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「生理が始まったと思ったら止まった」のは何が原因?中高生の場合も医師が解説!

「生理が始まったと思ったら止まった」のは何が原因?中高生の場合も医師が解説!

生理が始まったと思ったら止まったとき、身体はどんなサインを発している?Medical DOC監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

中川 龍太郎

監修医師
中川 龍太郎(医療法人資生会 医員)

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奈良県立医科大学卒業。臨床研修を経て、医療法人やわらぎ会、医療法人資生会南川医院に勤務。生活習慣病や肥満治療、予防医学、ヘルスメンテナンスに注力すると同時に、訪問診療にも従事している。日本プライマリ・ケア連合学会、日本在宅医療連合学会、日本旅行医学会の各会員。オンライン診療研修受講。

「生理が始まったと思ったら止まった」症状で考えられる病気と対処法

生理が始まったと思ったら止まる、いわゆる月経不順に悩まされたことはありませんか。生理は極めて緻密なホルモンバランスの移行によって成り立っており、様々な要因でその周期は影響を受けます。以下で詳しく解説していきます。

生理が始まったと思ったら止まった症状で考えられる原因と対処法

生理が始まったと思ったら止まった症状の場合、妊娠の可能性が考えられます。生理が始まったと思われる出血が、実際は着床出血(受精卵が子宮壁に着床する際に起こる出血)であるというケースです。
対処法としてはまず妊娠の有無を明確にしておく必要があります。市販の妊娠検査キットを用いて調べたり、産婦人科を受診して検査しましょう。
市販の妊娠検査キットを用いる時期は、次回の生理予定日を過ぎてから検査することが推奨されますが、生理と思われる出血が出たり止まったりしていると生理予定日もはっきりしない状況になりかねません。このような場合は一度産婦人科での詳細な検査をお勧めします。緊急性はありませんので日中に産婦人科を受診しましょう。

中学生や高校生で生理が始まったと思ったら止まった症状で考えられる原因と対処法

中学生や高校生で生理が始まったと思ったら止まる、という不安定な生理周期の場合、ホルモンバランスの乱れが考えられます。中高生で初潮後の場合は、最初の数年間は女性ホルモンバランスが安定せず、周期が不規則になったり、出血が始まった後すぐに止まることもあります。また中高生は日常生活の中で大きなストレスや睡眠不足、過度なダイエット、運動不足や逆に過度な運動などを行なっている場合が多いです。このようなライフスタイルもホルモンバランスを乱し、生理のパターンに影響を与えることがあります。
対処法は、まずは自分の生活習慣を見直すことです。特に睡眠時間の確保、バランスの良い食事、適度な運動は非常に重要です。また、ストレスを感じている場合は、友人や家族、学校のカウンセラーなど信頼できる人に話すなどして、ストレスを適切に管理することも大切です。
ただし、これらの対応を行なっても生理が3ヶ月以上来ない場合や、生理のパターンが何度も不規則になる場合は、医療機関を受診することを勧めます。専門科は産婦人科です。緊急性はありませんので日中に受診してください。

更年期で生理が始まったと思ったら止まった症状で考えられる原因と対処法

更年期で生理が始まったと思ったら止まる場合、原因として更年期障害が挙げられます。更年期障害は、40代後半から50代にかけて女性ホルモンの分泌量が低下することでホルモンバランスが変動する病気です。このホルモンバランスの乱れで不規則な生理になるほか、息苦しさや疲労感、ほてり、発汗、動悸、情緒の不安定さ、抑うつ気分(涙もろい、食欲低下)といった多彩な症状も見られます。
更年期障害からくる月経不順は、加齢に伴っていずれは起こるものであり、 “女性ホルモンを補充する”ことに焦点を当てて治療することが多いです。
主な診療科は婦人科や心療内科です。治療はホルモン補充療法や漢方薬、向精神薬、カウンセリング心理療法などが行われます。緊急性はありませんので日中に受診しましょう。

すぐに病院へ行くべき「生理が始まったと思ったら止まった」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

腹痛を伴う場合は、産婦人科へ

生理が始まったと思ったら止まり、さらに急激な腹痛を伴う場合、異所性妊娠の可能性が考えられます。異所性妊娠とは、受精卵が子宮内膜以外の場所に着床することをいいます。着床部位によって様々に分類されますが、最も頻度の高いものは卵管妊娠です(異所性妊娠の約95%)。不正出血が起こることも多いため、生理と勘違いしてしまう人もいる疾患です。卵管の組織は非常に弱いため、妊娠の進行で卵管が破裂してしまい、お腹の中で大量出血を起こしてしまう病気です。
あまりの出血量に命を落とすこともある疾患ですので、もし生理不順に腹痛も伴った場合は早急に受診する必要があります。専門科は産婦人科ですが、もし激しい腹痛が夜間休日に起きた場合は、救命救急センターへの受診も検討してください。

受診・予防の目安となる「生理が始まったと思ったら止まった」ときのセルフチェック法

  • 生理が始まったと思ったら止まった以外に異常な痩せ症状がある場合
  • 生理が始まったと思ったら止まった以外に動悸症状がある場合
  • 生理が始まったと思ったら止まった以外に腹痛症状がある場合

「生理が始まったと思ったら止まった」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「生理が始まったと思ったら止まった」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

妊娠

妊娠は、子宮内膜に受精卵が着床する正常妊娠と、子宮内膜以外に着床する異所性妊娠があります。異所性妊娠は先述のとおり、卵管への着床が圧倒的に多いです。また着床した部位がどこであれ、妊娠に伴って不正出血がみられることは珍しくありません。そのため生理が始まったり止まったりしているように見られます。
ご自身で出来る対処法としては、まず妊娠検査薬で妊娠の有無を調べることです。今は市販のものがドラッグストアで購入できますので、これらを活用しましょう。妊娠反応陽性が出たら、産婦人科受診を行なってください。これは安全な出産へ繋げていくために、そして異所性妊娠でないか確認するためにも必要です。
緊急性はありませんが、早めの日程で受診することを勧めます。

膣炎

膣炎とはその名の通り、膣に炎症が起きた状態です。主な膣炎の原因は細菌性膣症、膣トリコモナス、性器カンジダ症があり、膣トリコモナスでは血性の帯下(おりもの)が見られることがあります。主な症状としては出血の他に、かゆみや発赤、灼熱感(焼けるような感覚)、痛み(排尿時痛や性交痛)などがあります。
治療法は、原因微生物に合わせて適切な抗菌薬などを内服することです。自然に治るものではないので、早めに病院を受診してください。専門科は産婦人科です。緊急性はありませんが、放置しておくと子宮頸管炎や骨盤内炎症性疾患といった、より感染が拡大した病気へと進行するため、早期の受診を勧めます。

子宮筋腫

子宮筋腫は、子宮の筋肉組織が異常に増殖し、塊を形成する良性腫瘍です。一つだけ出現することもあれば、複数個出現することもあり、その大きさも豆粒程度から大きなものではメロン程度にまで成長することもあります。
子宮筋腫の最も一般的な症状の一つが不正性器出血です。これには、生理周期が短くなる、生理が長引く、あるいは生理以外の時期に出血する、などが含まれます。これは子宮筋腫が子宮内膜を刺激し、正常な月経周期を乱すためです。
また、巨大な子宮筋腫は子宮の形状を変えることがあり、これが子宮内膜の不規則な脱落を引き起こし、出血につながる可能性があります。その結果、生理の量が増えたり、生理以外の出血が見られることもあります。
このような不正出血がある場合は、子宮筋腫が原因かどうかを確認するために、詳細な診察が必要です。超音波検査やMRI検査などが用いられ、治療法としては薬物療法、手術、子宮動脈塞栓術などがあります。
受診すべき診療科は産婦人科です。緊急性はありませんが、出血量が増えてふらつきなどの症状を自覚するようであれば、急いで受診することをお勧めします。

「生理が始まったと思ったら止まった」ときの正しい対処法は?

不規則な生活習慣はホルモンバランスの乱れにつながり、月経不順を引き起こします。まずは十分な睡眠の確保、バランスの取れた食事、適度な運動を行い、ストレスを溜めすぎないようにしましょう。
ただし、これらの対応を行なっても3ヶ月ほど月経不順が続くようであれば、一度産婦人科で調べる必要があります。原因検索を速やかに行い、適切な治療を行うことが最短の対応になります。

「生理が始まったと思ったら止まった」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「生理が始まったと思ったら止まった」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

生理が始まったと思ったら止まったのですがストレスが原因でしょうか。

中川 龍太郎医師中川 龍太郎(医師)

ストレスが原因でホルモンバランスが乱れ、生理が始まったと思ったら止まることもあり得ます。

ピルの影響で生理が始まったと思ったら止まることはありますか?

中川 龍太郎医師中川 龍太郎(医師)

ピルは端的に言えば、女性ホルモンを内服して生理をコントロールする薬ですので、生理が始まったと思ったら止まることもあります。

まとめ 生理が始まったと思ったら止まったときは妊娠に注意

生理不順は様々な原因で起こりますが、常に妊娠の可能性は考慮しておく必要があります。もちろん正常妊娠から安全な分娩につなげるためというのもありますが、異所性妊娠という命に関わる疾患を早期に発見するという意義もあります。安易に自己判断せず、早めに検査を行い、医療機関を受診しましょう。

「生理が始まったと思ったら止まった」症状で考えられる病気

「生理が始まったと思ったら止まった」から医師が考えられる病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

産婦人科の病気

病気ではない正常妊娠に加えて、産婦人科領域の様々な疾患が可能性としてあります。症状だけでは判断が難しい場合も多いので、生理不順を繰り返す場合は、医療機関を受診してください。

「生理が始まったと思ったら止まった」に似ている症状・関連する症状

「生理が始まったと思ったら止まった」と関連している、似ている症状は7個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

「生理が始まったと思ったら止まった」以外にこれらの症状がある場合も、正常妊娠や異所性妊娠、子宮筋腫といった疾患が候補に上がり、精査が必要です。異常な痩せ方をしたり、動悸や腹痛の症状がある場合には早めに医療機関を受診しましょう。