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夏休みシーズンの新型コロナ対策呼びかけ「必要な場面でマスク着用を」加藤厚労大臣

 公開日:2023/07/27
加藤厚労相 夏休みシーズンの新型コロナ対策呼びかけ

加藤厚生労働大臣は、夏休みシーズンに高齢者と会う際は、手洗いや換気、マスクが効果的な場面での着用など、新型コロナウイルスの基本的な感染対策を心がけるように呼びかけました。この内容について中路医師に伺いました。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

新型コロナウイルスの感染状況は?

新型コロナウイルスの感染が増加傾向にありますが、現在の状況について教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

2023年7月10日から7月16日までの1週間に、全国およそ5000の医療機関から報告された新型コロナウイルスの患者数は5万4150人でした。また、1医療機関あたりの平均の患者数は11.04人で前週の約1.21倍となり、増加傾向が続いています。

都道府県別に1定点あたりの患者数を分析すると、沖縄県が31.83人と突出して増加しています。ただし、前週と比べると9.84人減少しています。次に多くなったのが、佐賀県で23.05人、次いで宮崎県で20.79人、鹿児島県で19.08人、長崎県で16.66人などとなっており、43の府県で前週より増加しています。

年代別にみると、10歳未満は定点あたり1.93人と最も多く、10~14歳は1.53人、15~19歳は0.99人、20代は1.05人、30代は1.08人、40代は1.27人、50代は1.19人、60代は0.78人、70代は0.66人、80歳以上は0.56人となりました。

加藤厚生労働大臣の呼びかけ内容とは?

加藤厚生労働大臣が閣議後の会見で呼びかけた内容について教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

加藤厚生労働大臣は2023年7月18日の閣議後の会見で、新型コロナウイルスの定点観測により感染増加傾向にあることを指摘しました。その上で、加藤厚生労働大臣は「全国の都道府県に対して、入院対象者の考え方の統一、入院先決定の優先順位、いわゆる重症患者を優先していくこと、また地域での医療機関の特性に応じた役割分担の明確化など、移行計画の下で感染拡大局面においても必要な入院体制が適切に稼働するよう前もって関係者間で合意することについて留意事項を取りまとめ、7月14日に事務連絡を発出したところです」と述べています。

また、夏休みシーズンの新型コロナウイルス対策については「旅行や帰省などの機会も増えることになりますが、高齢者や基礎疾患のある人が感染すると重症化リスクも引き続き高いため、そうした点を留意していただきたい。旅行や帰省などをされる人たちにおかれては、高齢者と会う場合あるいは大人数で集まる場合は感染予防を心がけていただく、また体調を整えて、体調に課題がある場合には会うのを控えていただければと思います」と述べ、高齢者と会う際には特に感染対策に気をつけるように呼びかけました。

一方で、マスクを着用した場合には熱中症のリスクについても触れており、「こまめに水分補給するなど十分注意するとともに、少し異変があれば周囲から積極的な声かけをしていただきたい」と注意喚起しています。

加藤厚生労働大臣の呼びかけに対する受け止めは?

加藤厚生労働大臣の呼びかけについての受け止めについて教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

過去3年間の新型コロナウイルスの感染状況をみても、いずれも夏休み中に大きな流行があったため、今年の夏休みも同様の流行が予想されます。ただし、これまでは新しい変異株が出現して感染が拡大していましたが、現在流行しているXBB株はあくまでオミクロン株の亜型であり、全く新しい変異株ではありません。そのため、以前の流行と比較してどのように感染が拡大していくのか、注意深く経過観察していく必要があると考えます。また、行動規制のない5類移行に伴う行事や会合の復活によって、夏休みの新型コロナウイルス感染拡大に拍車をかける可能性があります。以前のような厳しい規制の必要はありませんが、感染状況に合わせてメリハリのある感染対策の強化が必要と考えられます。

まとめ

加藤厚生労働大臣は、夏休みシーズンに高齢者と会う際などに、手洗いや換気、マスクの効果的な場面での着用など、新型コロナウイルスの基本的な感染対策を心がけるように呼びかけました。全国的に増加傾向が続く中で、状況に対して適切な対応が求められます。

この記事の監修医師