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新型コロナ「第9波に入ったと判断」日本医師会 夏休みシーズンの感染拡大懸念

 公開日:2023/07/11
日本医師会 新型コロナ「第9波と判断が妥当」と指摘

日本医師会の釜萢(かまやち)常任理事は、新型コロナウイルスの感染者数が沖縄県で急増していることなどを踏まえて、「現状は第9波と判断することが妥当だ」と指摘しました。この内容について中路医師に伺いました。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

日本医師会の指摘とは?

日本医師会の釜萢常任理事が記者会見で指摘したことについて教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

日本医師会の釜萢常任理事は記者会見で、新型コロナウイルスの感染状況について「5類への変更後、一貫して全国で徐々に増えているのは変わらない。ほとんどの県で、5月よりも6月の方が報告数が増えており、沖縄県の感染者の増加が非常に著しい」と語りました。また、「一時的に感染者数が減って最も低いところになって、もう一度増える状態がずっと持続している場合には新しい波と考えてきた。現状は、第9波という状況になっていると判断することが妥当ではないか」と指摘しました。さらに、「沖縄県ではリスクの高い高齢者などへの感染を防ぐ取り組みが最も求められるとし、ほかの地域についても今後の感染状況を注視していく必要がある」という考えを示しています。

第9波への言及については、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会会長を務めた尾身氏も、岸田総理大臣との面会後に「第9波が始まっている可能性があるが、今後どのように推移するかは今のところわからない。社会を元に戻していく方向に進む中で、重症化リスクの高い高齢者を守り、亡くなる人を減らすことが重要だ」と話していました。

新型コロナウイルスの感染状況は?

現在の新型コロナウイルスの感染状況について教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

全国およそ5000の医療機関から報告された新型コロナウイルスの患者数は、6月26日~7月2日までの1週間で3万5747人となりました。また、1医療機関あたりの平均患者数は7.24人で前週の約1.18倍となり、増加傾向が続いています。

都道府県別に1定点あたりの患者数を分析すると、沖縄県が突出して多く、48.39人でした。続いて鹿児島県が13.48人、千葉県が9.89人、宮崎県が9.66人、熊本県が9.58人となっており、46の都道府県で前週より増加しています。

年代別にみると、10代が全体の19.5%という結果でした。次いで10歳未満が14.9%、50代が12.0%、40代が11.7%、20代が11.5%、30代が10.5%、60代が7.7%、70代が6.5%、80代が5.7%となりました。1週間に新たに入院した人は全国で5320人でした。

第9波で気をつける点は?

これから夏休みシーズンにもなる中での第9波が指摘されていますが、私たちが気をつけるべきことを教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

日本においては、夏期に入っても新型コロナウイルの感染者数の増加が続いており、第9波に突入したとして矛盾はないと考えます。今後は沖縄のみならず、各都道府県での医療ひっ迫も予想されています。加えて、新型コロナウイルスが5類に移行してから全数把握ができなくなり、どれぐらいの人が現時点で免疫を獲得できているかが不明で、感染がいつ収まるかの判断も難しい状況です。

帰省やレジャーで人の交流が盛んになる夏休みシーズンにおいては、高齢者などの重症化リスクのある人へのワクチン接種やマスク・手洗いなどの基本的な感染対策の継続が求められます。

まとめ

日本医師会の釜萢常任理事が、新型コロナウイルスの感染者数が沖縄県で急増していることなどを踏まえて、「現状は第9波と判断することが妥当だ」と指摘したことが今回のニュースでわかりました。夏休みシーズンを前の第9波という状況に、今後も感染の状況には注目が集まりそうです。

この記事の監修医師