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新型コロナ後遺症 医療従事者向け手引を改訂

公開日:2022/05/10  更新日:2022/05/12
新型コロナ後遺症 医療従事者向け手引を改訂

厚生労働省は新型コロナウイルス感染症の後遺症の診断方法などを示した医療従事者向け手引を改訂しました。このニュースについて甲斐沼先生にお話を伺います。

甲斐沼孟医師

監修医師
甲斐沼 孟(医師)

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2007年大阪市立大学医学部医学科卒業、2009年大阪急性期総合医療センター外科後期臨床研修医、2010年大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、2012年国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、2013年大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、2014年国家公務員共済組合連合会大手前病院救急科医員、2021年国家公務員共済組合連合会大手前病院救急科医長。
著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など多数。
日本外科学会専門医 日本病院総合診療医学会認定医など。

改訂された医療従事者向け手引きの内容は?

厚生労働省が改訂した医療従事者向け手引きの内容について教えてください。

甲斐沼孟医師甲斐沼先生

今回、厚生労働省が改訂したのは、後遺症についての診療の手引きになります。新型コロナウイルス感染症診療の手引き」の別冊にあたる「罹患後症状のマネジメント」というタイトルがつけられています。この手引きは感染症の専門家などで作る委員会が医療関係者向けにまとめたもので、2021年12月に出した暫定版を改訂して今回第1版として公表されました。手引きでは、感染後に少なくとも2か月以上続く後遺症を罹患後症状としていて、症状の種類ごとに知見や診療の流れを提示しています。また、リハビリテーションや職場など社会復帰に向けた医療的な支援などについても具体的な事例を挙げて紹介していています。

後遺症の現状は?

後遺症の現状について教えてください。

甲斐沼孟医師甲斐沼先生

新型コロナウイルス感染症に罹患したのち、一定期間の治療や療養が終わっても症状が長引いて後遺症として認識される場合があります。厚生労働省の研究によれば、2020年9月~2021年5月までにCOVID-19で入院した中等症以上の重症度を呈する症例において、退院してから3か月後に撮影した肺CT画像にて異常所見があった割合は353例中190例(約54%)でした。
また、2020年1月からおよそ1年間かけて実施された研究では、COVID-19 PCR検査で陽性と判明して入院した症例(N=246例)のなかで、診断後6か月経過しても残存している症状頻度は、倦怠感21%、息苦しさ13%、睡眠障害や集中力低下11%であり、嗅覚味覚障害は9%と他の症状に比べて低い数値でした。

手引きは医療現場でどう役立てられる?

今回改訂された手引きは医療現場でどのように役立つと考えられますか?

甲斐沼孟医師甲斐沼先生

今回改訂された手引きに基づいて実際の医療現場で、コロナ患者やその家族に後遺症の実態、各症状別の頻度や割合などを分かりやすく説明することができて、大変有意義であると考えられます。
また、新型コロナウイルス感染症を発症した後に少なくとも2か月以上有意症状を認めるケースでは、後遺症と捉えて、その症状ごとに科学的な知見を示すことでスムーズな診療を提示できるものと期待されます。
さらに、実診療のみならず社会復帰を目指したリハビリテーションや詳細な医療支援などに関しても具体的に提案することを補助・サポートしてくれる有益な情報と考えられます。

まとめ

厚生労働省が新型コロナウイルス感染症の後遺症の診断方法などを示した医療従事者向け手引を改訂したことが、今回のニュースで明らかになりました。今回の手引きは、必要に応じて新たな科学的知見を取り入れて改訂を継続的に行う予定とのことです。