾患や脳神経疾患、予防医療を中心に診療している。
脳神経外科専門医、脳卒中専門医、神経内視鏡技術認定医。日本認知症学会、抗加齢医学会、日本内科学会などの各会員。

「足の指がつる」症状で考えられる病気と対処法

これまで、ふくらはぎや足・足の指がつった経験はあるでしょう。運動不足で急に走ったときになることもありますし、運動の習慣はあっても夏暑いときの運動で足がつることもあります。夜寝ているときに足がつるという方もいると思います。足がつる原因や対処法について解説していきます。

頻繁に足の指がつってしまう、足の指がつって痛い症状の原因と治し方

足の指がよくつってしまうことや、つって痛みが生じてしまうことがあります。
このような場合には、筋肉の疲労、電解質バランスの異常、冷えなどの影響が考えられます。
普段使わない筋肉を使うことや、普段より運動強度が強くなった際に筋肉の疲労が起こります。
疲労時には筋肉に乳酸がたまることで、筋肉の伸び縮みをさせるバランスをとる腱から脳への指令が働かず、筋肉が収縮することで「つる」という現象が起こります。こむら返りとも言います。とくに、高齢者では慢性的な運動不足になっており、少しの筋肉への負荷でも症状が出ることがあります。高齢者の50%以上が夜間にこむら返りを経験しているとの報告があります。
また、夏場など大量に発汗して脱水になっていたり、体の中の電解質(ミネラル)のバランスが狂うと、足がつりやすくなります。筋肉の収縮にはカリウムやカルシウム、マグネシウムなどのミネラルによって調整されています。カルシウムとカリウムは、筋肉の収縮や神経の伝達をスムーズにする働きがあり、この2つのミネラルを調整しているのがマグネシウムです。このような場合にはスポーツドリンクが推奨されますが、普通の水と異なり、体内にある水分に近いミネラルのバランスで作られている製品だからです。真水をたくさん飲んでもミネラルの補正はされないためおすすめできません。他にも、偏食や常用している薬剤の影響でも電解質に異常が起きる場合があります。
さらに、冷えることも足がつる誘因になります。冷房が効きすぎた寒いところや冬場など、筋肉が凝り固まった状態になりやすいときは注意が必要になります。
激しい運動をしたときには、運動前にストレッチを念入りに行う、こまめにミネラルの含まれた水分補給を行うなどの対処でよいでしょう。
しかし、普段から頻繁に足がつる場合は、慢性的な栄養不足や、内服している薬剤によるミネラルバランスの異常などが考えられます。また、ミネラルのバランスを崩すような腎不全、副腎不全、甲状腺機能異常などの病気が隠れている可能性もあります。一度は内科を受診することをお勧めします。

足の指を丸めたり曲げるとつる症状の原因と治し方

足の指を丸める動きや曲げる動きによって、つってしまうことがあります。
このような場合、普段から足の指に力が入ってしまっている可能性があります。足の指のつる症状を治すためには、つっている足や足の指をゆっくりのばすようにすると良いでしょう。つる症状は、長くても数分でおさまることが多いので焦らずゆっくり伸ばしましょう。

すぐに病院へ行くべき「足の指がつる」症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

全身の筋肉のけいれんがある場合は、救急科へ

足や足の指だけでなく、全身の筋肉のけいれんがあるような場合には、てんかん発作の可能性があります。また、けいれんに加えて高熱があり、意識状態がもうろうとしている場合は重症の熱中症が疑われます。すぐに救急車を呼んで病院を受診しましょう。

「足の指がつる」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「足の指がつる」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

腎不全(しんふぜん)

腎臓は、血液をろ過して尿を作り、老廃物や余分な水分、酸・電解質を体の外に排泄する臓器です。腎不全は、この腎臓の機能が低下しているため、体内の電解質バランスに異常をきたしやすい状態です。電解質バランスの乱れは、つる症状を起こすきっかけになるため、普段から足の指がつる症状がある際には、早めに内科を受診して検査を受けた方が良いでしょう。

「足の指がつる」症状を和らげるストレッチ・ツボを紹介!

足の指がつってしまった時には、とにかく収縮して曲がってしまっている方向と逆方向にゆっくり伸ばしてみましょう。
ふくらはぎがつったときは、つま先を体側に向けるように伸ばしていきます。この際タオルを足底に引っかけて伸ばしてもいいでしょう。

「足の指がつる」なときに使用しても良い市販薬・漢方は?

足の指がつる症状が軽いうちは、市販薬も効果があるでしょう。例えば、コムレケアには漢方の芍薬・甘草が含まれています。カルシウムとカリウムのバランスを改善し、筋肉の過剰収縮を抑えます。芍薬甘草湯は病院で処方を受けることもできますが、ずっと飲んでいると低カリウム血症といってバランスを崩すことがあるので注意が必要です。すでにカリウムが低い方やアルドステロン症のある方は内服しないほうがいいでしょう。
足のつり予防を目的とした市販薬をたまに使うことはよいのですが、効果が見られない場合には医療機関で相談してください。

「足の指がつる」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「足の指がつる」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

足の指がつって変な方向に曲がってしまうときの対処法はありますか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

あります。
つってしまった指を焦らずゆっくりと伸ばすようにしましょう。多くの場合は長くても数分間でおさまります。

足の指がつる症状と冷えは関係がありますか?

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

あります。冷えは足のつりの誘因の一つです。冷えていると筋肉が凝り固まって、つる症状が出やすくなります。

足の指の付け根が頻繁につる場合、何科に相談したら良いでしょうか。

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

まずは内科に相談しましょう。一般の内科でも最初から代謝内科に相談しても良いですが、後者はあまり数が多くないので、普通の一般内科にかかりましょう。

まとめ

足の指がつる、とひとくちに言っても、どんな場面でどのような頻度で起こるのかということで考えられる原因が異なることがお分かりいただけたかと思います。大事なことは日ごろから水分は多めに摂って、寒暖差がなるべくないように心がけ、適度な運動の習慣をつけ、激しい運動をする際にはしっかりと準備運動をしてミネラル入りの水分補給をおこたらないことです。また、頻繁に足がつるような場合には、早めに内科を受診することが大切です。

「足の指がつる」で考えられる病気と特徴

「足の指がつる」から医師が考えられる病気は12個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedicalDOCの解説記事をご覧ください。

内分泌系・神経系の病気

血管の病気

  • 閉塞性動脈硬化症/バージャー病

代謝異常や内分泌の病気、神経系の病気など原因はさまざまあります。

「足の指がつる」と関連のある症状

「足の指がつる」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについては詳細はリンクからMedicalDOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 足の指を丸めるとつる・痛い
  • 足がむくむ
  • 足がしびれる
  • 足の指が痛い
  • ふくらはぎがつる

「足の指がつる」の症状の他に、これらの症状がある場合も、「腎不全」「副腎不全」「甲状腺機能異常症」「てんかん」「副鼻腔炎」「胃腸炎」などの疾患の可能性が考えられます。
足の指がつる場合や、他に症状が併発している場合は、なるべく早く医療機関への受診をおすすめします。

【参考文献】

■定月亮ら. こむら返り. Orthopaedics 28(5):83-90, 2015

この記事の監修医師

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