内藤先生
藤井さんは腸活にハマっているとのことですが、きっかけはなんだったのですか?
藤井さん
3年くらい前に、肌荒れが原因で、顔がひどく腫れてしまったんです。そのとき受診した皮膚科の先生から腸をきれいにすることが大事だと教わり、それがきっかけで腸活を始めました。
内藤先生
なるほど。もう3年も腸にいいことを実践されてるのですね。普段の食生活は腸内環境に影響を及ぼしますので、まずは“食”の観点から藤井さんの腸活を確認していきましょう。事前に藤井さんの食事の例を写真で見せてもらったのですが、率直な感想としては、“肉が多い”ですね(笑)。
藤井さん
いきなりダメ出し(笑)!? お肉大好きなんです~。肉が多いと、腸活に悪影響なのでしょうか?
内藤先生
肉の動物性脂肪は、腸内環境に好ましいとはいえないんです。長寿の人が多い地域では、畑から収穫できるものが中心の食生活を送っています。動物性脂肪を摂る場合は、肉より魚の方が好ましいですね。魚の油は不飽和脂肪酸が多いので、コレステロールを減らしてくれますから、魚を食べてみてください。根菜、豆類も大事ですよ。
藤井さん
わかりました。もう一つ、事前に見ていただいたチェックシートの結果はいかがでしょうか?
内藤先生
悪くはないです。大事なのは、自分の腸内環境がどう作られたかを知ることです。
藤井さん
自然分娩で生まれたかどうかとか、兄弟がいるかとか、田舎育ちかとか、ペットがいるかとか。これらが腸内環境に関係あるのですか?
内藤先生
人間は、お母さんのお腹にいるときから2歳~3歳くらいまでに、腸内細菌の種類がある程度決まります。つまり、乳幼児のころの環境が、すごく大きく影響するのです。さまざまな種類の菌に多くふれて育つことは、腸内のよい菌の種類を増やすのに役立つんです。
藤井さん
小さいころに、都心など清潔すぎる環境で育つと、大人になってから病気に対して抵抗力が弱くなるようなイメージ、確かにあります。
内藤先生
そうです。やっぱり、田舎で産まれて育ったひとたちのほうが圧倒的にアレルギーも少ないですし、長寿ですね。もちろんお母さんのお腹のなかにいるとき、お母さんが食べたものとの関係によっても違います。
藤井さん
大人になってから腸活を頑張っても、あまり意味がないのでしょうか?
内藤先生
そんなことはありません。たとえば牛乳を飲めない人、たくさんいますよね。でも、牛乳を分解できなくても、お腹にいる菌のエサになってくれれば意味はあります。乳製品を摂ることはビフィズス菌のためにいいですから。
藤井さん
よかったです。先生は普段どんな食生活をされているんですか?
内藤先生
毎朝、スペシャルスムージーと、食物繊維をサプリメントで摂っています。
藤井さん
スムージーにはなにを入れていますか?
内藤先生
豆乳とバナナとハチミツと抹茶青汁を。
藤井さん
わあ! 私と一緒です(笑)
内藤先生
よかったです。朝はサラダだけという女性が多いですからね。覚えておいてほしいのが、野菜サラダでは食物繊維がほぼ摂れないということ。野菜ってほぼ水なんです。さつま芋やごぼうには豊富に含まれていますが、私は通常の食事で食物繊維を摂りにくいので、毎日5g、サプリメントで補っています。
藤井さん
さきほど、私の夜の食事は肉が多すぎるといわれましたが、他に注意した方がいいことはありますか?
内藤先生
たんぱく質を摂るならば、豆で摂りましょう。
藤井さん
豆をたくさん摂ると、お腹が張るんです。
内藤先生
量を調節しながら、チャレンジしてください。あとは、白い米より玄米、食パンより全粒粉のパンを選ぶクセをつけましょう。白い砂糖も避けて、甜菜糖にするなど、色のついたものを摂るイメージで。サラダ油ではなく、黄金色の米油や緑のオリーブ油にと、徹底するといいですよ。それと、塩分は1日7~8gにおさえましょう。
藤井さん
豆を摂ることと塩分を控える以外は、実践できているかもしれません。果物はどうでしょうか?
内藤先生
ジュースを飲むのではなく、リンゴを皮ごと食べるとか、みかんを房ごと食べるとか、きちんと果物のかたちのまま食べるといいですね。食物繊維も摂れますから。ナッツ類もいいのですが、フライしていないもの、塩分が足されていないものを選んでください。
藤井さん
わかりました、やってみます! 食事以外の腸活についてもおききしたいのですが。
内藤先生
女性の間で流行っている、腸マッサージとか?
藤井さん
はい。お腹を指で押して、腸に刺激が届くようにしています。
内藤先生
お腹に脂肪が少ないひとには、効果的ですね。外からの刺激でも、腸の動きを活発化させることができます。
藤井さん
効果的と聞いて安心しました。続けてみます。お肉は食べてしまっていますが、食事に気をつけて、腸マッサージをして適度に運動もしているので、私の腸活、けっこういい感じですよね? 先生は食事以外の腸活として、なにをされていますか?
内藤先生
うーん、寝る(笑)。
藤井さん
よく寝る(笑)。
内藤先生
やっぱり早寝早起きは大事です。規則正しい生活をしていると、腸がきちんと活動してくれるので太りにくいですし、疲れも取れやすいんです。お腹の調子が悪いと感じたときは、よく寝てくださいね。
藤井さん
早寝早起き、規則正しい生活、実践します。