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「チック症」ってどんな病気?具体的な症状や原因も解説!

公開日:2022/06/30  更新日:2022/10/12
「チック症」ってどんな病気?具体的な症状や原因も解説!

目をぱちぱちさせる、咳払いをするなどの動作を繰り返すことはありませんか?同じ動作や行動を何度も繰り返す病気に「チック症」があります。子どもの10人に1〜2人におこる病気で、多くの場合1年以内に消失します。
今回は、チック症とはどのような病気か、症状や原因、受診科目などを紹介します。

武井 智昭

監修医師
武井 智昭(高座渋谷つばさクリニック)

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【経歴】 平成14年慶應義塾大学医学部を卒業。同年4月より慶應義塾大学病院 にて小児科研修。平成16年に立川共済病院、平成17年平塚共済病院(小児科医長)で勤務のかたわら、平成22年北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室にて研究員を兼任。新生児医療・救急医療・障害者医療などの研鑽を積む。平成24年から横浜市内のクリニックの副院長として日々臨床にあたり、内科領域の診療・訪問診療を行う。平成29年2月より横浜市社会事業協会が開設する「なごみクリニック」の院長に就任。令和2年4月より「高座渋谷つばさクリニック」の院長に就任。 日本小児科学会専門医・指導医、日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)、臨床研修指導医(日本小児科学会)、抗菌化学療法認定医 医師+(いしぷらす)所属

チック症とは

チック症とはどのような病気ですか?

チック症とは、急に起こる素早く滑らかな運動または音声を「クセ」のように繰り返す病気です。多く見られる症状は咳払いやまばたきで、繰り返したり自分の医師とは関係なく起こったりします。子どもの成長段階で比較的よくみられる病気です。
チック症は、単なるクセとして見逃されることもあり、周囲からの理解を得られにくかったり、周囲に誤解されたりする場合もあります。また、てんかんと見分けが付きにくい症状もあるため、その場合は判別のために検査が必要です。

トゥレット症候群

トゥレット症候群とどう違うのですか?

チック症は症状が持続する期間によって、「一過性チック障害」と「慢性チック障害」とに分けられます。症状が持続する期間が4週間以上、12か月未満を一過性チック障害といい、12か月以上持続するかつ、3か月以上持続して、チックがなくならないものを慢性チック障害と区別します。トゥレット症候群は、多彩な運動チックと音声チックの両方が1年以上続く状態です。

チック症の症状

チック症の症状

チック症はどのような症状が現れますか?

チック症は、主に「運動性チック」と「音声性チック」とに分けられます。さらに症状の現れ方にも個人差があり、単純性または複雑性です。症状の前には、「どうしてもその動作をしたい」という欲求が高まります。症状が出現すると、一時的にスッキリすることもあるため、意識して症状を抑えることも可能です。

単純性運動チック

単純性運動チックにはどのような症状がありますか?

単純性運動チックには主に以下のような症状があります。

  • まばたき
  • 首をかしげる
  • 顔をしかめる
  • 肩をすくめる
  • 首を振る

単純性運動チックは、最もよく見られる症状です。単純性運動チックのうち、まばたきの症状が最も多く、主に顔にチックが現れます。

複雑性運動チック

複雑性運チックにはどのような症状がありますか?

複雑性運動チックには主に以下のような症状があります。

  • ジャンプする
  • 物を触る
  • 匂いを嗅ぐ
  • 蹴る仕草や動作
  • 倒れ込む
  • 叩く

複雑性運動チックは、身体のさまざまな部分が一緒に動くのが特徴です。

単純性音声チック

単純性音声チックとはどのような症状がありますか?

単純性音声チックには主に以下のような症状があります。

  • 「ん」と声を出す
  • 鼻を鳴らす
  • うなる
  • 咳・咳払いをする

単純性音声チックは、「ん」など短い言葉を発するほか、ブタのように鼻を鳴らすなどの特徴があります。

複雑性音声チック

複雑性音声チックにはどのような症状がありますか?

複雑性音声チックには、以下のような症状があります。

  • ほかの人の発言を繰り返す(反響言語)
  • 自分の発言を繰り返す(反復言語)
  • その場にふさわしくないことを言う(汚言症)

など
複雑性音声チックには、反響言語・反復言語・汚言症が特徴で、言葉を繰り返したりその場にふさわしくない発言をしたりしてしまいます。

チック症の原因

チック症の原因

チック症の原因を教えてください。

チック症は、以前は心の問題と考えられていました。しかし、現在では、遺伝的な要因が関与していると考えられています。さらに、疲労やストレス、緊張、発熱が症状を悪化させることも分かっています。
近年では、ドーパミンと呼ばれる神経物質が、アンバランスに関与しているとの指摘もあります。また、家庭内の発症が多いことや、ADHD(注意欠陥・多動性障害)、強迫性障害の合併症としても知られる病気です。

ドーパミンとはどのような物質ですか?

ドーパミンは神経伝達物質のひとつです。快楽や多幸感、意欲の増加などの主に感情のコントロールに関わる物質で、脳の中で、中心的な役割を果たしています。
例えば、お酒を飲んで陽気になったり気分が良くなったりするのは、ドーパミンが放出されることで、脳内の報酬系が活発になるためです。

チック症がでるきっかけはあるのですか?

チックの症状は脳の体質と環境要因の両方が合わさって出現するため、無意識的に起こる行動です。ストレスや不安、緊張、興奮などの心理的な要因が症状を誘引することがあります。
しかし、多くの場合は、特にきっかけはありません。何らかの出来事がきっかけで、チックの症状が出ることがありますが、それが原因になることはないでしょう。

チック症の受診科目

チック症の受診科目

チックを繰り返すときは何科を受診すればいいですか?

チック症は小児時期におこるため、気になる症状があればまずは小児科を受診しましょう。てんかんや発達障害、強迫性障害などの病気の疑いがあれば、小児も使う精神科や心療内科、神経内科を受診し詳しい検査を受けてください。

チック症の検査

チック症はどのような検査を行うのですか?

まずは、持続時間、症状の起こり方などを問診や視診で判断します。まれにてんかん発作と区別しにくいことがあるため、その場合は、脳波検査やMRI検査などの詳しい検査を行います。
ADHDや発達障害、強迫性障害の合併症としても発症するため、必要に応じて合併している疾患の診断も行います。

チック症の性差・年齢差

チック症に性別差や年齢差はありますか?

チック症は子どもの10人に1〜2人程度の割合で体験する病気です。年齢差は4~11歳のうちに発症することが多く、12歳を境に減っていきます。男女比は男に多く、その比率は3〜4対1程度です。
通常、成人になるまでに約半数の人は自然に治りますが、中には大人になっても症状に悩む人もいます。1年以上、音声性チックと運動性チックが続く、トゥレット症候群は1万人に1〜5人程度の頻度です。

チック症の治療方法

チック症の治療をする場合、どのような治療方法がありますか?

チック症は本人が困らない限り、特別な治療は必要ありません。子どもにチックがあると、学校などで仲間外れにされたり、いじめられたりするのではないかと心配する保護者もいます。しかし、チックがあっても普段通りの生活ができれば、何ら問題ありません。
ただし、合併症となる病気の症状がある場合は必要に応じて抗精神病薬を服用します。そのほかにも認知行動療法を行い、病気への理解を促したりリラクゼーションを取り入れたりする場合があります。
チック症は家族や周囲の理解も必要です。チックだからといって特別な育て方は必要ありません。チック症があると、周りはそのことばかり気になることもあります。しかし、特別扱いはせず、普段通り叱ったり褒めたりして、自尊心を育てるようにしてあげましょう。

編集部まとめ

チック症は、4〜11歳ごろの子どもに多い病気です。目をぱちぱちさせる、咳払いをするなどの動作を繰り返すのが特徴ですが、本人が困っていないようなら特別な治療は必要ありません。家族や周囲のサポートも重要な病気のため、気になる症状があればまずは小児科に相談してみましょう。