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塩野義製薬の新型コロナウイルス飲み薬、6~11歳の子どもへの治験を11月から開始

 更新日:2023/03/27
塩野義製薬の新型コロナ飲み薬、子どもへの治験は11月から開始

塩野義製薬は、現在開発中の新型コロナウイルス飲み薬「ゾコーバ」の効果を確認するために、6~11歳の子どもへの治験を11月に始めることを明らかにしました。このニュースについて中路医師に伺いました。

中路 幸之助 医師

監修医師
中路 幸之助(医師)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

6~11歳の子どもを対象にしたゾコーバの治験について

塩野義製薬がおこなう新型コロナウイルス飲み薬の治験について教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

今回は、塩野義製薬が開発している新型コロナウイルス飲み薬「ゾコーバ」の治験に関するニュースです。塩野義製薬は、最終段階の治験のうち発症者の同居家族を対象に予防効果を確認する試験を12月に実施するとのことです。また、6~12歳未満の軽症・中等症の小児を対象とした試験については11月から実施するとのことです。塩野義製薬は中間段階の治験結果を用いて国内での緊急承認を目指してきましたが、7月の段階では承認が見送られて審議継続となっていました。その後、塩野義製薬は9月下旬に最終段階の治験の速報結果を発表し、「日本を含む3カ国で1821人に投与して、鼻水や発熱などのオミクロン株に特徴的な5症状が消失するまでの時間が約1日短縮した」と報告しています。
さらに、ウイルス量の減少も確認できました。こうした結果を受けて、加藤厚生労働大臣は「医薬品医療機器総合機構において、速やかに審査を進めたい」と述べていました。

ゾコーバで期待できる効果は?

ゾコーバには、どのような効果が期待できるのでしょうか?

中路 幸之助 医師中路先生

ゾコーバは、新型コロナウイルスの重症化予防のために開発されている飲み薬です。12~70歳未満を対象にした治験では、1日1回のゾコーバの内服を5日間おこなったグループとゾコーバを服用していないグループで比較がおこなわれました。その結果、ゾコーバを内服したグループでは、4日目の内服によりウイルス量が大きく減ったことが報告されました。また、ゾコーバを内服したグループでは、発熱、咳、のどの痛み、鼻水、倦怠感などの症状が24時間短縮されて、7日前後で治まったという報告もあります。なお、治験中はゾコーバによる大きな副作用もなかったとのことです。

今回の治験に期待したいことは?

今回の治験の結果を受けて、今後期待したいことを教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

申請にはもう少し時間がかかると思われますが、承認されれば初の国産の新型コロナウイルス治療薬となります。小児を含めた幅広い年齢が使えるようになる可能性があるので、今後の治験の結果を期待したいです。

まとめ

10月11日、塩野義製薬は新型コロナウイルス飲み薬「ゾコーバ」について、6~11歳を対象に治験をおこなうことを公表しました。オミクロン株の広がりにより、子どもの感染が増えていることから、治験の結果が注目されています。

この記事の監修医師