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新型コロナ「再感染」で死亡リスク2倍・入院リスク3倍増加 「ワクチン接種やマスク着用の徹底を」

 更新日:2023/03/27

ワシントン大学の研究グループは、「新型コロナウイルスの感染回数が1回の人と比べて複数回感染した人では死亡リスクが2倍以上になり、入院リスクは3倍以上に上昇する」というデータを報告しました。このニュースについて中路医師に伺いました。

中路 幸之助 医師

監修医師
中路 幸之助(医師)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

研究グループが報告した内容とは?

ワシントン大学の研究グループが報告した内容について教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

今回紹介するのは、ワシントン大学の研究グループによる新型コロナウイルスの感染回数と発症時のリスクについて報告した内容です。研究グループは、アメリカ合衆国退役軍人省の医療データを用いて解析をおこないました。アメリカ合衆国退役軍人省の医療データによると、2020年3月1日~2022年4月6日の間に新型コロナウイルス陽性になった人は51万9767人で、90日後に生存していたのは48万9779人、4万947人が再感染していたとのことです。複数回感染した人のうち、2回感染していた人は全体の92.8%の3万7997人、3回感染していたのは6.3%の2572人、4回感染していたのは0.9%の378人で、5回以上感染した人はいなかったとのことです。

研究グループは、複数回感染した人と1回しか感染しなかった人、そして新型コロナウイルス以外の疾患で治療を受けていた533万4729人のグループを比較することでリスクを検討しました。2022年6月25日まで追跡して解析したところ、新型コロナウイルスの感染が1回だった人に比べて2回以上感染した人は、追跡期間中の全死亡リスクは2.17倍高くなり、入院リスクは3.32倍高くなりました。また、腎疾患、肺疾患、血液凝固異常、心血管疾患でも有意なリスク差が見られ、糖尿病、消化器疾患、筋骨格系疾患、神経学的疾患、倦怠感、メンタルヘルスなどへの有意な影響が認められました。この結果を受けて研究グループは、「新型コロナウイルスに一度かかったことのある人は、再感染を防ぎ健康を守るために、あらゆる可能な予防策を講じる必要がある」と注意喚起しています。

報告内容への受け止めは?

ワシントン大学の研究グループが報告した内容について受け止めを教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

退役軍人といえば、過去にアメリカで「レジオネラ症(在郷軍人病)」と言われるレジオネラ菌の集団感染の発見のきっかけとなった集団を連想するように、退役軍人は高齢であり基礎疾患を持った白人男性が多いため、対象にバイアス(偏り)が大きいと考えます。したがって、今回のデータをそのまま社会一般全体に当てはめるのは少々難があると考えますが、大変興味深い研究結果でしょう。

今回の報告内容は新型コロナウイルス対策にどう活かせる?

ワシントン大学の研究グループが報告した内容は、新型コロナウイルス対策の現場でどのように活かせる可能性があるのでしょうか?

中路 幸之助 医師中路先生

特に「高齢者」や「基礎疾患のある患者さん」においては、帰省や旅行や室内での催しが多くなる年末年始に再感染の予防対策を徹底すべきと考えます。具体的には、引き続き「手洗い」や「マスク着用」などの基本的な感染対策に加えて、新型コロナワクチンの計画書な追加接種やインフルエンザワクチン接種をしておく必要があると考えます。

まとめ

ワシントン大学の研究グループが、「新型コロナウイルスの感染回数が1回の人に比べて複数回感染した人では、死亡リスクが2倍以上になり、入院リスクは3倍以上に上昇する」というデータを報告したことが今回のニュースでわかりました。新型コロナウイルスの再感染を防ぐ必要がデータで示された今回の研究は注目を集めそうです。

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