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「目やに」がでる原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

目やにが多い・通常より出る時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

伊藤 裕紀医師

監修医師
伊藤 裕紀(医師)

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名古屋大学医学部卒業、名古屋大学医学部附属病院、江南厚生病院などで眼科医として勤務経験を持つ。患者の笑顔を見ることを何よりの喜びと思っている。日本眼科学会所属。現在は医学の発展に貢献できるよう、また目の前の患者にひたむきに向き合うため日々邁進中。

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「目やに」で考えられる病気と対処法

目やには目表面の不要なものを絡め取ってできるもので、脱落した上皮や血液中の細胞や病原体などで構成されています。考えられる原因には、細菌やウイルスによる結膜の炎症やドライアイなど様々です。原因を突き止め、適切な対処を心がけましょう。

目やにが出る症状で考えられる原因と治し方

目やにが出る、目が乾く、ゴロゴロするなどがこの症状の特徴です。
このような場合は、ドライアイの可能性が考えられます。ドライアイは、涙の安定性が低下し、涙が目の表面に留まりにくくなり乾燥や異物感を引き起こす病気です。ストレスが引き金になったり、膠原病など自己免疫疾患と合併することが知られています。
すぐに症状を落ち着かせるには、人工涙液を点眼するなど水分を補うように心がけましょう。コンタクトレンズの使用を控える、加湿器を使用するなどもいいでしょう。
主な診療科は眼科ですが、口が渇いたり、関節痛を伴う場合は自己免疫疾患の可能性もあるため、内科も受診した方がいいでしょう。

片目だけ目やにが出る症状で考えられる原因と治し方

片目にだけ黄白色や灰白色の目やにが出るのがこの症状の特徴です。
このような場合は細菌やカビによる感染が原因の結膜炎の可能性があります。菌の種類が肺炎球菌の場合は黄白色、ブドウ球菌の場合は灰白色の目やにが出ることが多いです。
すぐにできる対処法は、抗生物質の入った目薬を点眼することです。
症状が改善しない、痛みがある場合は早めに眼科を受診しましょう。

目やにが多い・大量に出る症状で考えられる原因と治し方

黄色くクリームのような目やにが大量に出るのがこの症状の特徴です。片目で始まり、進行すると両目に起こることもあります。
この場合は、淋菌性結膜炎(りんきんせいけつまくえん)の可能性が考えられます。淋菌は性感染症として感染する場合と、産道通過時の母子感染として新生児に感染する場合があります。
自宅で気をつけることは、家族とのタオルの共用は控え、目やにをふく時は綿棒やティッシュなどを使用して使用後は捨てるなど二次感染を防ぐことです。そして、急いで眼科、泌尿器科、婦人科のうちいずれかを受診しましょう。
再発防止のためパートナーとの受診が推奨されます。淋菌性結膜炎は数日で角膜に穴があき、最悪の場合失明する可能性があるので、疑わしい場合はできるだけ早く病院を受診しましょう。

ネバネバした目やにが出る症状で考えられる原因と治し方

ネバネバした目やにが出るのがこの症状の特徴です。黄白色で多くの目やにが出ます。
このような場合は、細菌感染による結膜炎の可能性が考えられます。インフルエンザ菌などが原因の場合はネバネバした目やにが出ることが多いです。
すぐに症状を落ち着かせるには、抗生物質の入った目薬を使用するのが良いでしょう。
数日で症状が改善しない場合は、眼科を受診しましょう。

寝起きに目やにが出る症状で考えられる原因と治し方

寝起きに目やにが出るのがこの症状の特徴です。
起床時に目やにが少量溜まっているのは、問題ないことが多いです。寝ている間は瞬きができないので、涙がまぶたにたまり乾燥し目やにとなります。
すぐにできる処置は、優しく洗顔し、専用のクリーンコットンで目の周りを拭くことです。
日中も目やにが出る場合や大量の目やにが出る場合はドライアイや結膜炎などの病気の可能性がありますので、眼科を受診しましょう。

新生児・赤ちゃんの目やにが多い症状で考えられる原因と治し方

赤ちゃんの目が常に潤んでいる、目やにがたくさん出るのがこの症状の特徴です。
このような場合は新生児涙囊炎の可能性が考えられます。涙囊とは目から鼻につながる涙の通り道の途中にある組織で、そこに炎症が起きるのが涙囊炎です。
目やにがたくさん出たり涙がたくさん出ると皮膚がかぶれやすくなります。専用のクリーンコットンで目元を拭きましょう。
赤ちゃんの目やにが多い場合は、早めに眼科を受診しましょう。

すぐに病院へ行くべき「目やに」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

大量の目やにが出て、白目が真っ赤になる症状の場合は、眼科へ

突然白目が真っ赤になりサラサラした目やにが大量に出ます。耳の前にあるリンパ節が腫れるなどの症状も特徴です。
このような場合は流行性角結膜炎という病気の可能性があります。通称はやり目とも呼ばれます。アデノウイルスというウイルスが原因の結膜炎で、大変感染力が強いため、学校は出席停止となります。
主な診療科は眼科です。目やにや涙を拭く場合はウイルスが付着しているので使い捨てのティッシュや綿棒を使用する、家族間でのタオルの共用は避けるなど感染防止に努めましょう。

受診・予防の目安となる「目やに」のセルフチェック法

周りに同様の症状の人がいる場合や、目やにが大量に出る場合は、集団感染を起こしていたり、緊急を要する可能性が高いです。できるだけ早く眼科を受診しましょう。

「目やに」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「目やに」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

逆まつ毛

逆さまつげとは、まつ毛が何らかの原因で角膜に接触してしまう状態のことです。まつげは本来眼球とは反対方向へカールして眼球に当たらないようになっています。しかしまつげの毛根周囲の炎症や傷が原因でまつげの中の何本かが眼球に向かって生えてきたり、赤ちゃんで下まぶたの皮膚や皮下脂肪が原因でまつげが眼球の方に押し込まれてしまったりすることで逆さまつげになります。
自己判断で、逆さまつげを切ったり抜いたりはしないようにしましょう。先が尖ったまつ毛が生えてきて角膜を傷つける可能性があります。清潔に保ち、角膜治療薬の点眼を行う場合があります。重症の場合は手術療法が適用される場合があります。
目がゴロゴロする、涙が出る、充血が続く場合は眼科を受診しましょう。特に重症の場合は視力低下を引き起こしますので早めの対処が大切です。

涙嚢炎(るいのうえん)

涙囊とは涙が目から鼻に流れる通り道にある組織で、そこに細菌感染により炎症が起きるのが涙囊炎です。
治療法には、抗菌目薬の使用などが挙げられます。涙の通り道が完全に塞がってしまっている鼻涙管閉塞が原因の場合などは手術が必要なこともあります。
目やにの他に充血や涙が出る、目が常に潤んでいるなどの症状があればこの病気の可能性があります。疑わしい場合は早めに眼科を受診しましょう。

結膜炎

結膜とは白目の表面とまぶたの裏を覆っている膜のことで、この部分に炎症が起きるのが結膜炎です。細菌やカビが原因の細菌性結膜炎、ウイルスが原因のウイルス性結膜炎、アレルギーが原因のアレルギー性結膜炎などがあります。
治療には、細菌性結膜炎は抗菌薬の目薬を使用します。ウイルス性結膜炎は感染性が強い場合があるので早急に検査を受け、必要な場合は学校や職場を休む必要があります。アレルギー性結膜炎は原因となるアレルギーを除去し、抗アレルギー目薬を使用します。
大量の目やにが出る場合はすぐに眼科を受診しましょう。大量でなくても、数日で症状がよくならない場合は受診したほうがいいでしょう。

ドライアイ

ドライアイとは、涙が目の表面にとどまる力が失われ、目の不快感や見えにくさを感じる病気です。目が乾く、ゴロゴロする、疲れやすいなどの症状が現れます。
日頃の対応策は、部屋の乾燥を防ぎ、エアコンや暖房器具を使用している場合は加湿器を使用しましょう。コンタクトレンズの使用も控えることが大切です。人工涙液やヒアルロン酸製剤の点眼などの治療法があります。
ドライアイは失明につながる可能性が低いですが、生活の質が落ちる病気と言えます。緊急性は高くありませんが、症状が長引く場合は眼科を受診したほうがいいでしょう。

「目やに」の正しい対処法は?

原因により目やにの治療法は様々ですが、ドライアイが原因の場合は低湿度や低温を避ける、エアコンの効きすぎや送風が直接受けないようにする、コンタクトレンズの着用を控えることなどが早く治したい場合には重要なことと言われています。

目やにが多い場合

目やにが多いなどの症状がある場合は、コンタクトレンズの着用を控えたほうがいいでしょう。コンタクトレンズの着用は、細菌感染の可能性や目の乾燥を招く要因となります。結膜炎やドライアイなどになりやすく、また症状が悪化しやすくなってしまいます。
また、上下のまつげの内側には目を乾燥から守る脂質を分泌する腺があり、その出口がアイメイクで塞がれるとドライアイになりやすくなると言われています。アイメイクはまつげの外側にするようにし、マスカラもまつげの根元には塗らないほうがいいでしょう。
目やにや目の周りのケアについては、専用のクリーンコットンなどで目やにを拭き取り、処分するのが良いでしょう。目やににはウイルスや細菌がいる可能性があります。
また、手を綺麗に洗うこと、アイメイクは先に落としておくことも重要です。アイシャンプーなどをまつげの根元に伸ばし優しく円を描くように洗い、まつげの間も綺麗にするよう横にも洗いましょう。

ドライアイが原因の場合

ドライアイが原因の場合、ツボをマッサージすることで血流を促す効果が期待できる可能性があります。目頭と鼻の付け根の間のくぼみにあるツボ、眉毛の真ん中のくぼみのツボ、目尻のさらに指一本分外側にあるツボなどを押しながらほぐしましょう。
まぶたの分泌腺の詰まりを解消するには、温めると分泌が良くなり症状が改善する可能性があります。これはドライアイの治療にも効果があることが知られています。
一方、アレルギー性の結膜炎などの場合は軽く冷やすほうが症状が和らぐでしょう。
ドライアイに対しては、目の血流を良くすることで分泌腺から脂質が出やすくなりドライアイの症状が和らぐ可能性があります。一方、痛みや熱感、かゆみがある場合は使用を控えたほうがいい場合が多いでしょう。
目やにの原因が、先天性鼻涙管閉塞という、目から鼻に抜けるはずの涙の通り道が生まれつき詰まってしまっている病気の場合、鼻の付け根を上から下に向けて優しく揉むようにマッサージするといいでしょう。医師の監修のもと行いましょう。

日常生活で気を付けるポイント

バランスの良い食生活を続けることも目やにの症状に対して改善効果があります。ドライアイには、ほうれん草やブロッコリー、青魚など抗酸化作用のある食べ物はある程度有効と考えられています。
ストレスは涙の分泌を減らすことが知られており、ドライアイを引き起こし目やにが発生しやすくなることが考えられます。休息をしっかりとるよう心がけましょう。
これらの対策をおこなっても症状が収まらない場合は早めに眼科を受診しましょう。どのような応急処置を施したかも医師に伝えましょう。

「目やに」におすすめの市販目薬は?

医療機関を受診する時間がない場合や、目やにの症状が軽い場合は市販目薬を使用してもいいでしょう。
市販薬の例としては、ソフトサンティア(参天製薬)は目の乾きを改善させる効果があります。また、目に付着した汚れなどを洗浄するには、アイボンなどの防腐剤不使用の人工涙液の点眼が推奨されています。
なお、点眼前は手を洗い清潔にしましょう。目薬の先が目やまぶたに触れないように注意し、1〜2滴を点眼しましょう。目薬をさしたらまばたきをせず、まぶたを閉じ目頭を優しく押さえることで、目薬を効果的に使うことができます。

「目やに」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「目やに」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

ネバネバした目やにが多いのは眼科を受診すべきですか?

伊藤 裕紀医師伊藤 裕紀(医師)

ネバネバした目やには細菌感染による結膜炎の可能性があります。正しい種類の抗菌薬を点眼すれば早期治療が見込める病気ですので、眼科を受診したほうがいいでしょう。

まぶたが腫れてかゆいのはアレルギーによる反応でしょうか?

伊藤 裕紀医師伊藤 裕紀(医師)

アレルギーによる反応はかゆみを引き起こすことが多いですので可能性があります。アレルギーは、直接まぶた付近に触れる機会のある化粧品や塗り薬のほか、飲み薬や注射、マンゴーやニンニクなどの食品などもまぶたに症状が現れるアレルギーの原因となりえます。

目が開かない程、目やにが出る症状は目薬で治せますか?

伊藤 裕紀医師伊藤 裕紀(医師)

目が開かないほど目やにが出る症状の場合は、流行性角結膜炎という大変感染力の高い結膜炎の可能性や、性感染症の可能性もあります。性感染症の場合は目薬だけでなく内服薬などの投与も必要となります。他の症状がないか確認し、眼科、泌尿器科、婦人科を受診しましょう。

片目だけ目やにが出るのは目の病気でしょうか?

伊藤 裕紀医師伊藤 裕紀(医師)

片目だけ目やにが出るのは、肺炎球菌やインフルエンザ菌などの細菌感染による結膜炎やクラミジア感染による結膜炎などの可能性があります。

目やにと老化・加齢は関係がありますか?

伊藤 裕紀医師伊藤 裕紀(医師)

年齢とともに涙の量は減少し目が乾燥しやすくなります。また結膜が加齢とともにたるんでくることにより擦れが起きやすくなります。これらは目やにが増加する原因となりえます。

まとめ

寝起きに少量の目やにがつく程度なら問題ないことが多いですが、大量の目やにが日中も出る場合は要注意です。感染力の大変高いウイルス性の結膜炎の可能性や性感染症などの可能性もありますので、早急に病院で検査を受けましょう。一方、病気が原因でなくてもアイメイクがしっかり落としきれていなかったり、目元の洗顔が不十分でも目やにが出やすくなります。目元を清潔に保つよう心がけましょう。

「目やに」で考えられる病気と特徴

「目やに」から医師が考えられる病気は25個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

眼科の病気

泌尿器科、婦人科の病気

普段から、少量の目やにがつくことはあると思いますし、その程度なら問題ありません。しかし、大量の目やにが日中も出る場合は治療を要する病気があるかもしれませんので医療機関への受診を考慮しましょう。

「目やに」と関連のある症状

「目やに」と関連している、似ている症状は13個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

「目やに」他にこれらの症状がある場合、「ドライアイ」「涙囊炎」「ウイルス性角結膜炎」「シェーグレン症候群「鼻涙管閉塞」などの疾患の可能性が考えられます。
様子をみても改善しない場合は、早めに医療機関への受診を検討しましょう。