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初の国産「mRNAワクチン」第一三共が承認申請、使用対象は18歳以上の3回目接種を想定

 更新日:2023/03/27
第一三共 初の国産mRNAワクチン承認申請

第一三共は厚生労働省に対して、国内の製薬会社で初となる「mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチン」の承認を求める申請をおこないました。今回のニュースについて中路医師に伺いました。

中路 幸之助 医師

監修医師
中路 幸之助(医師)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

第一三共がおこなった申請とは?

第一三共が厚生労働省に対しておこなった申請内容について教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

1月13日、国内製薬大手の第一三共は、厚生労働省に開発中の新型コロナウイルスワクチンの承認を求める申請をおこないました。すでにモデルナやファイザーが開発したmRNAワクチンが接種に用いられていますが、国内の製薬会社でmRNAワクチンの承認申請がおこなわれるのは今回が初めてです。

第一三共のmRNAワクチンは、従来型の新型コロナウイルスに対応した成分が含まれていて、18歳以上を対象に3回目の接種としての使用を想定しているとのことです。18歳以上の約5000人を対象に3回目の接種を想定しておこなった最終段階の臨床試験では、ファイザーやモデルナのワクチンと同程度の有効性を確認できたことに加え、安全性も問題ないという結果が出ました。

国産ワクチンの開発状況は?

第一三共以外の国産ワクチンの開発状況について教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

国産ワクチンの開発状況については、今回紹介した第一三共によるmRNAワクチン以外に、2022年11月には塩野義製薬が開発した組換えタンパクワクチンが承認申請されています。組換えタンパクワクチンは、遺伝子組換え技術によって抗原となるタンパク質を作り出し、主に大腸菌、酵母、動物細胞を利用して製造されます。一般的に組換えタンパクワクチンは免疫原性が低いため、「アジュバント」と呼ばれるワクチンと一緒に投与して免疫原性を上げる必要があるとされています。実際に帯状疱疹やB型肝炎、破傷風、百日咳、帯状疱疹などのワクチンに使われています。

また、KMバイオロジクスはウイルスの病原性をなくした不活性ワクチンを開発しており、今春にも承認申請することを目指しています。

国産mRNAワクチン開発の意義は?

国産のmRNAワクチンが開発される意義について教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

ワクチンは重症化を防ぐ一定の効果が確認されています。日本でのワクチン接種の選択肢が増えることは歓迎されることであると考えます。

まとめ

第一三共は厚生労働省に対して、国内の製薬会社で初となるmRNAワクチンの承認を求める申請をおこなったことが今回のニュースでわかりました。これまで海外の製薬会社頼みだったmRNAワクチンについて、初の国産ワクチンとなる可能性があるだけに今後も注目が集まります。

この記事の監修医師