「舌の側面が痛い」原因をご存知ですか？医師が徹底解説！

舌の側面が痛い時、身体はどんなサインを発しているのでしょうか？Medical DOC監修医が考えられる病気や何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

監修歯科医師：
上之郷 奈菜 歯科医師

「舌の側面が痛い」ときに考えられる病気と対処法

舌の側面が痛いと感じる時、「よくあるもの」から「まれなもの」まで、さまざまな病気が考えられます。ここでは、考えられる病気とその対処法について解説していきます。

舌の側面が痛い症状で考えられる原因と対処法

• 舌痛症
• 舌炎
• 舌癌
• 口腔カンジダ症
• 天疱瘡(てんぽうそう)
• 類天疱瘡（るいてんぽうそう）
• 扁平苔癬(へんぺいたいせん)
• 口腔乾燥症

など舌の側面が痛い場合に考えられる病気はたくさんあります。

舌の側面が痛く腫れている症状で考えられる原因

腫れている場合には、舌炎、舌癌、天疱瘡、類天疱瘡などの疑いがあります。

舌の側面が痛くて赤みがある症状で考えられる原因

赤みが見られる場合には、舌炎、扁平苔癬、口腔乾燥症、口腔カンジダ症、天疱瘡、類天疱瘡、舌癌などの疑いがあります。

舌の側面が痛くて白い症状で考えられる原因

白く見える場合には、扁平苔癬、口腔カンジダ症、天疱瘡、類天疱瘡、舌癌などの疑いがあります。
それぞれによって対処方法が異なりますので、下段で対処方法を詳しく説明していきます。

舌の側面が痛く、口内炎ができている症状で考えられる原因と対処法

ストレスや舌を噛んだことにより、舌の側面に口内炎ができることがあります。患部に刺激を与えないようにし、安静にしていれば、１週間程度で改善します。２週間以上経過しても改善がない場合は、歯科・口腔外科に相談しましょう。

ストレスで舌の側面が痛い症状で考えられる原因と対処法

口内炎、舌痛症、口腔乾燥症の疑いがあります。口内炎の場合、類円形の灰白色の偽膜が認められます。舌痛症の場合は、舌に痛み以外の異常はなく、自然に改善することは少ないです。また、ストレスなどにより唾液分泌量が少なくなり、口腔内が乾燥する口腔乾燥症でも舌が痛くなることがあります。歯科・口腔外科を受診しましょう。

すぐに病院へ行くべき「舌の側面が痛い」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

舌の側面の痛みが続く場合は、歯科・口腔外科へ

舌の痛みは、処置を行わないと改善しない疾患が多くあります。舌の痛みが増してくる場合や２週間以上経過しても改善が認められない場合には、歯科・口腔外科を受診してください。

「舌の側面が痛い」がある症状の特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「舌の側面が痛い」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

舌痛症

舌に器質的な異常（舌の細胞や組織の変化・症状）や他の検査でも問題ないにも関わらず、慢性的、持続的に舌に痛みが生じる疾患です。ストレスなどが原因であることが多いです。鎮痛薬は効果がなく、治療法は、ストレスの除去、抗精神薬などの内服、心理療法があります。まずは、口腔外科で精査しましょう。

ドライマウス（口腔乾燥症）

精神的ストレスや内服薬により唾液の分泌量が減少し、口腔内が乾燥する疾患です。口腔内全体が乾燥することで舌に痛みが出ることがあります。口腔乾燥症を特徴とする自己免疫疾患であるシェーグレン症候群という疾患もあります。診断を受けるには、口腔外科の受診が必要です。

舌炎

舌に炎症が起こることの総称です。舌に口内炎ができることも舌炎の一種です。ほかには、ビタミンB12の吸収障害に起因するハンター舌炎などの特殊な疾患があります。治療が不要の場合もありますが、一度歯科・口腔外科で精査しましょう。

舌がん（舌癌）

舌にできる癌です。舌癌は口腔にできる癌の中で最も多い癌です。発赤（赤み）、びらん（ただれ）、潰瘍、硬結（組織の硬化）、腫瘤形成が癌化の兆候とされています。治療法は外科的切除が第一選択ですが、進行度合いにより異なります。疑われる場合には、早めに口腔外科で精査してください。

口腔カンジダ症

カンジダ・アルビカンス（Candida albicans）という真菌の感染による病気です。健康な人では稀で、免疫力が低下すると発症することがあります。年齢的要因、局所的要因(唾液分泌量減少、義歯など)、全身的要因(抗菌薬やステロイドの投与、糖尿病など)があります。典型例では、粘膜に白苔が付着し、痛みを伴いますが、白苔のないものもあります。治療法は、抗真菌薬の使用です。

天疱瘡(てんぽうそう)・指定難病35

表皮または粘膜上皮内に水疱を形成する自己免疫疾患です。頬の粘膜、歯肉、舌など刺激を受けやすい部位に生じやすく、ガーゼで擦ると表皮の一部が簡単に剥離されてしまうニコルスキー現象が特徴です。ステロイドによる治療を行います。

類天疱瘡(るいてんぽうそう)・水疱症

天疱瘡と似ていますが、それよりも深い表皮下に水疱を形成する自己免疫疾患です。天疱瘡と同様に、治療法はステロイドです。

口腔扁平苔癬（こうくうへんぺいたいせん）

粘膜の異常により起こる炎症性の自己免疫疾患です。金属アレルギーなどが関連していることがあります。典型例では、粘膜に白斑を生じ、周囲に発赤を伴います。治療法はステロイド軟膏やうがい薬など状態に応じた治療が必要です。

「舌の側面が痛い」がある症状の正しい対処法は？

疾患によって対処方法が異なります。歯科・口腔外科で正しい対処法を確認しましょう。
舌の側面の痛みで多いのは、口内炎が考えられます。一般的な口内炎であれば、自然治癒しますが、お薬を使用する場合は、まずはステロイドの軟膏を試してみましょう。
また、どの疾患だとしても口の中を清潔にして口腔環境を整えることは大事です。毎日のブラッシングに追加して、フロスなどの補助的清掃用具やうがい薬を使用することをお勧めします。

まとめ

舌が痛いことで考えられる疾患はたくさんあります。
中には命に関わる疾患もあるため、気づいたときは早めに歯科・口腔外科を受診してください。

「舌の側面が痛い」で考えられる病気と特徴

「舌の側面が痛い」から医師が考えられる病気は9個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

見ただけでは診断がつかない病気もあります。また、口内炎など炎症を繰り返す場合、全身的な疾患が隠れている可能性もあります。

「舌の側面が痛い」と関連のある症状

「舌の側面が痛い」と関連している、似ている症状は9個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

「下の側面が痛い」他に、これらの症状が見られる際は、「舌炎」「舌癌」「口腔カンジダ症」「天疱瘡」「類天疱瘡」「扁平苔癬」「口腔乾燥症」などの病気の存在が疑われます。
特に、舌だけでなく口の中でなにか症状が出たときは、一度歯科医院で相談してみてください。