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朝食を抜くと「脳出血」リスクが高まることはご存じですか? 発症しやすくなる生活習慣も医師が解説

 更新日:2025/07/04

大阪大学大学院医学系研究科の研究員らは、日本人における朝食の摂取頻度と脳卒中や脳出血の発症リスクの関連を前向きコホート研究として検証しました。この内容について勝木医師に伺いました。

勝木 将人

監修医師
勝木 将人(医師)

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2016年東北大学卒業 / 現在は諏訪日赤に脳外科医、頭痛外来で勤務。 / 専門は頭痛、データサイエンス、AI.

研究グループが発表した内容とは?

大阪大学大学院医学系研究科の研究員らが発表した内容を教えてください。

勝木 将人先生勝木先生

今回紹介する研究は、大阪大学大学院医学系研究科および国立がん研究センターによって実施されました。調査は1995~2010年にかけておこなわれ、心血管疾患やがんの既往歴がない45~74歳までの男女約8万人を対象に、朝食の摂取頻度とその後の疾患発症の関連を解析しました。追跡期間中に4642件の心血管疾患が確認され、そのうち脳卒中は3772件、冠動脈疾患は870件でした。 解析の結果、朝食を全く摂らない人は、毎日摂取する人と比べて脳卒中や脳出血を発症しやすくなることが明らかになりました。特に脳出血では36%もリスクが上昇していました。一方で、朝食の摂取頻度と冠動脈疾患の間には明確な関連はみられませんでした。 この研究結果から、朝食を習慣的に摂取することが、脳卒中の予防に役立つ可能性があると考えられます。ただし、食事内容や生活習慣全体が反映された結果である可能性も否定できないため、単純に朝食の有無だけでリスクを判断することには注意が必要です。今後は食事の質やライフスタイルを含めた詳細な検討が望まれます。

研究テーマになった脳出血とは?

今回の研究テーマに関連する脳出血について教えてください。ほかにも、脳出血のリスクを高める生活習慣があれば教えてください。

勝木 将人先生勝木先生

脳出血は、主に高血圧が引き金となる病気であるため、血圧管理が最も重要な予防策です。今回の研究でも、朝食を摂らない人は脳出血のリスクが高まると示されており、規則正しい食生活の大切さが再確認されました。 そのほかにも、寒い季節の脱衣所での急激な温度変化、便秘によるいきみ、過度な飲酒や喫煙なども発作の引き金になることがあります。また、全身に慢性的な炎症があると血管が傷つき、脳出血のリスクが高まります。特に、高血圧患者は日頃から塩分を控え、適度な運動とバランスの良い食事を心がけましょう。

脳出血に関する研究内容への受け止めは?

大阪大学大学院医学系研究科の研究員らが発表した内容への受け止めを教えてください。

勝木 将人先生勝木先生

この研究は、日本人を対象とした大規模な前向きコホート研究であり、信頼性の高いエビデンスと言えます。朝食の欠食が脳出血リスクと関連していたことは興味深く、特に高血圧を背景に持つ人にとっては、生活習慣の見直しにつながる重要な知見だと思います。ただし、観察研究である以上、因果関係を断定することはできず、朝食欠食がほかの不健康な生活習慣と同時に存在している可能性もあります。今後は介入研究などにより、朝食摂取が脳血管疾患予防にどの程度寄与するのか、さらに検証が進むことを期待しています。

編集部まとめ

朝食と脳出血リスクの関連が日本の大規模調査で明らかになりました。高血圧や不規則な生活も脳出血のリスク要因の1つです。まずは朝の一食を大切にし、生活を整えることから始めてみましょう。

この記事の監修医師