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新型コロナ・インフルエンザ ワクチン「同時接種」でも副反応の増加なし 研究で証明

 公開日:2024/11/27

アメリカのデューク大学らの研究グループは、新型コロナウイルスのmRNAワクチンとインフルエンザワクチンについて、同時接種と逐次接種とで副反応の発現に違いがあるか調べた結果、同時接種でも副反応の発現に違いがないという研究結果を発表しました。この内容について中路医師に伺いました。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

研究グループが発表した内容とは?

アメリカのデューク大学らの研究グループが発表した内容を教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

今回紹介する研究報告はアメリカのデューク大学らの研究グループによるもので、研究成果は学術誌「JAMA Network Open」に掲載されています。

研究対象となったのは、2021年10月~23年6月にアメリカで新型コロナウイルスのmRNAワクチンとインフルエンザワクチンの接種を希望する、妊娠していない5歳以上の335例です。335例は、2つのワクチンを同時接種するグループに169例、逐次接種するグループに166例に振り分けられました。得られたデータを解析したところ、接種後7日間に発現した発熱、悪寒、筋肉痛または関節痛の複合などの発現率は、逐次接種グループでは31.3%だったのに対し、同時接種グループでは25.6%となりました。この結果から、逐次接種に対する同時接種の非劣性、つまり副反応の発現は増加しないことが示されました。

研究グループは「新型コロナウイルスのmRNAワクチンとインフルエンザワクチンの同時投与と逐次投与を評価したこの無作為化臨床試験では、反応原性は両群で同等であった。これらの所見は、これらのワクチンの同時投与の選択肢を支持するものである」と結論づけています。

ワクチン同時接種で留意すべき点は?

今回紹介した研究では、新型コロナウイルスのmRNAワクチンとインフルエンザワクチンを同時接種しても、副反応の発現に違いはないことが明らかにされましたが、同時接種する際に気をつけるべき点はありますか?

中路 幸之助 医師中路先生

ワクチン接種によるなんらかのアレルギー反応の出現は、同時接種か否の問題ではなく、それぞれのワクチンによります。したがって、どちらかのワクチン接種で強いアレルギー反応がみられた人は、そのワクチンを接種することは困難です。また、接種部位に関して、2つのワクチンを左右別々の腕に接種することで、両腕に痛みが出ることもあるでしょう。

研究内容への受け止めは?

アメリカのデューク大学らの研究グループが発表した内容について、受け止めを教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

「研究対象者に高齢者や子どもが少ない」「妊婦が除外されている」「海外データである」ことなどから、現時点の日本において今回の結果を受け入れるには、さらなる検討が必要です。ただ一方で、同時接種を支持する研究として大変興味深いものであると考えます。

編集部まとめ

アメリカのデューク大学らの研究グループは、新型コロナウイルスのmRNAワクチンとインフルエンザワクチンについて、同時接種と逐次接種とで副反応の発現に違いがあるか調べた結果、同時接種でも副反応の発現に違いがないという研究結果を発表しました。
今後も新型コロナとインフルエンザが同じ時期に流行することも十分考えられる中で、こうした研究結果はワクチンを接種するタイミングを考える時に参考になりそうです。

この記事の監修医師