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ワクチン3回接種でオミクロン株の重症予防効果85.6% 追加接種の有効性示す

 公開日:2023/05/26
オミクロン株での重症肺炎予防の有効性 ワクチン3回接種で85.6%

国立感染症研究所感染症疫学センターらの研究グループは、デルタ株流行期~オミクロン株流行期における新型コロナウイルスワクチンが重症肺炎に対してどの程度の予防効果があったかを調べたところ、「デルタ株流行期に96%と高い有効性を示し、オミクロン株流行初期には3回接種で85.6%まで上昇した」と明らかにしました。この内容について、中路医師に伺いました。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

研究グループが発表した内容とは?

今回、国立感染症研究所感染症疫学センターらの研究グループが発表した研究内容について教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

今回紹介するのは、国立感染症研究所感染症疫学センターと日本ECMOnetが共同で実施した研究です。研究グループは、2021年8月1日~11月31日のデルタ株流行期から2022年1月1日~6月30日のオミクロン株流行期初期での、呼吸不全を伴う新型コロナウイルス肺炎と人工呼吸器を要する新型コロナウイルス肺炎への予防効果を調査しました。調査対象になったのは1987人で、新型コロナウイルス陽性者の症例群は76.0%の1511人、新型コロナウイルス陰性の対象群は24.0%の476人でした。

解析したところ、調整オッズ比を計算したワクチン有効率は、デルタ株流行期において呼吸不全を伴う新型コロナウイルス肺炎に対しては96.0%、人工呼吸器が必要になるレベルの新型コロナウイルス肺炎に対しては99.9%と、極めて高い数字となりました。また、オミクロン株流行初期では、新型コロナウイルス肺炎に対して2回接種後180日以降で42.2%と低下したものの、3回接種で85.6%まで上昇していたことが分かりました。一方、人工呼吸器を要するレベルの新型コロナウイルス肺炎に対しては2回接種から180日経過後も高い有効性が継続していたこともわかりました。

研究グループは「デルタ株流行期におけるワクチン2回接種の高い重症化予防効果と、オミクロン株流行初期における3回接種の高い重症化予防効果が示された」と結論付けています。

発表内容への受け止めは?

国立感染症研究所感染症疫学センターらの研究グループによる発表内容の受け止めについて教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

たしかに、オミクロン株は接種後の期間によらずデルタ株に比べて2回目接種後の効果は劣ります。しかし、追加接種をすることで、テストでいえば60点以上の合格点が得られます。たとえ最初はテストの点が悪くとも、復習することで進級が可能です。新型コロナウイルスワクチンの追加接種の有効性がわかる結果であると言えるでしょう。

5類移行後のワクチン接種の必要性は?

新型コロナウイルスの感染症法の分類が5類に移行しましたが、今回の研究結果を踏まえて今後のワクチン接種の必要性や有用性について教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

ファイザー社やモデルナ社のワクチンの種類にかかわらず、2回目のワクチン接種から時間が経過していても、重症化予防の効果は保たれると言われています。5類に移行して社会活動が活発になり、重症化の可能性のある人も感染リスクの接触機会は増えるでしょう。重症化リスクのある人を守る意味でも、ワクチン接種の意味はあると考えます。

まとめ

国立感染症研究所感染症疫学センターらの研究グループが、デルタ株流行期~オミクロン株流行期における新型コロナウイルスワクチンが重症肺炎に対してどの程度の予防効果があったかを調べたところ、「デルタ株流行期に96%と高い有効性を示し、オミクロン株流行初期には3回接種で85.6%まで上昇した」と明らかにしたことが、今回のニュースでわかりました。こうした研究は、今後の新型コロナウイルス対策を考える上でも有用なものになりそうです。

この記事の監修医師