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「まぶたがピクピクする」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

「まぶたがピクピクする」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

まぶたがピクピクする時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

村上 友太 医師

監修医師
村上 友太 医師(東京予防クリニック)

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医師、医学博士。福島県立医科大学医学部卒業。福島県立医科大学脳神経外科学講座助教として基礎・臨床研究、教育、臨床業務に従事した経験がある。現在、東京予防クリニック院長として内科疾患や脳神経疾患、予防医療を中心に診療している。
脳神経外科専門医、脳卒中専門医、神経内視鏡技術認定医。日本認知症学会、抗加齢医学会、日本内科学会などの各会員。

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「まぶたがピクピクする」症状で考えられる病気と対処法

まぶたがピクピク痙攣して止まらなかった経験はありませんか?このような眼瞼けいれんの症状の多くは目の周りの眼瞼の筋肉の疲れが原因ですが、なかには治療を要する病気が隠れていることもあります。
今回はまぶたの痙攣について詳しく解説していきます。

まぶたがピクピクする症状で考えられる原因と治し方

まぶたが勝手にぴくぴくする症状が見られることがあります。
このような場合、眼瞼痙攣が疑われます。眼瞼痙攣とは、目の周りの筋肉(眼輪筋)が自分の意思に関わらずに痙攣してしまう病気です。
症状の進行はゆっくりですが、下まぶたのピクピク感から始まり、次第に上まぶたに進行すると言われています。まばたきがうまくできなくなり、目があけにくくなります。通常両眼に起こりますが、左右差も見られることがあります。
原因はさまざまあり、パーキンソン病などに伴う症状や向精神薬や抗不安薬による薬物性の症状があります。内服治療やボツリヌス毒素の注射で治療をする必要がありますので、症状が気になる場合には眼科で相談してください。

まぶたのピクピクが止まらない症状で考えられる原因と治し方

まぶたのぴくぴくする症状が、一時的なものではなく止まらなくなることがあります。このような場合、眼瞼痙攣のほかに眼瞼ミオキミアが疑われます。眼瞼ミキオミアは、通常左右の片方のみに起こり、細かい動きで、痛みなどはありません。多くの場合、眼精疲労やストレス、睡眠不足がきっかけとなりますので、これらのような要因を避けるようにしましょう。通常は何もしなくても数日間から数週間のうちに改善します。

片目のまぶたがピクピクする症状で考えられる原因と治し方

片目のまぶただけがピクピクすることがあります。上まぶたのみ、あるいは下まぶたのみがピクピクするということもあります。このような場合、眼瞼ミオキミアや片側顔面けいれんが疑われます。
眼瞼ミオキミアであれば、疲れをとって眼を休めれば自然に改善します。経過をみても症状が改善しない場合や悪化傾向にある場合、ぴくつきが眼の周り以外に広がる場合には片側顔面けいれんの可能性が高まります。片側顔面けいれんは顔面の筋肉の動きを制御している顔面神経が過剰に反応してけいれんを起こす病気です。顔面神経が脳深部の血管と接触して圧迫を受けることで生じることが知られています。最初は眼の周りだけで、眼瞼ミオキミアとの違いを見分けるのは難しいですが、片側顔面けいれんの場合はぴくつきが治らず、けいれんが拡大するのが特徴的です。経過をみてもけいれんの症状が改善しない場合には、眼科や脳神経内科、脳神経外科を受診しましょう。

寝てるときにまぶたがピクピクする症状で考えられる原因と治し方

寝ている時にもぴくつきが起こることがあります。このような場合も、眼瞼痙攣、眼瞼ミオキミア、片側顔面けいれんによる影響が考えられます。

ストレスでまぶたがピクピクする症状で考えられる原因と治し方

ストレスや疲れで眼の周りがぴくぴくするのは、眼瞼ミオキミアが最も考えられる原因です。このような症状が見られる場合には、ストレスを発散し、適度に目を休ませましょう。

すぐに病院へ行くべき「まぶたがピクピクする」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

頻繁にピクピクする、目が開けられない場合は、眼科へ

まぶたの痙攣が頻繁に起こり、それがひどくなると目を開けていられなくなることがあります。重症の眼瞼けいれんでは、目をつぶった状態に近いため、うまく歩行できなくなることもあります。眼瞼けいれんは自然に改善させることが難しく、抗けいれん薬の飲み薬やボツリヌス毒素を注射してけいれんを止めるなどの治療が必要になります。疑わしい症状がある場合には、眼科を受診しましょう。

受診・予防の目安となる「まぶたがピクピクする」のセルフチェック法

  • ・まぶたがピクピクする以外に目の開け閉めに問題がある場合
  • ・まぶた以外にぴくぴくする症状が広がる場合
  • ・まぶたがピクピクする以外に目の違和感、痛み、まぶしいなどの症状がある場合

「まぶたがピクピクする」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「まぶたがピクピクする」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

チック症/眼瞼ミオキミア

チック症は異常にまばたきをしたりするのが特徴で、発達障害、強迫障害、分離不安障害、パニック障害などの精神疾患と併発することがある病気です。眼瞼ミオキミアは目を酷使した後などに発症するぴくつきで、チックと比べると細かい動きで不規則、持続時間がながいという特徴があります。
チックは子どもに起こりやすく、80-90%が自然に症状は消失し軽快するといわれていますが、精神疾患などを合併した場合には治療を要することもあります。眼瞼ミオキミアは特別な治療を要せず数日から数週間で自然に治ります。

眼精疲労

眼精疲労は眼をつかう仕事が原因で目の痛み、かすみ、まぶしさ、充血などの目の症状と、頭痛、肩こり、吐き気などの症状が強くでる状態です。眼精疲労は眼瞼ミオキミアの原因となり、目の周りのぴくつきを起こします。適切な休息時間をとって目を休ませましょう。休んでも症状が治らない場合には、その他目の病気が隠れていることもありますので、眼科を受診しましょう。

眼瞼痙攣

眼瞼けいれん(痙攣)は目の周りのまぶたの筋肉が過剰に収縮することで、ぴくつき、目が開けにくい、眩しい、眼瞼下垂、目の違和感などが起こる病気です。40歳以降の女性に起こることが多く、自然に症状が改善することはありません。抗けいれん薬などの内服やボツリヌス菌の神経毒素の作用を利用したボツリヌス療法などが適応になります。

VDT症候群

VDT症候群とはVisual Display Terminalsの略で、パソコンの画面などを仕事で使用している人に起こる目の症状、肩こり腰痛、イライラや不眠などの症状をまとめたものです。VDT症候群では眼精疲労、ドライアイを起こし、眼瞼ミオキミアの原因となります。VDT作業の時間制限をしたり、作業環境を改善したりするなどの工夫が必要です。

片側顔面痙攣

片側顔面痙攣は、脳深部(脳幹)にある顔面神経の根本が脳の動脈などの血管と触れることで、顔面神経の異常な電気信号が発生し、目の周りがけいれんを起こします。最初は目の下だけがけいれんしますが、徐々に頬や口周りなどへ広がることもあります。抗けいれん薬の内服やボツリヌス毒素の注射で治療しますが、根治治療として顔面神経を圧迫している脳動脈を移動する手術を選択する場合もあります。

「まぶたがピクピクする」ときの正しい対処法は?

まずは目の疲れを取るためにスマホやPC画面は見るのをやめて目を休ませましょう。目の乾燥が強ければ目薬などを指していただいても問題ありません。目薬は片目1滴で十分効果があります。大量に使っても効果はありませんので、使用上の注意点をよく読んで守りましょう。
目の周りをホットタオルで温めたり、目を閉じたりすると改善することがあります。コーヒーなどのカフェインは眼瞼ミオキミアの原因になりますので、避けましょう。
仕事でどうしてもパソコンを使わなくてはいけない場合などには、眼精疲労やVDT症候群の予防のために、画面から30cm離してみる、30分みたら20秒以上目を休ませるなどの工夫をしましょう。
逆さまつ毛(睫毛内反症)が目を傷つけることで目の症状を起こし、ストレスになっていることもあります。逆さまつ毛は赤ちゃんに起こることが多く4-5歳になって顔が引き締まると治ることが多いので経過を見ることもありますが、治りが悪い、目の症状が強いなどの場合には手術が必要になることもあります。眼科にご相談ください。

「まぶたがピクピクする」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「まぶたがピクピクする」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

まぶたがピクピクするのですが何科に行けばいいでしょうか。

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

ぴくぴくが治らない場合には片側顔面けいれん、眼瞼けいれんを疑いますので、神経内科や目の症状が強ければ眼科でも診察が可能です。

片目のまぶたが勝手に痙攣する症状の治し方を教えてください。

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

眼瞼ミオキミアでは目の疲れが原因になるため、スマホやPCなどの画面を見るのをやめて目をゆっくり休ませましょう。気持ち良い範囲で目を温めたり、目の周りを優しくマッサージしたりするのも良いかもしれませんね。

新生児のまぶたがピクピクするのですが、病院に行くべきでしょうか。

村上 友太(むらかみ ゆうた)医師村上 友太(むらかみ ゆうた)医師

新生児があくびやミルクを飲むなどの顎を動かす時に、上まぶたがピクピク動くことがあり、マーカスガン現象と言われます。神経支配の発達異常があることもあり、成長に伴って目が開けにくい症状が出てくることがあります。一度小児科でご相談いただくのが安心でしょう。

まとめ

まぶたのピクピクについて解説しました。大半が自然に改善する眼瞼ミオキミアですが、一部治療を要するような病気が隠れていることがあります。症状が数日で改善せず目が開けにくい、けいれんが広がっているなどの場合には異常のサインです。病院でご相談ください。

「まぶたがピクピクする」で考えられる病気と特徴

「まぶたがピクピクする」から医師が考えられる病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

脳神経内科・脳神経外科の病気

  • 片側顔面けいれん

精神科の病気

その他の病気

  • VDT症候群

多くの場合はストレスや疲れでまぶたの痙攣が起こっていると思いますが、症状の改善がない場合には一度受診して相談することをお勧めします。

「まぶたがピクピクする」と関連のある症状

「まぶたがピクピクする」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

「まぶたがピクピクする」症状のほかに、これらの症状がある場合も、「眼瞼ミオキミア」「眼瞼けいれん」「眼精疲労」「片側顔面けいれん」「チック症」「VDT症候群」などの疾患の可能性も考えられます。
症状がなかなか良くならず生活に支障をきたす場合には、早めの医療機関への受診を検討しましょう。

この記事の監修医師