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新型コロナワクチン3回目接種後に女子中学生が死亡「因果関係否定できず」

 公開日:2023/08/04
新型コロナワクチン接種後に14歳死亡 「因果関係否定できず」と公表

厚生労働省は、2022年8月に新型コロナウイルスワクチンの接種後に死亡した女子中学生について、「接種と死亡との因果関係が否定できない」と専門家が評価したことを公表しました。ワクチン接種と死亡との因果関係が否定できないと判定されたのは2例目です。このニュースについて中路医師に伺いました。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

厚生労働省が公表した内容とは?

厚生労働省が公表した新型コロナウイルスのワクチン接種後に死亡した事例について教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

厚生労働省は7月28日に開かれた専門部会で、新型コロナウイルスワクチンの接種後に死亡した事例の中で、接種と死亡との因果関係が否定できない事例があったことを公表しました。ワクチン接種後に死亡したのは当時14歳だった女子中学生でした。この女子中学生は2022年8月10日、アメリカのファイザー製ワクチンの3回目接種を受けました。接種の翌日、女子中学生は熱を出しましたが、同じ日の夕方には回復したとのことです。ところが発熱の翌日、8月12日の午前に母親が呼吸をしていない状態の女子中学生を発見し、救急搬送先で死亡が確認されました。死因は心筋心膜炎による不整脈と心不全だったとのことです。女子中学生に持病はなく、感染症やアレルギーなども認められませんでした。このことから専門家は、「ワクチン接種によって心筋心膜炎が生じたと考えて矛盾しない」との見解をまとめました。

今回の事例を巡っては、司法解剖をおこなった徳島大学が2023年3月に、ワクチン関連の死亡だとする論文を医学誌に発表していました。新型コロナウイルスのワクチン接種後に死亡した事例は、これまでに2000件以上が専門部会に報告されていますが、ほとんどが情報不足などで評価不能とされています。今回の公表のように「因果関係は否定できない」とされたのは、2022年11月にファイザーのワクチン接種後に亡くなった愛知県の女性に続いて2例目になります。

公表内容への見解は?

「接種と死亡との因果関係が否定できない」と判定されたのは今回公表された事例で2例目ですが、受け止めを教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

まず、今回お亡くなりになられました方のご冥福を心よりお祈り申し上げます。女性はアレルギーや別の感染症の兆候がないのに加え、ワクチン接種後比較的短い期間で心筋心膜炎を起こしていることから、ワクチンの接種による副反応との因果関係が考えられました。また、今回の事例は医学論文に公表されており、十分な情報のもと部会でその因果関係ついての発表がなされたものと思われます。ワクチン接種後に胸痛や呼吸困難などの症状がある場合は早期の医療機関への受診が推奨されます。

新型コロナウイルスのワクチン接種後にみられる副反応は?

新型コロナウイルスのワクチン接種したとき、どのような副反応がみられるのでしょうか?

中路 幸之助 医師中路先生

ワクチンの添付文書によると、ファイザー製のワクチンでは50%以上の確率で、接種部位の痛み、疲労、頭痛が起きるとされています。また、10~50%の確率で筋肉痛、悪寒、関節痛、下痢、発熱、接種部位の腫れが、1~10%の確率で、吐き気や嘔吐の副反応があるとされています。

モデルナ製では、50%以上の確率で、接種部位の痛み、疲労、頭痛、筋肉痛が起きるとされ、10~50%の確率で関節痛、悪寒、吐き気・嘔吐、リンパ節症、発熱、接種部位の腫れ、初赤・紅斑が、1~10%の確率で、接種後7日以降の接種部位の痛みや腫れ・紅斑があるとされています。ファイザー製、モデルナ製のワクチンでは、心筋炎や心膜炎を疑う事例が報告されています。

武田薬品製のワクチンでは、50%以上の確率で、接種部位の痛み、疲労、頭痛、筋肉痛が起きるとされ、10~50%の確率で倦怠感、関節痛、吐き気・嘔吐が、1~10%の確率で、発熱、接種部位の腫れ、発赤・紅斑があるとされています。また、稀な頻度でアナフィラキシーが発生したことが報告されています。

まとめ

厚生労働省が、2022年8月に新型コロナウイルスワクチンの接種後に死亡した女子中学生について、「接種と死亡との因果関係が否定できない」と専門家が評価したことを公表したことが今回のニュースでわかりました。厚生労働省の専門部会にはワクチン接種後の死亡について2000件以上報告されていますが、今回の公表例は2例目となります。

この記事の監修医師