モデルナ製のオミクロン株「BA.5」対応ワクチンの使用を承認、11月28日の週から配送開始
厚生労働省の専門家による部会は、新型コロナウイルスのオミクロン株「BA.5」に対応するモデルナ製ワクチンの国内での使用を承認しました。このニュースについて中路医師に伺いました。
監修医師:
中路 幸之助(医師)
BA.5対応ワクチン承認の経緯は?
厚生労働省がBA.5対応のワクチンの国内使用を正式に承認した経緯について教えてください。
中路先生
新型コロナウイルスのオミクロン株に対応したワクチンを巡っては、9月からファイザーとモデルナのBA.1対応ワクチンの接種が始まっています。また、10月からはファイザーのBA.5対応ワクチンの接種も開始されています。このBA.5対応ワクチンについて、10月5日にモデルナはBA.5やBA.4などに対応するワクチンの承認申請をおこなっていました。10月31日に開かれた厚生労働省の専門家による部会では、このワクチンの申請について議論がおこなわれ、18歳以上を対象に国内での使用承認を了承しました。
BA.5対応ワクチンの接種計画は?
今回、新たに承認されたモデルナのBA.5対応ワクチンも含めた接種計画について教えてください。
中路先生
今回承認されたモデルナのBA.5やBA.4などに対応するワクチンについて、厚生労働省は約300万回分を11月28日の週から順次、自治体に配送する方針です。オミクロン株対応ワクチンの対象は約1億人とされていて、警戒されている流行の第8波に備えて今回承認されたモデルナのBA.5対応ワクチンを含めて、合計約1億200万回分のオミクロン株対応ワクチンを年内に配送する計画を示しています。10月に先立って承認されたファイザーのBA.5対応ワクチンについては、11月上旬にかけて約4300万回分が配送される計画となっています。
BA.5対応ワクチン承認の受け止めは?
ファイザーに続いて、モデルナのBA.5対応ワクチンの国内使用を正式に承認したことについての受け止めを教えてください。
中路先生
現在、新型コロナウイルスは第8波の入り口に差し掛かっていると言われており、今後BA.5に対応するワクチン接種の希望者が急増することが予想されています。また、ワクチンの需要が供給を急に上回る可能性が高く、現在のファイザー製のワクチンのみでは対応が難しくなると考えられます。そのため、厚生労働省がおこなったモデルナのBA.5対応ワクチンの迅速な承認は評価できると考えられます。
まとめ
厚生労働省の専門家による部会は、新型コロナウイルスのオミクロン株「BA.5」に対応するモデルナのワクチンの国内での使用を承認したことが今回のニュースでわかりました。ファイザーに加えてモデルナのBA.5対応ワクチンが流通することで、第8波に備える方針です。