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肩こり改善の「正しい筋力強化やストレッチ方法」 初期・慢性期それぞれ解説

 更新日:2023/12/05
肩こり改善の「正しい筋力強化やストレッチ方法」 初期・慢性期それぞれ解説

肩こりが当たり前のものになっている人も多いはず。しかし、肩こりは正しい方法で筋力強化をしたり、ストレッチをしたりすることで、症状を解消したり軽減したりすることも期待できます。一体どうすればいいのか、世田谷総合鍼灸整骨院の島崎先生に聞きました。

島崎 建

監修柔道整復師
島崎 建(世田谷総合鍼灸整骨院)

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2013年、世田谷区三軒茶屋に「世田谷総合鍼灸整骨院」開院。モットーは「じっくり聞いて、しっかり効く」。待たせない、通いやすい整骨院を心がけている。柔道整復師、鍼灸師。

肩こりの初期段階と慢性段階の違いは?

肩こりの初期段階と慢性段階の違いは?

編集部編集部

肩こりには初期段階や慢性段階など、段階の違いがあるのですか?

島崎建先生島崎先生

はい。初期段階は肩がこっても、痛みとして感じることはあまりなく、「重だるい感じ」「肩が重い」などの感覚があるかもしれません。

編集部編集部

なぜ慢性化するのですか?

島崎建先生島崎先生

初期段階であれば、揉んだりストレッチをしたりすることで重だるい感じは解消されると思います。しかし、そもそも肩こりが起きるのには理由があり、その理由を正さない限り、一時的に症状が改善してもまたぶり返すことになってしまいます。その結果、肩こりが慢性化してしまい、痛みを感じるようになるようです。肩などの患部だけでなく、頭痛や眼精疲労が起きることもあり、症状は非常に広範囲に及びます。

編集部編集部

肩こりの原因とはなんですか?

島崎建先生島崎先生

多くの場合、長時間同じ姿勢を継続することで起こっていると思います。長い時間、同じ姿勢で居続けると筋肉が血管を圧迫して、血流を滞らせてしまいます。特に、お仕事でデスクワークが中心の人は、肩こりを生じやすいでしょう。

編集部編集部

そのほか、原因はありますか?

島崎建先生島崎先生

ずばり不良姿勢です。普段から猫背だったり、ヘッドフォワード(頭頸部が前方に出ている)と呼ばれる前傾姿勢だったりするのも肩こりの原因になると思います。最近ではスマホやパソコンを使う時間が長い人も多いので、どうしても首が前に出やすく、そのため肩こりを招きやすいのです。

編集部編集部

肩こりの原因は、そのほかにも根が深そうです。

島崎建先生島崎先生

はい。筋力の低下やストレスも肩こりの原因になり得ます。特に加齢や運動不足によって筋力が低下すると、体を支えようとして筋肉が硬くなりがちです。その結果、日常のちょっとした動作でも肩に力が入り、肩こりを生じさせやすいのです。

編集部編集部

ストレスも関係しているのでしょうか?

島崎建先生島崎先生

ストレスが溜まると交感神経が優位になります。交感神経には筋肉を緊張させる働きがあるため、その結果血管が収縮して血流が悪くなり、肩こりを引き起こしやすくなるのです。

編集部編集部

さまざまなことが肩こりに関係しているのですね。

島崎建先生島崎先生

ストレスが溜まっていたり、眼精疲労がひどかったりするとどうしても睡眠の質が悪くなります。そうすると交感神経が優位になって筋肉が緊張状態になり、ますます肩こりが悪化するという負のサイクルが始まります。肩こりにとって睡眠の質は、非常に重要な要素と言えそうです。

肩こりを改善するには?

肩こりを改善するには?

編集部編集部

肩こりを改善するにはどうしたら良いのでしょうか?

島崎建先生島崎先生

まず初期段階であれば、マッサージをしたり、整体の施術を受けたりして筋肉をほぐすとともに、血流を良くすることで症状改善が期待できると思います。ただし、それだけではそもそも肩こりが起きる原因が改善されていないため、何度もぶり返してしまいがちになると思います。そのため、肩こりを引き起こす原因を断つ必要があると思います。

編集部編集部

具体的にはどうしたら良いのですか?

島崎建先生島崎先生

まずはストレッチを行って、柔軟性を高めると良いでしょう。肩こりは筋肉が緊張して硬くなっている状態と考えられます。そのため、ストレッチで柔軟性を高めることで、症状の緩和が期待できます。

編集部編集部

具体的にはどんなストレッチが良いのですか?

島崎建先生島崎先生

肩周りの筋肉の緊張を緩めると良いと思います。特に肩甲骨周りの筋肉を動かすと肩全体の血流が良くなり、肩こりが解消されるはずです。僧帽筋、肩甲挙筋、菱形筋は肩こりに関連する筋肉なので、これらを動かすと良いでしょう。

編集部編集部

ほかには、どんな運動が良いのでしょうか?

島崎建先生島崎先生

ウォーキングや簡単なエクササイズもおすすめです。ウォーキングをする時には、しっかりと腕をふって肩周りの血流を良くすることを意識しましょう。それから、適度な筋力トレーニングも肩こりの解消には効果的だと思います。

編集部編集部

なぜ、筋力トレーニングが肩こり解消に役立つのですか?

島崎建先生島崎先生

たとえば肩甲骨周辺の筋肉を強化すると、正しい姿勢を維持することができるようになり、肩こりの解消に役立つと思われます。また肩とつながっている首や上腕の筋肉を鍛えると、凝り固まっていた筋肉の柔軟性が回復し、血流が良くなって肩こりの解消が期待できます。

編集部編集部

いろいろなトレーニングが肩こりの改善に役立つのですね。

島崎建先生島崎先生

ヘッドフォワードの姿勢が定着すると左右の肩甲骨が離れてしまい、肩甲骨を背中の中心へ引き寄せることができなくなってしまうこともあります。そのため、普段からヘッドフォワードになっていないか気をつけていただき、顎を引いた状態で肩甲骨を引き寄せる筋肉(僧帽筋、菱形筋、前鋸筋などの背筋群)をしっかり鍛えると良いでしょう。また、肩甲骨を引き寄せて胸を張った姿勢を維持するバストバンドも市販されているので、そのような装具を活用してトレーニングするのも良いと思います。

筋力強化やストレッチを行う時に気をつけること

筋力強化やストレッチを行う時に気をつけること

編集部編集部

筋力強化やストレッチを行う時に気をつけるべきことはありますか?

島崎建先生島崎先生

まずは、過度にやりすぎないということです。そもそも筋力トレーニングは筋肉の繊維に一定の負荷をかけ、筋肉が再生する力を利用して、一層筋肉を強化するものです。その際にはただ筋肉を追い込むだけでなく、休ませることも必要です。そのため、筋力トレーニングだけをひたすらやっていてはかえって肩こりを悪化させてしまいます。毎日連続して行ったり、同じ部位を立て続けにトレーニングしたりしないようにしましょう。

編集部編集部

ほかに気をつけることはありますか?

島崎建先生島崎先生

ストレッチや筋力トレーニングをする時には、正しい姿勢を維持するようにしましょう。それから、肩こりの改善というと、どうしても背中側の筋肉ばかりに目がいきがちですが、胸周りの胸筋をほぐし、ストレッチすることも大切。胸周りの筋肉を伸ばすと姿勢が改善され、肩こりも緩和します。

編集部編集部

マッサージで肩こりを改善することはできますか?

島崎建先生島崎先生

マッサージだと筋肉の表層に刺激がとどまり、深層部をほぐすことは困難。肩こりの初期段階であればマッサージは有効ですが、慢性期になったら鍼灸がおすすめです。また整形外科の領域では、硬くなった筋肉を柔らかくする注射もあるので、そのような治療を活用しても良いでしょう。

編集部編集部

マッサージや鍼灸などの施術に加えて、ストレッチや筋力トレーニングを行うことが必要なのですね。

島崎建先生島崎先生

筋力トレーニングやストレッチを行っても改善しない場合には、もしかしたら内科的な疾患が隠れているかもしれません。また、単なる肩こりではなく、ほかのケガや疾患が影響しているかもしれません。なかなか肩こりが改善しない場合には専門医を受診することも必要です。

編集部編集部

最後に、Medical DOC読者へのメッセージがあれば。

島崎建先生島崎先生

肩こりを改善するには、マッサージや鍼灸、整形外科領域での治療、ストレッチ、筋力トレーニングなどさまざまな手法がありますが、多くの現代人は多忙なので、そのような治療を継続するのは難しいのかもしれません。その場合、まずは入浴することから始めてもOKです。お風呂に入ると血流が良くなり、自然と肩こりが緩和されるます。毎日シャワーで済ませている人は、ぜひ、お風呂に入ってみてください。翌日の肩の具合がいつもと違うのが感じられると思います。入浴する時にはあまり熱すぎず、気持ち良くお湯に浸かっていられるくらいの温度がおすすめ。肩こりに悩む人は、ぜひ入浴を習慣化することから始めてみましょう。

編集部まとめ

頭痛や眼精疲労の原因が肩こりだった、というように、肩こりは単に肩だけに症状が出るのではなく、全身に影響をもたらすこともあります。そのため、初期のうちにしっかり対処することが肝心。ストレッチや筋力トレーニングを習慣化して、肩こり知らずの体を手に入れましょう。

院情報

世田谷総合鍼灸整骨院

世田谷総合鍼灸整骨院
所在地 〒154-0023 東京都世田谷区若林1丁目8-8
アクセス 東急線田園都市線・世田谷線「三軒茶屋駅」より徒歩8分
東急線世田谷線「西太子堂駅」より徒歩6分
東急線世田谷線「若林駅」より徒歩6分
診療科目 整骨院

この記事の監修柔道整復師