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【新型コロナ第7波を振り返る】感染者の776人が自宅で死亡、うち28%がワクチン3回接種済み

 更新日:2023/03/27
新型コロナ第7波 自宅死亡患者少なくとも776人

12月7日、厚生労働省は「新型コロナウイルスの第7波中に、自宅で死亡した感染者は少なくとも776人に上る」との調査結果を発表しました。このニュースについて中路医師に伺いました。

中路 幸之助 医師

監修医師
中路 幸之助(医師)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

厚生労働省が発表した内容とは?

厚生労働省が発表した調査結果について教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

今回紹介する調査結果は、厚生労働省が12月7日に発表した内容です。発表内容によると、2022年7月から8月に自宅療養中や入院待機中などの際に自宅で死亡した人を集計すると、男性が460人、女性が316人となり、合計で776人となりました。

年代別に見ると、80代以上が58%、70代が21%、60代が9%、50代が5%、40代が3%、30代が2%、20代以下が2%でした。ワクチンの接種回数ごとに分析したところ、未接種が20%、2回接種が9%、3回接種が28%、4回接種が8%となりました。基礎疾患でみると、基礎疾患ありが69%、基礎疾患なしが19%でした。世帯の構成で比べると、家族などと同居が42%、単身が10%となりました。死亡直前の診断時の症状で比較すると、軽症・無症状が41.4%、中等症が13.1%、重症が7.1%でした。

死亡前に陽性と判明していたのは70.1%。死後になって陽性が判明したのは29.9%でした。また、死亡事例について具体的な例を見てみると「家族は入院を希望していたが、自宅療養となり死亡した」「自宅療養中、急速に重症化して死亡した」などのケースが報告されていました。

調査結果への受け止めは?

厚生労働省が発表した今回の調査結果について、受け止めを教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

自宅療養中にお亡くなりになられた人の多くは高齢者で基礎疾患を持っていました。今後、健康フォローアップセンターのさらなる充実、そして療養中に病態が悪化した際に医療機関へ迅速に紹介できる体制の強化が必要であると考えられます。また、これらを周知させるため、メディアを通じてのこまめな情報提供が求められます。

自宅療養の際の注意点は?

自宅療養する際、注意するべきポイントを教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

自宅療養中に注意すべき期間は、発症からおおむね1週間前後と言われています。息苦しさや胸の痛み、「ぼんやりしている」などの意識障害がある、パルスオキシメーターで酸素濃度が93%以下になるようなら、ためらわずに健康フォローアップセンターや保健所に相談するか119番通報してください。また、「なんとなく普段と違う」という印象も大切です。相談するにあたって遠慮は禁物です。

まとめ

12月7日、厚生労働省は「新型コロナウイルスの感染の第7波中に、自宅で死亡した感染者は少なくとも776人に上る」との調査結果を発表したことが今回のニュースでわかりました。第7波での自宅療養者は8月中旬で150万人に達しており、こうした自宅療養者へのケアを手厚くすることも重要になりそうです。

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