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まぶたの腫れはものもらいが原因!?アレルギー性結膜炎や霰粒腫など考えられる病気や原因を徹底解説

まぶたの腫れはものもらいが原因!?アレルギー性結膜炎や霰粒腫など考えられる病気や原因を徹底解説

まぶたの腫れが落ち着かないとき、身体はどんなサインを発信しているのでしょうか?ここではMedicalDoc監修医がまぶたが腫れる症状で考えられる病気や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

楯 直晃 医師

監修医師
楯 直晃 医師(リアラクリニック)

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2013年 熊本大学病院 初期臨床研修医
2015年 熊本大学病院 総合診療専門修練医
2018年 国立熊本医療センター 救急集中治療部医員
2020年 リアラクリニック名古屋院院長
2021年 メディカル・テート株式会社 CEO

救急科専門医、抗加齢医学専門医、プライマリケア認定医、内科認定医、産業医、健康スポーツ医、医療経営士、禁煙サポーター、日本産婦人科学会会員、厚労省緊急避妊研修修了、厚労省緩和ケア研修修了

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「まぶたの腫れ」で考えられる病気と対処法

両目のまぶたが腫れる症状の原因と治し方

両目のまぶたが腫れる、涙が出る、目やにが出る、目が赤くなるなどの症状を指します。
このような場合、感染性結膜炎などが疑われます。

感染性結膜炎

感染性結膜炎とは、細菌やウイルスに目が感染し、目の表面の膜である結膜が炎症を起こす病気です。アデノウイルスが原因の場合、「はやり目」や「プール熱」とも呼ばれ、感染力が強いため、治癒して医師の許可が出るまで学校は出席停止となります。はやり目の症状は、目やにや涙が大量に出て糸を引くようなネバネバした白いものが出てくるなどの特徴があります。多くの場合、発症から2-3週間程度で症状は治まります。
自分でできる対処法は、手をこまめに洗い清潔に保つこと、顔をふくタオルを共有しないことなどが大切です。感染性結膜炎は感染の原因を調べることも大切ですので、疑わしい場合はすぐに眼科を受診しましょう。

突然片目のまぶたが腫れる症状の原因と治し方

突然片目のまぶたが腫れる、できものができるなどの症状を指します。
このような場合、霰粒腫(さんりゅうしゅ)などが疑われます。

霰粒腫(さんりゅうしゅ)

霰粒腫とは、まぶたの中にある涙の成分を分泌する腺の出口が詰まり分泌物がたまり腫れるものです。痛みや赤みがないことが多く、上まぶたや下まぶたのフチに小さくてコロコロした固いできものが現れます。

霰粒腫の対処方法

自分でできる対処法は、ホットタオルなどでまぶたを温め、まつげ専用の洗浄剤でまつげの根元周辺を優しく洗浄することです。詰まった脂が取れやすくなる効果を期待できます。
霰粒腫は急激に大きくなるものではありませんが、放置すると細菌感染を起こし痛み出す可能性もあるため、眼科を受診したほうがいいでしょう。高齢者の場合は悪性腫瘍の可能性もあるので、注意が必要です。

突然まぶたが腫れてかゆい・アレルギー症状が出る原因と治し方

突然まぶたが腫れてかゆみを伴うことがあります。
このような場合、アレルギーが原因であることが多く、アレルギー性眼瞼炎やアレルギー性結膜炎が疑われます。

アレルギー性眼瞼炎・アレルギー性結膜炎

眼瞼炎はまぶた(眼瞼)に炎症が起きている病気で、結膜炎は白目の表面の結膜に炎症を起こしている病気です。目やにが多くなる、目がゴロゴロするなどの症状がみられます。花粉やダニ、特定の食べ物などのアレルゲンが体の中に入り、異物を排除しようと免疫が過剰にはたらくことで症状が現れます。

アレルギー性眼瞼炎・アレルギー性結膜炎の対処方法

自分でできる対処法は、アレルギーの原因となる物質を避けることです。花粉症の場合は花粉になるべく接しないようメガネやゴーグルを使用するといいでしょう。症状がひどい場合はコンタクトレンズの使用を控えてください。市販薬では、人口涙液が目の表面に付着したアレルゲンを洗い流すのに有効です。目を傷めないよう防腐剤が入っていないものを使いましょう。
治療法としては、抗アレルギー点眼薬やステロイド点眼薬を使用することが多いです。花粉症の場合は、花粉が飛び始める2週間くらい前から抗アレルギー点眼薬の点眼を開始するとより効果的であるという報告もあります。主な診療科は眼科です。

まぶたが腫れて赤い症状の原因と治し方

まぶたが腫れて赤くなることがあります。このような場合、麦粒腫(ばくりゅうしゅ)などが疑われます。

麦粒腫(ばくりゅうしゅ)・ものもらい

麦粒腫とは、まぶたにある涙や汗の分泌腺や毛穴などに細菌が感染して炎症を起こす病気です。上下どちらのまぶたにもできて、痛みや熱感を生じる(熱っぽく感じる)こともあります。「ものもらい」や「めばちこ」とも呼ばれます。麦粒腫の原因の多くは、細菌がついた手で目を触ることです。

麦粒腫・ものもらいの対処方法

自分でできる対処法は、こまめに手を洗い清潔に保つこと、まつ毛の内側のアイメイクを避けることなどです。また、バランスの良い食事や十分な睡眠をとることを心がけ、免疫機能を低下させないことも重要です。
麦粒腫の治療法としては、抗生物質の目薬や内服薬などを用います。症状が悪化し化膿が進むと切開して膿を出すこともありますので、早めに眼科を受診したほうがいいでしょう。

寝起きにまぶたが腫れぼったくてむくむ症状の原因と治し方

寝起きにまぶたが腫れぼったくむくむことがあります。このような場合、まぶたのむくみの可能性が考えられます。お酒の飲み過ぎや、塩分の多い食事、睡眠不足などにより、水分がうまく排出されなくなり、まぶたに水分がたまってしまうのです。睡眠中に顔を下向きにしていることもむくみの原因になります。

まぶたのむくみの対処方法

自分でできる対処法は、ホットタオルなどで目元を中心に顔全体を1~2分ほど温め血行を促進することです。その後に顔全体を冷水で軽く洗顔することで、余分な水分や老廃物が流れやすくなり、むくみの解消の効果が期待できます。
ただし、寝起きだけでなく常にまぶたが腫れている場合や、足など他の部分も腫れている場合などは、腎臓や心臓などの他の臓器の病気の可能性があります。

ネフローゼ症候群

腎臓の病気の一つにネフローゼ症候群というものがあります。ネフローゼ症候群とは尿から大量のタンパクが排出され血液中のタンパクが減少する病気です。顔や手足が腫れぼったくなるなどの症状が現れます。まぶたの腫れが3日以上続く場合には早めに内科を受診しましょう。

目の下・下瞼が腫れる、目頭が痛くて腫れる症状の原因と治し方

目の下のまぶたが腫れる、目頭近くが腫れて痛むなどの症状があてはまります。なみだ目、目やになどの症状が現れることもあります。このような場合涙囊炎(るいのうえん)などが疑われます。

涙囊炎(るいのうえん)

目の涙は目から鼻に流れていきますが、その途中にある涙が流れ込む小さな袋状の器官が涙囊と呼ばれるもので、その涙囊が炎症を起こした病気が涙囊炎です。涙の通り道が加齢などによりふさがってしまうことが主な原因と考えられています。涙囊炎の主な治療法は手術なので、自分でできる対処はありません。炎症がひどくなる前に早めに眼科を受診しましょう。

すぐに病院へ行くべき「まぶたの腫れ」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

まぶたが腫れて強い痛みや視力低下を伴う場合は、眼科へ

まぶたが腫れ、強い痛みや視力低下などの症状を伴う場合は、眼窩蜂窩織炎(がんかほうそうえん)という病気が疑われます。眼窩とは眼球が入っている頭蓋骨の中のくぼみのことで、その場所に細菌が侵入し眼球の奥や周囲に炎症を起こすのが眼窩蜂窩織炎という病気です。

眼窩蜂窩織炎(がんかほうそうえん)

発熱や倦怠感、眼球が突出してくる、物が二重に見える複視の症状が現れることもあります。副鼻腔炎などの耳鼻科の病気や虫歯の炎症が目の奥に移り発症することもあります。十分に治療を行わないと重症化し失明することもあります。また、感染が他の組織に広がり脳や脊髄の病気を引き起こすこともあります。眼科のある病院をすぐに受診してください。

「まぶたの腫れ」が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「まぶたの腫れ」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

甲状腺機能低下症

まぶたの腫れが特徴的な病気の一つに、甲状腺機能低下症があります。甲状腺とはのどぼとけの下にある臓器で、身体の新陳代謝を活発にする働きをもつ甲状腺ホルモンを作っています。甲状腺機能低下症とは、この甲状腺ホルモンの作用が低下してしまう状態のことで、代表的な病気には橋本病などが挙げられます。橋本病は自己免疫疾患の一つで、免疫の異常により甲状腺に炎症が生じる病気です。甲状腺の腫れ、疲れやすさ、全身のむくみ、体重増加などの症状が現れます。女性に大変多く見られる病気です。また、軽い甲状腺機能低下症でも流産や早産、妊娠高血圧症候群のリスクが高いことが知られていますので、妊娠を希望する人や妊娠中の人は特に注意が必要です。治療によりこれらのリスクは改善できることが明らかになっていますので、疑わしい症状がある場合は内科、内分泌内科を受診しましょう。

「まぶたの腫れ」が起きたときに使用しても良い目薬・市販薬は?

まぶたの腫れが起きた場合は、病院を受診するのが一番ですが、原因がわかっていて症状が軽い場合は市販薬の使用で症状の改善が期待できます。
まぶたの腫れの原因が、麦粒腫(ものもらい)である場合は、抗菌成分が配合された目薬がいいでしょう。麦粒腫とは、まぶたにある涙や汗の分泌腺などが細菌感染を起こす病気で、赤みや痛み、かゆみを伴うこともあります。市販薬の例としては、ロート抗菌目薬EXなどがあります。
市販薬を使用しても改善しない場合や、症状に変化があった場合は眼科を受診しましょう。

「まぶたの腫れ」を繰り返さないために気をつけたい生活習慣

まぶたの腫れを引き起こす原因の一つにアレルギー反応があります。アレルギーは体内に入ってくる異物に対して体が過剰に反応してしまうことで、まぶたの腫れやかゆみなどの症状が現れます。アレルギーの原因物質を特定し、接しないようにすることが大切です。ハウスダストやダニアレルギーの人は、頻繁に掃除をして掃除機でホコリやダニを除去し、換気をしっかり行いましょう。花粉症の人は、花粉が目につくのを防ぐために眼鏡やゴーグルを使用して、帰宅後は玄関前で花粉を払い、着替えや洗顔を行うといいでしょう。
目がかゆくなってもこすってしまうとさらにまぶたが腫れてしまいます。対処法は、冷たいタオルで目を冷やすことや、人口涙液の点眼などです。コンタクトレンズを使用する場合は、レンズに触る前には手を洗い、レンズはしっかり洗浄することが大切です。一日使い捨てのコンタクトレンズは清潔に使うことができるためおすすめです。

「まぶたの腫れ」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「まぶたの腫れ」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

突然まぶたが腫れる症状はストレスと関係がありますか?

楯 直晃 医師楯 直晃 医師

まぶたが腫れる原因には、アレルギー反応や細菌感染、むくみなどが挙げられますが、いずれもストレスと関係があると考えられています。ストレスが過剰になると、免疫機能が低下し自律神経のバランスが崩れることが知られています。十分な睡眠をとり、バランスの良い食事を心がけ、身体を動かすことを習慣づけ、ストレスを溜めない生活を目指すことが大切です。

まぶたが腫れてアレルギー性結膜炎と診断されたらコンタクトは使えないですか?

楯 直晃 医師楯 直晃 医師

アレルギー性結膜炎の場合、コンタクトレンズを使用していると症状がひどくなる傾向があります。コンタクトレンズは空気中の花粉などを目に付着しやすくしてしまうため、コンタクトレンズの使用は控えたほうがいいでしょう。
どうしても使う場合はレンズを清潔に保つことが大切ですので、1日使い捨てコンタクトレンズを使用することをお勧めします。

まぶたが虫刺されのように腫れて痛いです。冷やしても自然治癒しないでしょうか?

楯 直晃 医師楯 直晃 医師

痛みがある場合は、触らずに眼科を受診しましょう。
虫刺されの場合は冷やすことは有効ですが、原因がはっきりしない場合は刺激を与えないのが一番です。痛みの症状は、感染による炎症のために起きていることが考えられます。

突然片目のまぶたが腫れてしまいましたが痛くありません。眼科に行ったほうが良いでしょうか?

楯 直晃 医師楯 直晃 医師

アレルギー性のものか、虫刺され、クインケ浮腫という皮膚や粘膜に急な腫れを起こす病気などの可能性もあります。眼科もしくは皮膚科に行くことをお勧めします。

まとめ

まぶたの腫れを引き起こす原因は、まぶたやその周辺に炎症などが起きている場合と、心臓や腎臓など全身の病気の可能性の両方があります。原因をしっかり探り、早めの対処・治療を開始することが大切です。
まぶたの皮膚はとても薄く刺激に弱いため、こすったり触ったりすると症状が悪化してしまいます。できるだけ患部には触らずに眼科を受診することをお勧めします。

「まぶたの腫れ」で考えられる病気と特徴

眼科の病気

耳鼻咽喉科の病気

皮膚科の病気

  • クインケ浮腫
  • 接触性皮膚炎
  • 虫刺され

多くの原因は目の疾患ですが、代謝異常や内分泌疾患など全身疾患の症状の一つでも現れることがあります。

「まぶたの腫れ」と関連のある症状

関連する症状

「まぶたの腫れ」の症状の他に、これらの症状がある場合も、「感染性結膜炎」「霰粒腫」「眼科蜂窩織炎」「アレルギー性眼瞼炎」「麦粒腫」「甲状腺機能低下症」「涙囊炎」などの疾患の可能性が考えられます。
強い痛みや視力低下を伴う場合や、他に症状が併発している場合は、なるべく早く医療機関への受診をおすすめします。

【参考文献】
・国立感染症研究所
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/528-ekc.html
・日本眼科医会 アレルギー性結膜炎の治療と対策 市販薬
https://www.gankaikai.or.jp/health/33/index.html
・慶應大学病院
https://kompas.hosp.keio.ac.jp/sp/contents/000557.html