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「口の中に血豆」ができる原因をご存知ですか?医師が解説!

口の中に血豆ができるとき、身体はどんなサインを発しているのでしょうか?ここではMedical DOC監修医が口の中に血豆ができる症状で考えられる病気や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

上之郷 奈菜 歯科医師

監修歯科医師
上之郷 奈菜 歯科医師

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2019年 九州大学歯学部卒業
2020年 東京医科歯科大学病院臨床研修医修了
神奈川県開業医にて勤務後、
愛知県医療法人正翔会
岡崎エルエル歯科・矯正歯科
葵デンタルデザインオフィス
名古屋みなみ歯科・矯正歯科 に勤務中

「口の中に血豆」ができる症状で考えられる病気と対処法

口の中をよく見てみたら血豆ができていたなんて経験はありませんか?実は、口の中は血豆ができやすい場所です。原因はいくつかありますが、ほとんどの場合は自然に治ります。ここでは、原因やどんな時に病院を受診すべきか解説していきます。

口の中に血豆ができる症状の原因と治し方

血豆は、血液が一か所に貯留した結果、赤黒い腫瘤状になったものであり、「血腫(けっしゅ)」と呼びます。血腫は2週間もすれば自然に吸収されます。血豆は歯茎や頬の粘膜など、口の中であればどこにでもできる可能性がありますが、特に舌は、間違えて噛んでしまうことが多いため、血豆ができやすい場所です。そのような場合は、また噛まないように注意し、自然治癒を待ちます。
治癒しない赤黒い腫瘤は血腫ではなく、腫瘍の可能性もあります。心配であれば、まずは歯科・口腔外科を受診しましょう。

口の中を噛んでしまい血豆ができる症状の原因と治し方

噛み合わせや硬いものを噛んだはずみで粘膜を傷つけると、ほっぺの裏側など、口の中に血豆ができてしまうことがあります。
噛んでしまった刺激が加わった一瞬は痛みを伴いますが、時間の経過とともに痛みは軽減し自然に軽快(回復)します。
噛み合わせが原因の場合は、歯科医院で原因を除去できる可能性があります。

口の中の上あご側に血豆ができる症状の原因と治し方

口の中の上あご側の部分にも、血豆のような症状が出現することがあります。上顎側の口腔粘膜は噛む場所ではありませんが、やけどや硬いものなどの刺激によって傷つきやすい場所です。
この場合も時間の経過とともに自然治癒します。柔らかいものを食べて、あまり刺激しないようにして治癒を待ちましょう。

口の中に血豆がよくできる・繰り返す症状の原因と治し方

スペース不足の親知らずがある場合や噛み合わせが悪い場合、間違って口の中を何度も噛んでしまい血豆をくり返すことがあります。
親知らずは、通常18歳頃から歯が生えはじめます。あごが小さい場合は、親知らずが生えるためのスペースがないため、横を向いて生えてしまう、あるいは、歯列からずれた位置に生えてしまうことになります。結果として、口の中を誤って噛んでしまうことがあるのです。
このような場合、親知らずの抜歯や噛み合わせの調整、矯正治療などで改善をはかります。
他にも、頻度は低いのですが、血液疾患などの全身的な原因で血が止まりづらい病態(病状)が隠れているために、血豆が頻発(繰り返す)することもあります。この場合には治療の緊急性を要します。
血豆の症状の改善がなく、原因も思い当たらない場合は、まず歯科・口腔外科を受診しましょう。

すぐに病院へ行くべき「口の中の血豆」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院を受診しましょう。

口の中の血豆が2週間経っても治らない場合は、歯科・口腔外科へ

口の中にできた血豆が2週間経っても改善しない場合、悪性黒色腫などの腫瘍や再生不良性貧血などの血液疾患が疑われます。まずは、歯科・口腔外科の受診をお勧めします。血豆の状態によって、医師が症状に合った診療科を紹介します。

「口の中に血豆」ができる症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「口の中に血豆ができる」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

口腔がん

誤って噛んでしまったなどの機械的刺激が原因ではない場合、血豆と思っていたものが腫瘍であることがあります。
例えば、口の中にできる悪性腫瘍は口腔がんと呼ばれます。中でも、舌に最もできやすく、次いで歯茎にできやすいと言われています。治療は、外科的切除や放射線治療、化学療法などが行われます。がんの発見が遅れて進行してしまうと、治療が難しくなる場合があります。また、悪性腫瘍は、痛みや腫れを伴うことが多いという特徴があります。もし、症状がある場合は、歯科・口腔外科を受診しましょう。

「口の中に血豆」ができるときに飲んでも良い市販薬・塗っても良い市販薬は?

口の中で誤って噛んでしまったことなどによる血腫の場合、刺激を除去し、清潔に保っていれば、自然に治癒するため基本的に薬は必要ありません。
血腫以外の場合では、市販の飲み薬や塗り薬は悪影響を与える可能性があるため、使用しない方が良いでしょう。歯科・口腔外科に相談してください。

「口の中に血豆」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「口の中に血豆」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

口の中に大きい血豆ができました。治したいので潰しても大丈夫ですか?

上之郷 奈菜 歯科医師上之郷 奈菜 歯科医師

血豆を無理につぶしてしまうと、感染する可能性があります。触らないでおきましょう。

口の中を噛んでいないのに血豆ができるのですが、何科にかかるべきでしょうか?

上之郷 奈菜 歯科医師上之郷 奈菜 歯科医師

噛んでいないと思っていても、無意識な食いしばりや寝ている間の歯ぎしりが原因となっていることもあります。そうでない場合、他の疾患の可能性があります。まずは、歯科・口腔外科の受診をお勧めします。

赤ちゃんの口の中に血豆ができている場合、どう対処したら良いですか?

上之郷 奈菜 歯科医師上之郷 奈菜 歯科医師

乳歯は、通常生後8か月頃から生え始めますが、それよりも前に生えてくる歯を先天歯と呼びます。先天歯により粘膜を傷つけて、血腫ができる場合があります。この場合、先天歯の角を丸める治療を行うことで改善することが期待できます。改善がない場合は、別の疾患の可能性があるため歯科・口腔外科に相談しましょう。

口の中に血豆ができる症状とがんに関係はありますか?

上之郷 奈菜 歯科医師上之郷 奈菜 歯科医師

血豆だと思っていたものが悪性腫瘍(がん)である場合があります。2週間経っても改善しない場合は、歯科・口腔外科を受診しましょう。

まとめ

口の中の血豆のほとんどの原因は、機械的刺激による外傷です。しかし、まれに命に関わる病気が潜んでいます。心配な場合は、病院を受診して詳しい検査を受けましょう。

「口の中の血豆」で考えられる病気と特徴

「口の中に血豆ができる」から医師が考えられる病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedicalDOCの解説記事をご覧ください。

口腔外科の病気

  • 血管腫
  • 口腔悪性腫瘍(口腔がん)

血液内科の病気

「血腫の原因に血液疾患が潜んでいた」、「血腫と思っていたものが腫瘍だった」という場合もあります。中には、命に関わる病気もあるため、診断が重要となります。

「口の中の血豆」と関連のある症状

「口の中に血豆ができる」と関連している、似ている症状は2個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについては詳細リンクからMedicalDOCの解説記事をご覧ください。

この記事の監修歯科医師