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10月から始まる新型コロナワクチン定期接種、レプリコン含む5製品の使用を了承 厚労省

 公開日:2024/09/27

厚生労働省のワクチン分科会は、今シーズンの定期接種の新型コロナウイルスワクチンに関して、「レプリコンワクチン」と呼ばれる新しいタイプの自己増殖型ワクチンを含む5製品の使用を了承しました。この内容について中路医師に伺いました。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

厚生労働省の専門家部会が了承した内容とは?

厚生労働省の専門家部会が了承した内容について教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

厚生労働省のワクチン分科会は、2024年10月1日から始まる今シーズンの新型コロナウイルスワクチンの定期接種で使うワクチンに関して、レプリコンワクチンを含む5製品の使用を了承しました。5製品は、いずれもJN.1に対応しています。定期接種の対象者は、65歳以上の高齢者と基礎疾患のある60~64歳の人です。承認されたワクチンを種類別に見ると、ファイザーなど3社のmRNAワクチン、Meiji Seikaファルマによるレプリコンワクチン、武田薬品工業の組み換えタンパクワクチンとなっています。

今回のニュースで注目すべき点は、新しいタイプのワクチンであるレプリコンワクチンの使用が承認された点です。レプリコンワクチンについては、2024年9月12日に開かれた厚生労働省の専門家部会で、製薬会社のMeiji Seikaファルマが開発した「コスタイベ」の製造販売の承認・了承がおこなわれ話題になりました。Meiji Seikaファルマがおこなった臨床試験では、コスタイベの接種後1カ月時点で、血中の中和抗体量は接種前の8倍、半年時点でも4倍の数値が確認されたとのことです。海外製の承認済みワクチンと比べて中和抗体量が高く、副反応の頻度に違いがみられなかったことも示されています。

レプリコンワクチンとは?

今回の承認で注目を集めるレプリコンワクチンという新しい種類のワクチンについて、もう少し詳しく教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

レプリコンは日本語で「自己増殖型」と表現され、レプリコンワクチンは接種後の一定期間、ウイルスの働きを抑える中和抗体の産生につながるmRNAが体内で増える特徴を持っています。この特徴を活用することで、接種量は従来の6分の1から20分の1で済み、少量の接種で効果が長く続きます。

レプリコンワクチンは、従来のmRNAワクチンを改良したワクチンになります。実際に、ARCT-154というレプリコンワクチンを対象にした臨床試験では、重症化予防効果が95.3%、発症予防効果が56.6%という結果が示されています。また、ARCT-154を追加接種した場合もウイルスに対する中和抗体価が6カ月以上持続することが確認された研究結果も示されています。

今回のニュースへの受け止めは?

今回のニュースで紹介したレプリコンワクチンの承認について、どのように受け止めればいいのか教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

今回のレプリコンワクチンの承認によってワクチンの選択肢が増えることは、新型コロナウイルス対策においては望ましいことであると考えます。日本国内の企業が開発したワクチンとしても評価されるべきでしょう。ただし、今後はリアルワールドでの効果・副反応を含めたエビデンスの構築が必要です。また、開発した企業は今後、メディアなどを通じて国民に「新たなワクチンについてのわかりやすい説明」をすることが求められると考えます。

まとめ

厚生労働省のワクチン分科会は、今シーズンの定期接種の新型コロナウイルスワクチンに関して、レプリコンワクチンを含む5製品の使用を了承しました。定期接種の自己負担額は自治体によって異なるので、接種予定のある人は事前に調べておきましょう。

この記事の監修医師